トップ > コラム > 5G技術で「IT競技場」になった平昌オリンピック

5G技術で「IT競技場」になった平昌オリンピック


  • 5G技術で「IT競技場」になった平昌オリンピック
  • 去る11日、江原道の平昌アルペンシアクロスカントリーセンターで観覧客がKTの尖端第5世代移動通信(5G)端末を通じてクロスカントリー競技の状況をリアルタイムで楽しんでいる。 平昌=キム・ヂョンファン記者



「うわ、キム・ウンホ選手が何を見ているかみんな見えますね」。

11日、江原道の平昌アルペンシアクロスカントリーセンター。 KTの5G(第5世代移動通信)展示館に入った観覧客が、タブレットPCを手にして感嘆詞を連発する。タブレットの画面には、競技が開催されているクロスカントリーセンターの全景が映し出される。

韓国代表のキム・ウンホ選手をクリックするやいなや、直接競技場を走っている選手の目に入る雪原が繰り広げられる。キム・ウンホ選手が35度の急峻な雪道の上で、フィニッシュラインまですっきりと伸びた下り坂をさっそうと滑って下る様子が一目で入ってくる。

観覧客がまるでキム・ウンホと一体になって走る感じだ。選手たちの体には専用のセンサーを装着してあり、現在どの選手がどの地点を過ぎているかどうか、リアルタイムで確認が可能だ。

平昌冬季オリンピックが各企業の第4次産業革命の競演場になった。国内外の関心が集中している国際舞台で、ビッグデータや人工知能(AI)、バーチャルリアリティ(VR)など、自社の主力技術を大々的に広報する機会をつかんだ。

財界関係者は14日、「平昌五輪は2016年ダボスフォーラムで第4次産業革命の概念が登場した後、初めて開かれる冬季大会」だとし、「企業がこれまで積み上げた技術を競争するようにリリースして、財界では技術オリンピックブームに火がついた」と雰囲気を伝えた。

◆ ビデオゲームのように進化したスポーツ

最も大きく変わったところは競技場の現場だ。平昌オリンピックは尖端センサー技術が最初に導入された、史上初のビッグデータ冬季大会として記録される見込みだ。選手の位置をリアルタイムで把握することは基本だ。自分が応援する選手がどれだけ走ったか、どれだけ高くジャンプしたのかも一目で認識することができる。ビデオゲームとスポーツの間の境界が次第にぼやけているわけだ。

世界最初の5G観覧施設が構築されたKTクロスカントリーセンターが代表的だ。ここでは従来の一方的なテレビ中継から抜け出し、自分が興味のある選手を指定して、任意の時点で見ることができるサービス(オムニビュー)を味わうことができる。競技スーツに装着した衛星測位システム(GPS)を通じて、選手の位置と記録が5Gタブレットにリアルタイムで送信される。

主要拠点ごとに17個のカメラが設置されていて、関心のある選手を追いかけて競技姿を見守ることもできる。スタジアム全体が仮想現実のイメージとして構築されて、選手といっしょに直接競技を走る体験もしてみることができる。

大容量のデータを伝送できる5G技術がこのような体験を可能にした。KTオリンピック推進団サービス開発チームのパク・インス博士は、「5Gネットワークは従来のネットワーク(第4世代LTE)に比べて速度は20倍速く、処理能力は100倍増えた通信の高速道路」だとし、「これまでLTE網では不可能だった3Dデータもすぐに転送が可能だ」と語った。

スイスの時計会社オメガ社もモーションセンサーでアイスホッケー選手の動きを細かく読み取って、リアルタイムでテレビ視聴者に提供するサービスを最初に導入した。競技ウェアなどに取り付けたセンサーは、選手が動く速度や瞬間の加速度、移動距離、方向転換などのすべての動きを感知して、競技場に設置された20個の受信機に送信して競技をより立体的に楽しめるようにした。オメガ社の関係者は、「モーションセンサー技術はアイスホッケーだけでなく、アルペンスキーやクロスカントリー、スピードスケート、ボブスレー、スノーボードハーフパイプなどに適用された」とし、「選手らが動いた正確なパフォーマンスをセンチメートル単位でつかんでいる」と説明した。

  • 5G技術で「IT競技場」になった平昌オリンピック
  • 去る7日、江陵オリンピックパークに位置する「サムスンオリンピックショーケース」で観覧客が360度まわる椅子に座ってジャングルを飛び回る冒険を楽しむ「フライングダイノ」を体験している。 江陵=キム・ホヨン記者



◆ サムスンは仮想現実、現代自動車は自律車を公開

「夢のまた夢」だっただけに入手が困難な最前列のチケットがなくても、第4次産業革命の技術を楽しむことができる。サムスン電子と現代自動車など国内の看板企業は相次いで広報館を開設し、一般消費者との接点を増やした。

江原江陵オリンピックパーク「サムスンオリンピックショーケース」現場はVRメカになった。 VRやモノのインターネット(IoT)などのサムスンが誇る技術が集約されて、スケルトン、スノーボード、アルペン、クロスカントリーなどの主要種目をを最尖端のVRで体験できるように作られた。スケルトン状の機器に身を寝かせた後、VR機器を装着するやいなや実際の競技が行われるオリンピックスライディングセンター全景が目の前に広がる。そりを動かして支えれば、本当にスケルトンに乗ったように全身に微細な振動が伝わる。

現代自動車は一般人を対象に、世界初の自律走行水素電気自動車(FCEV)での市内走行を展開し、技術力の後方に乗り出した。ロータリーや上り坂、トンネルなどが複合的に混ざっていて、運転するにも手ごわい道だ。しかしアクセルを踏んだりハンドルに手を触れなくても自律車が自動で速度を加え、こちらへ走ってくる大型貨物車を避けつつ8分後にコースを完走した。

車両に設置されたライダー(Lidar/レーザーを利用した距離測定センサ)6基、レーダー3基、カメラ4台で周辺200メートルをこまごまと調べながら、自動的にリスク要因を避けて走る。 5Gコネクテッド・カーの技術が適用され、交通信号をリアルタイムで転送してもらって信号も正確に読む。イ・ジヌ現代自動車インテリジェント安全技術センター長は、「平昌オリンピックを契機に想像が現実になる自律走行技術を確認できるだろう」と強調した。
  • 毎日経済_江陵・平昌=キム・ヂョンファン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-02-14 17:31:33




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア