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韓国文化界をおそった「ミートゥー」暴風


  • 韓国文化界をおそった「ミートゥー」暴風
  • チョ・ジェヒョン氏はtvNドラマ『クロス』で天才医師カン・インギュ役を引き受けた。彼は24日、セクハラ疑惑を認めてドラマから降板する意思を明らかにした。 写真提供= tvN



「私は罪人だ。大きな傷を負った被害者の方々に頭を下げて謝罪申し上げ、すべてから降りる」。

俳優でありスヒョンジェカンパニーの代表として大学路(テハンノ)で演劇やミュージカルを制作してきたチョ・ジェヒョン氏(42歳)は24日、「ソンチュヘン(性醜行/セクハラ)」疑惑を認めた。先だって、『明成皇后』『英雄』などの大型創作ミュージカルを制作してきたエイコムのユン・ホジン代表(70歳)も「被害者の方の立場で、被害者の方が臨む方法で謝罪する」と過ちを認めた。

中堅演劇俳優であり、ソウル芸大教授として在職中のハン・ミョング氏(57歳)もすべての罪を認め、「教授と予定されていた公演などすべて降りる」と語った。

ユン代表はミュージカル製作会社エイコムを運営しており、俳優のチョ・ジェヒョン氏も放送活動とあわせて大学路で演劇制作者として活動してきただけに、公演界に小さくない暴風が予想される。

まずユン代表が率いるエイコムは、慰安婦を素材にした創作ミュージカル『ウェンズデー』の制作発表会を無期限延期した。ただしユン代表が演出を引き受けたミュージカル『明成皇后』は予定通り、3月6日から世宗文化会館大劇場で行われる。エイコム側は「ユン代表は『明成皇后』の演出の一線から退いて、公演は予定通り舞台に上げる」と述べた。ユン代表の今後の去就については、「内部的に悩んでいる」と言葉を惜しんだ。

チョ・ジェヒョン氏は出演中のドラマ『クロス』(tvN)から降坂することで、ドラマに少なからぬ影響を与えると思われる。彼はまた、1回めから担ってきた「DMZ国際ドキュメンタリー映画祭」執行委員長職からも退く。ただしチョ・ジェヒョン氏が代表であるスヒョンジェカンパニーが制作したミュージカル『ブラザーズ カラマゾフ』と演劇『エクウス』など、多数の公演日程については後日発表する予定だ。

ソンチュムン(性醜聞)波紋を起こしたチョ・ミンギ氏(42歳)も来月初めに初放送予定のドラマ『小さな神の子供』(OCN)から降板してイ・ジェヨン氏に交代した。

一方、25日のソウル市大学路のマロニエ公園では「演劇、ミュージカル観客#ウィズユー(WITH_YOU)」集会が開かれた。演劇界の性暴力波紋に観客がミートゥー告白に乗り出した被害者を支持し、公演界の性暴力に反対するために集まったものだ。この日、黒いマスクをして通りを埋めた参加者600人は、「被害者の勇気ある暴露を支持」「観客は性犯罪者の公演を望んでいない」「公演界の性暴行アウト(OUT)」などのスローガンが書かれたプラカードを持ってデモに乗り出した。

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  • 左からユン・ホジン氏、ハン・ミョング氏、ペ・ビョンウ氏



相次ぐミートゥー(#MeToo)暴露が事実と確認されて、関係者は対策作りに乗り出した。全羅南道・順天市(スンチョンし)は有名写真家のペ・ビョンウ氏(68歳)のセクハラ疑惑事件と関連し、文化の街にあるペ・ビョンウ創作スタジオを閉鎖した。

演劇界のセクハラと性暴行事件で泥を塗られた国立劇団も、自省の声を出して後続対策を模索する。ミートゥー運動を通じて演出家のイ・ユンテク氏(66歳)は、2015年に『問題的人間燕山』の制作過程で国立劇団のスタッフに性暴行を加えたし、2005年には客員俳優にセクハラを行ったという事実が一歩遅れて暴露された。

国立劇団は24日、ホームページに掲載した立場表明で「演劇を愛してくださった方が、性暴行加害者と直接または間接的に会った接点として国立劇団があった」とし、「失望と絶望を感じておられるすべての方に頭を下げて謝罪する」と述べた。国立劇団は契約書に性暴行関連条項を体系的に明確に補完するために法律諮問を受けることにした。また被害者の保護を最優先にした申告・対応システムを構築して、作品ごとに人権侵害問題を処理する担当者を別途に指定する案も用意する計画だ。

宗教界でもミートゥー暴露の爆風が激しい。水原教区に所属のハン(仮名)神父が海外宣教地で信徒をセクハラして停職処分を受けた事実が暴露された中で、天主教も措置に乗り出した。ハン神父が所属する水原教区の教区長であるイ・ヨンフン司教は25日、教区の信徒らに宛てた書簡で「司祭団をただしく導かなかった不徳の致すところで、被害者に心から謝罪申し上げる」とし、「女性の人権を尊重する文化を作り、それに見合った教育プログラムを強化する」と述べた。

韓国天主教司教会議側は、「聖職者の性犯罪は教皇庁の指示に従って処理しているが、今回の事態を契機に内部的に議論がさらに行われなければならない」という立場だ。改新教系では教会改革実践連帯がキリスト教反性暴力センターを開所し、センター開所に先立って来月の2日、「教会内性暴力の生存者が語る会」を開く。連帯側は関連情報提供を集めて事例集を出すという計画だ。

文化界のミートゥー運動はさらに強まるものと思われる。ジャズピアニストのY氏、ミュージカル中堅俳優のS氏、有名な映画音楽監督L氏などのソーシャルネットワークサービス(SNS)に匿名暴露が続いているからだ。
  • 毎日経済_ ホ・ヨン文化専門記者/キム・ヨンジュ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-02-28 21:28:22




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