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[筆洞情談] 清明と穀雨と大気汚染


  • [筆洞情談] 清明と穀雨と大気汚染
今月4日は清明であり、20日は穀雨だ。このような二十四節気は季節の変化を知らせる。農作業に便利な信号も送る。

清明には空が澄んで万物が蘇生する。「清明には火かき棒を上下逆さまに差し込んでも芽が出る」と言われるほどだ。それほど生育が活発だから、農家では苗木を植えて、野菜の苗を準備しなければならない時だ。穀雨には「春雨がすべての穀物を眠りから目覚めさせる」という。文字通り農作業が本格的に開始される時だ。「穀雨サリ(コグサリ)」と呼ばれる最高級のイシモチがとれるときでもある。黒山島の近くで冬を過ごしたイシモチが、この頃北上してきて西海でたくさんとれる。今月14日から20日まで「霊光法聖浦穀雨サリイシモチ祭り」が開かれることもそのような理由からだ。

今春には大気汚染が特に深刻だった。一寸先を見通すのが難しいほど政治・安全保障が不透明だが、空気さえ混濁していて息苦しいばかりだ。国際学術誌『ネイチャー』で微小粒子状物質がもたらした疾病のせいで韓国と日本で3万人以上が早期死亡するという研究結果まで発表されたのだから背筋が凍る。

政府が解決策を出せないから、大統領選挙候補たちが一言ずつ口をはさみ始めた。文在寅(ムン・ジェイン)共に民主党候補は石炭火力発電所の削減を提示し、安哲秀(アン・チョルス)国民の党候補は中国発の微小粒子状物質を解決するために、中国に言うべきことは言うという。大統領候補者の公約に効果があることを願いながらも、今すぐ実感できるような解決策には見えない。

微小粒子状物質は濃度に応じて良い(0~30)、通常(31~80)、悪い(81~)に分けられる。春の干ばつが猛威をふるったせいで、3月には天気の良い日が少なかった。それでも4月に入って1日、6日、10日など「良い日」がとびとびに現れている。清明前後に春雨が降りながら、空気が少しずつきれいになっているなんて幸いなことだ。

もう少しで穀雨だ。穀雨に雨を迎える態度はどの谷に暮らしているのかによってまちまちだ。

「この日、雨が多く降ってこそ豊作になる」と喜ぶ農村もあり、「穀雨に風が吹いて雨が降れば、その年は良くない」と避けたがる漁村もある。今では都市民たちも穀雨に空を見上げる。政府の大気汚染対策を信じられない都市民が天水場の農民の心情になった。穀雨には微小粒子状物質を洗い流してくれる春雨が待ち遠しくなる。
  • 毎日経済 チェ・ギョンソン 論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-04-15 09:21:59




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