トップ > コラム > オピニオン > [コラム] ラビの予言

[コラム] ラビの予言


トランプ米国大統領が「使用することにならないことを願う」と距離を置きながらも、対北軍事行動は明白なオプションだと明らかにしたという知らせを聞きながら、ふと23年前のイスラエルのラビの不気味な予言が思い浮かぶ。

イスラエルのラビ、サアディア・ナフマーニーが「ソウル」を名指しして、「ソウルが終末(アルマゲドン)の源」になると語った。北韓(北朝鮮)の相次ぐ核とミサイル実験、トランプの北韓攻撃への言及が続いているために、ラビの予言が再び耳元をぐるぐると回る。

韓国の人々はこれをどう受け止めているのだろうか。まだ大半の韓国人は韓半島(朝鮮半島)で戦争が起こる可能性を予想しておらず、日常を過ごしている。退屈な日常から脱出する楽しみを見つけることにより没頭している。

米空母カール・ヴィンソンが韓半島へと舵を切り、戦争の危機が高潮していた去る4月に行われた世論調査機関(ドゥーイットサーベイ)による10~49歳の男女4000人を対象にしたアンケート調査では、「韓半島で戦争が起こる可能性がある」と答えた人は31.7%だった。

  • [コラム] ラビの予言
米国でロシアスキャンダルによって議会で調査を受け、人気が底を打ったトランプが視線を北韓の核に逸らせようとしていることが戦争の危機をあおって、戦争の可能性があると考える人を増やした結果だろう。

ラビが北韓と米国の核戦争を警告した2014年12月は、韓半島での戦争の危機が終息し、南北間で新たな秩序を模索していた時期だった。ラビの予言はすぐさま忘れられた。そして最近、再び韓国人を不安にさせている。

韓半島で核戦争が始まると誰が、どの国が利益を得るのだろうか。先に紹介した調査では、回答者は米国(59.1%)、中国(55%)、日本(49.4%)の順で利益を得るだろうという意見を出している。

しかしラビが見た未来の姿はちょっと違うように思われる。「紐帯を破壊する核戦争はコリアで始まるだろう。未来に起こることをあらかじめ言っておく。シリアでもペルシャでも、バビロンでもカダフィでもない。まさにコリアだ」。

ラビは韓半島で勃発する戦争が、遠く中東のユダヤの地にまで広がると予測した。彼の予言が現実になるだろうか。予言が実現する日がまさに今なのだろうか。

ノストラダムスの終末論も、2012年のマヤのカレンダーもすべてむなしい笑い話で終わった。しかし、韓半島の核戦争はまとはずれの妄想ではない。そしてこれは韓国民の悲しみだけで終わらず、地球全体を荒廃させることだろう。

トランプも表面上は戦争を避けたいと言う。戦争を避ける方法なら、いくらでもあるだろう。まずあのように、核兵器開発に狂った北韓の本音を知ることが急務だ。

1人当たり国民所得が1300ドル台の世界で最も貧しい国、北韓が世界の警察を自任する米国に対抗する理由は正確に何なんだろうか。この問いに対する答えを見つけることが、核戦争を避ける近道となるだろう。これは韓半島の核戦争を予言したラビが、韓国と米国の指導者に差し出した宿題でもある。

ラビのサアディア・ナフマーニーはイスラエル人に「トラ(ユダヤ教律法)を信奉し、トラのために平和的に戦え」と勧告した。彼の勧告を受け入れたからだろうか?いまやイスラエルと中東諸国はそれなりに平和に見える。
  • O2CNI Lim, Chul
  • 入力 2017-09-10 08:30:00




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア