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[コラム] アドーニス症候群
[コラム] アドーニス症候群
アドーニス。熱狂的に狩りを好むアプロディーテーの恋人だ。美少年を象徴したりもする。
アドーニス症候群は外見に執着を見せる男性を指す。
自分がブサイクだと考える男性たちだ。
「君は素敵だね!私が君のようになれるなら、他に願うことはない」と周りが褒めてあげても鏡をのぞいてみたり、変わらずに悲観している姿でため息を吐く。
外見を重視する社会の雰囲気からか、それとも完璧さを追求していて生じた精神病なのかはわからないが、症状がひどくなると自殺も辞さないというのだから、簡単に済まされる問題ではない。
外見について話していたら、映画『マトリックス』が思い浮かんだ。
< 『マトリックス レボリューションズ』の一場面 >
ネオ(キアヌ・リーブス扮)は、すべての存在を自分の分身にしたエージェント「スミス」と最後の決闘を行う。
映画のテーマではないが人間の記憶を支配するAI要員のスミスは外見の問題を一度に解決する。すべての人を自分の分身にしてしまったのだから。
顔立ちがまったく同じで、装いも、体格も、話し方も、振る舞いも全く同じなのだから、比較する外見というものが存在しない。丸かったり、平らだったりも何の関係もない。
問題はここから生じる。これで本当に外見の問題が解決するのだろうか。アドーニス症候群を治療することができるだろうか。果たしてこのような社会を私たちが夢見る必要があるのだろうか。
外見は相手と自分の相違を認識させる。差別ではなく、相違だ。
ハンサムだったりブサイクだったりではなく、違うということだ。ブサイクな人がいてこそ、ハンサムな人もいるということだ。ファッションセンスのない人がいてこそ、装いが素敵な人がさらに輝く。
相違を認識すること。これこがアドーニス症候群の処方になるのではという気がする。しかし症候群にかかった患者に相違をどう認識させることができるだろうか。
年を取った患者には容易ではないだろう。だから幼い頃から相違を教えなければならない。
君と私は違う。お互いに異なることから友情も、愛も生まれ、関係も葛藤も、話題も生まれるということを教えるべきだ。お互いに異なることから生活も豊かになるということも含めて。
秋夕(チュソク)に幼い子どもが鏡をのぞきながら「私は醜い、お母さんはどうして私をこんな風に産んだの」と鏡を投げつける姿が思い浮かび、この文を書いている。その子に相違をどう説明したらいいだろうか。まだはっきりとした方法が思い浮かばない。
動物園に連れて行けば、何か方法が見つかるのではないかと期待している。
O2CNI Lim, Chul
入力 2017-10-15 08:00:00
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