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[筆洞情談] 政治家ファンド


  • [筆洞情談] 政治家ファンド
文在寅(ムン・ジェイン)共に民主党大統領候補が19日に発売した「文在寅ファンド」が330億ウォンを集めて1時間で完売した。年に3.6%の金利で金額の上限なく募集したところ61分で1万534人が約定し、このうち4488人が入金して当初の目標値であった100億ウォンの3倍を軽く超えたという。選挙後得票率15%を超えて国家から選挙費用を補填されるのなら、7月19日までに返済という計画だ。収益率の観点では魅力的ではない3か月商品だが、支持者が集まった結果だ。「ファンド」という言葉が付いているが「文在寅ファンド」は金融商品ではなく、国民から少しずつお金を借りる個人間の金銭借用契約だ。募金という実用的な目的もあるが、話題を作って支持者を結集させようとする一種の政治イベントだ。

政治家ファンドは、世界にも類のない韓国特有の商品だ。元祖は「ユ・シミンファンド」だ。2010年京畿道知事に出馬したユ・シミン前保健福祉部長官が国民から借りるというアイデアを出したのが始まりだった。彼は「決して不法資金で選挙費用を集めない」と年に2.45%の金利を掲げ募集広告を出したのだが、3日で41億ウォンを集めて周囲を驚かせた。自身の顔写真が刻まれた借用証書も投資家に伝達された。彼は選挙で負けたが、15%以上得票して投資家に元金と利息を返済した。パク・ウォンスンソウル市長も、2011年ソウル市長補欠選挙資金39億ウォンを集めるために「パク・ウォンスンファンド」を突破口として利用した。当時パク・ウォンスン候補のサイトには、「500万ウォンを投資した」「インド旅行に行くお金を入れた」という支持者も現れた。

以後、政治家ファンドは選挙のたびに登場する定番メニューとなった。2012年の大統領選挙当時、「パク・クネ約束ファンド」は250億ウォン、「文在寅タムジェンイ(韓国語でツタ)ファンド」は300億ウォンを集めて興行に成功した。

支持する候補者に金銭的支援をしながら少なからず収益率も上げることができるという点で、政治家ファンドは資本主義と政治が結合された産物だ。キャンプの立場でも金融機関から借り入れる場合はとにかく利息を支払わなければならないため、国民との接触面を広げて潔白な政治家というイメージ浮上を狙いファンドを好む傾向が高い。「類似受信行為」という一部の主張もあるが、国民の自発的な政治参加を引き出すことが目的だ。しかし、人気のない政治家たちには事実上「絵に描いた餅」なうえに、得票率が低調な場合は「ジャンクファンド」になることもあるために論難も多い。
  • 毎日経済 シム・ユニ 論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-04-22 07:26:34




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