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4050世代のチケットパワー...『神と共に2』興行


  • 4050世代のチケットパワー...『神と共に2』興行

『神と:因と縁』(以下『神と共に2』)は「1000万映画」の秒読みに入った。封切り7日めで累積観客740万人(映画振興委員会集計)を集め、破竹の勢いで興行している。歴代韓国映画市場を中で最も急速に、このままならば今週、観客1000万人突破が確実視される。

注目すべきことは、この映画の観客の過半数が40・50代ということだ。

7日のロッテシネマによると、 『神と共に2』の入場者(オン・オフライン前売り及びチケット発券会員)の割合は40・50代が51%(40代40%、50代11%)で、十分に圧倒的だ。 10代は3%で20代は11%、30代22%、60代以上は3%に達する。ロッテシネマの関係者は「チケットの支払い者のうち、40・50代の多いことはそれだけ家族観覧客が多いことを意味する」と言う。

業界では昨年公開された1作目の『神と共に:罪と罰』がうち立てた1441万人の記録を超えて、2編含めて観客3000万人動員の可能性も見ている。この場合、国内で初めて同時に二編を製作し、総製作費400億ウォンをかけた超大作1・2編を国民の半分以上が見ることになる。

全国民が『神と共に2』に熱狂する理由は何だろうか。毎日経済新聞が映画界従事者や評論家などの専門家集団の見解をまとめた結果、前編に続いて連続ホームランを打った『神と共に2』興行人気の秘訣は、△家族中心の話、△口伝文学型ストーリーテリングの力、△東洋的ファンタジー世界観の魅力、△猛暑効果の4つに要約される。

『神と共に2』を製作したリアライズピクチャーズのウォン・ドンヨン代表は、「普遍的なテーマを家族ドラマとして解いた点が的中したようだ」とし、「母性愛、父性愛、親孝行、善行、周りの人との縁など、全世代が共感できるメッセージをやさしく解いたことが愛される秘訣ではないだろうか」と述べた。

『神と共に2』の中心テーマは、前編のように「家族」にある。 1作目が母子関係や兄弟関係が中心であったなら、今回は祖孫関係や父子関係、兄弟関係などをより広く繰り広げる。これは昨年の『タクシー運転手』『1987』などが手掛けたマクロな歴史物とは異なる点だ。

カン・ユジョン映画評論家は、「大きな叙事に炎症を起こし始めた大衆に、『国際市場』(2014)のようにフレンドリーな家族中心の女児を打ち出したのが功を奏した」と語った。

当初、『神と共に2』は過度に説明的だという指摘が多かった。話し手のナレーションが過度で、世間では「ソルミョンチュン(説明虫=説明+虫)」映画だという皮肉も聞こえてきた海。しかしこれがかえって強みになったという分析が提起される。フレンドリーな話し手の親切な説明が、ストーリーへの没入を自然に誘導してくれるということだ。

カン・ユジョン評論家は「『人狼』のように権威的な話者がしばらく話の端緒に出てくることとは異なり、『神と共に2』はマ・ドンソク(ソンジュシン役)からハ・ジョンウ(降臨約)に語り継がれる文学形式」だとし、「2つの人気俳優を通じたストーリーテリングが観客に簡単でおもしろく感じられたのだろう」とした。ウォン・ドンヨン代表は「話を簡単明瞭に伝えようとした」とし、「視覚効果がやや粗野だが話がうまく伝達されたうえに、それなりの反転と伏線が敷かれて没入度を高めた」と分析した。

東洋的ファンタジーを標榜する『神と共に2』の世界観も興行人気の要因としてあげられる。死後の世界と土俗神など、西欧型ファンタジーの世界観とは全く異なる設定がほどこされている。これは韓国だけではなく、アジア圏でも広く好まれる素材だ。 1作目が台湾とベトナムなど、アジアなどに輸出されて大きく興行人気を得たことがその例だ。

『神と共に』の配給会社ロッテカルチャーワークスのカン・ドンヨン コミュニケーションチーム長は、「マーベル製ヒーロー映画をはじめとするハリウッドファンタジー物がふつう10・20代の若い層を狙うなら、『神と共に2』は東洋ファンタジーの世界観で40・50代はもちろん、アジアの全年齢を目指す」とし、「2編めの成功も同様に無関係ではないようだ」とした。

この他に類を見ない猛暑も一役買っていたものと分析される。今年の夏の避暑地として劇場を選択した観客に、重くて深刻な映画は口当たりがよくないからだ。実際に『神と共に2』の封切り日である去る1日、ソウル市の真昼の気温は40度に迫った。
  • 毎日経済_キム・シギュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-08-07 17:49:40




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