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南北経済協力…韓半島新経済地図を具体化


  • 南北経済協力…韓半島新経済地図を具体化

文在寅(ムン・ヂェイン)大統領と金正恩(キム・ヂョンウン)北韓国務委員長が平壌で発表した「9月平壌共同宣言」で、南北経済協力(経済協力)構想である「韓半島新経済地図」の具体的な輪郭が明らかになった。国際社会が対北制裁を解除する前にも、各自が経済協力のインフラを構築するために努力し、その後に制裁解除のレベルに合わせて進行が可能な経済協力事業から速度を加えることが重要だ。北韓の非核化と関連した米・北協議が順調に進めば、韓半島新経済地図構想もはずみがつく見通しだ。

19日、政府の関係者は「今回の共同宣言に含まれる南北経済協力構想は、徹底的に北韓の非核化にともなう国際社会の対北制裁の解除レベルと連動している」とし、「制裁解除の段階で可能なすべてのシナリオを韓国政府が完成した」と述べた。

南北経済協力の第一段階は、対北制裁に関係なく進行できるすべての事業を盛り込んだ。核心は経済協力に必要な事前調査を行い、鉄道・道路などのインフラを南北が別々に構築するものだ。

研究事業はすでに開始された。鉄道はコレイルと鉄道施設公団が南・北・中・露の鉄道物流インフラの構築と運営方案研究を、電力分野は韓国電力が南北間の異なる送電線関連の研究を行っている。

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今回の平壌共同宣言は、鉄道・道路の連結と関連して「年内着工」と時点を明示した。国土交通部は、東海線の鉄道断絶区間である江陵~チェヂン(104.6キロメートル)区間の建設(総事業費2兆3490億ウォンと推算)を推進すると明らかにした。京義線鉄道は韓国側がすでに2007年に開城(ケソン)まで接続したが、北側の線路の近代化が必要な状況だ。道路の接続について国土部の関係者は、「北側が開城から平壌への道を近代化し、これを既に車両が通行している南側の文山(ムンサン)でケソン区間と接続する事業を年内に開始することになるだろう」と述べた。

養苗場の近代化と林農複合経営、森林火災防止の共同対応事業など、南北は山林協力にも速度を出す。ただし単純に共同研究という次元ではなく、南側の苗木と装備が上がる本格的な造林事業は、関連する対北制裁の解除後に推進される見通しだ。経済協力の第二段階は、国際社会の対北制裁の中で一番最後に導入した、北韓産の製品・農水産物の輸入禁止と北韓労働者の雇用禁止、対北金融取引きの禁止などが解除されると進められる。

この場合、平壌共同宣言で「西海経済共同特区」として表現した西海(ソヘ)の共同漁労事業を優先して推進する。 1991年から水産協同組合中央会が推進したこの事業は、西海5島の近くに「平和水域」を作り、われわれの側の漁船と資材を、北側では船員を提供する共同操業で利益を生み出そうという構想だ。北韓の水産物輸出を禁止した国連制裁などが解除されてこそ可能だが、すでに実務議論を開始した状態だ。

労働者・金融取引きと関連した国連・米国の制裁が解除されると、開城工業団地と金剛山観光も再開することができる。 2016年の中断当時、第一段階の開発レベルにとどまった開城工業団地が拡張されると、米国や中国などの国際資本誘致も推進すると見られる。また、金剛山観光は平壌共同宣言で新しく登場した表現である「東海観光共同特区」事業の一環として再開する見通しだ。すでに江原道などは「明沙十里(ミョンサシムニ)」海岸で有名な北側の元山カルマ地区をはじめ、既存の金剛山特区を南側の雪岳山(ソラクサン)と連携する観光商品を、束草港・襄陽国際空港などを介して行き来できる経済協力構想を提案したことがある。

この他にも、南側の境界地域に北韓の労働者が降りてきて働くことができる産業団地を作る「統一経済特区」構想も進行するものと思われる。

経済協力の第三段階は、米・北国交正常化の段階に至って国際社会がほぼすべての対北制裁を解いたときを想定したものだ。現在、ワッセナー協定などの国際戦略物資輸出統制システムは、コンピュータや工作機械などの高度な機器の対北輸出を禁止している。米・北国交正常化の段階に至って、米国が国内法上のすべての対北制裁を解除して、国際戦略物資の輸出統制体制も解ければ、平壌ICT特区とタンチョン資源開発特区に国内企業が投資することが可能になる見通しだ。北韓が米国の承認で国際通貨基金(IMF)に登録すると、世界銀行(WB)のような国際投資銀行の対北投資も可能となる。

政府もすぐさま経済協力の速度を高めるという意思を明らかにした。金東?(キム・ドンヨン)経済副総理兼企画財政部長官はこの日、全北・群山の雇用危機総合支援センターを訪問した直後に記者らと会って、「条件がそろえば南北経済協力を推進する」とし、「(南北経済協力のためには)国際社会と協力も必要だし、北韓制裁の解決が先行しなければならない」と語った。

先だって対外経済政策研究院(KIEP)は、昨年末に発刊した「南北経済統合分析モデルの構築と成長効果分析」レポートを使じて、これまで推進または検討してきた南北経済協力事業を通じて、30年間に南側に170兆ウォン、北側に250兆ウォン規模の経済効果をもたらすと推定した。分野別に南側は開城工業団地事業の経済効果が159兆2000億ウォンで最も大きく、続いて金剛山事業・タンチョン地下資源開発(それぞれ4兆1000億ウォン)、造船協力団地(2兆6000億ウォン)、鉄道・道路の連結(1兆6000億ウォン)の順で効果が大きいことが分かった。一方、北側は社会間接資本(SOC)の鉄道・道路の連結効果が92兆6000億ウォンで最も大きくなった。
  • 毎日経済_チョ・シヨン記者/ソク・ミンス記者/チェ・ヒソク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-09-19 19:37:03




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