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戻ってきた中国団体観光客...「限韓令」後で最大規模


途絶えていた中国人団体旅行客の足が、今回は続くのだろうか。中国の化粧品会社の関係者600人あまりが団体で韓国を訪問し、この間凍りついていた航空・流通業界に期待感が漂っている。中国政府がサード(THAAD/高高度ミサイル防衛システム)の配備に抗議して韓国への団体旅行を禁止した後、昨年に「限韓令」が解除されたにもかかわらず、団体旅行はまだ正常化していない状況だ。

アシアナ航空(社長ハン・チャンス)は19日、中国の人気化粧品ブランド「ANYA(韓雅)化粧品」の従業員の団体旅行を誘致したと明らかにした。アシアナ航空によると、北京・上海・杭州など中国16都市のANYA化粧品の職員600人が10月19日から24日まで韓国を訪れる。

団体客はソウル市の明洞と東大門、江南一帯を回って韓国の化粧品市場を見学し、韓・中の化粧品セミナーを行う予定だ。旅行業界では19~20日の二日間にわたって入国するANYA化粧品社員は、アシアナ航空の利用客600人を含めて計820人に達すると見ている。今回の団体訪韓は中国内の韓国行き団体旅行の規制措置以来で最大の規模だ。先だって「限韓令」以前の2016年には、アシアナ航空はアオランとジュンマイグループの団体旅行で6000人を誘致した。

アシアナ航空側は「限韓令が本格化した2017年以来、100人単位以上マイス(MICE/企業会議、賞観光、コンベンション、展示会などをあわせた団体旅行)の旅行誘致はなかった」と語った。

ANYA化粧品は2008年、コリアナ化粧品の営業マン出身のキム・ヒョンヨル代表が中国の杭州で創業した企業だ。設立3年めで売上高300億ウォンを突破するなどの成果を出した化粧品の製造及び販売会社だ。

韓国観光公社によると、今年の上半期の韓国を訪問した中国人観光客は217万人だった。上半期の累積訪問者は前年比で3.7%減少したが、第2四半期の時点では訪問者は51.7%増加した。以前の水準を回復できなかったが、訪問者は徐々に増えるという分析が出ている。

これまで中国のサード報復措置で、韓国の各航空会社は直撃弾を受けた。 2016年だけで806万人の中国人が韓国を訪問したが、昨年は416万人に大きな幅で減少した。格安航空会社(LCC)は一部の中国路線を閉鎖し、日本や東南アジアなどへの路線多様化政策を推進してこれに対応してきた。中国の路線運輸権をそれぞれ38路線と30路線保有しているアシアナ航空と大韓航空も、サード報復措置で中国路線を一部減便・運休してきた。

アシアナ航空は中国人の団体観光客の需要が再び生じるだけに、今回の誘致を通じて中国内のマイス需要に特化した航空会社として位置づける計画だ。アシアナ航空のアン・ビョンソク中国地域本部長は、「今回の団体訪韓をはじめとして、今後は韓・中両国間の文化交流が再び活性化するように努力する」と語った。

関連航空会社の売上げも増加傾向だ。アシアナ航空と大韓航空の第2四半期の中国路線の売上げは、それぞれ約1550億ウォンと2050億ウォンで29%と23%ずつ増加した。

サード直撃弾に見舞われた免税店業界も、久しぶりの団体旅行客に期待感を示した。

今回の団体旅行客の訪韓は、中国政府が韓国の団体旅行を直接または間接的に許可したという信号として解釈される余地がある。業界では中国人の売上げは、免税店全体の売上げの60%以上を占めると推定する。免税業界では「中国人の団体観光客が来たのは肯定的な信号」だとしながらも、「クルーズやチャーターなどの移動手段に対する中国政府の方針が変わるかに注目しなければならない」と見ている。

団体旅行客誘致の必須条件であるクルーズとチャーター、オンライン旅行募集などは限韓令の以前と大きく変わっていないからだ。

団体ビザもまだ有効化されていない。中国政府は8月、上海の一部の旅行代理店に団体ビザを許可すると通知したが、正式なビザ許可地域は山東省など6つの省にとどまる。今回の旅行者にも山東省で一部が団体旅行ビザを受けただけで、残りの地域では個人ビザを申請して入国することが分かった。
  • 毎日経済_イ・ユヂン記者/ファン・スンミン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-10-20 16:19:31




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