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KCGI、韓進KAL株を取得…財閥支配構造の序幕なるか


悪口は基本で暴行はおまけ、密輸から脱税まで…。 2014年、全世界を驚かせた「ピーナッツリターン」事件を皮切りになん回もの「カプチル論難」で、韓進グループのオーナー家は社会的非難を受けた。最近では趙亮鎬(チョ・ヤンホ)韓進グループ会長が横領背任と詐欺容疑などで起訴され、裁判に引き渡された。このような状況で登場したKCGIの韓進KAL株の取得は、全国民の関心が注がれた。 KCGIが韓進グループの企業支配構造の改善を通じて企業価値の増大を要求するものと予想され、韓進以外の国内財閥企業にも支配構造の改善の動きが続くものと思われる。

先月15日、国内の企業支配構造改善専門の私募ファンド(PEF)の運用会社であるKCGI(Korea Corporate Governace Improvement)は、韓進グループの持株会社である韓進KAL(HANJIN KAL)の株式9%(532万2666株)を保有していると公示した。

KCGIは自社で造成したKCGI第1号私募投資合資会社が100%の株式を保有している特別目的会社(SPC)のグレースホールディングスを通じて、韓進KALの株式を保有している。これまで保有していた4.97%の株式にくわえ、先月14日に4.03%の株式を追加で場内買収したものだ。これによって韓進KALの株価はこの日、前取引日から12.58%も上昇した。

これによってKCGIは、チョ・ヤンホ会長(17.84%)をはじめとするトップ一家(持分率28.95%)に次ぐ、韓進KALの2大株主になった。この他にも国民年金(8.35%)、クレディ・スイス(5.03%)、韓国投資信託運用(3.81%)と世界の資産運営社で1、2位のブラックロック(1.02%)とヴァンガード(1.27%)などが主要株主として名前をあげている。最大株主である趙会長一家が保有している株式が30%に満たないうえに、循環出資を解消した後は垂直型の出資構造になり、経営権防御が弱くなってKCGIのターゲットになった。さらに、トップ一家の「カプジル(甲質)」事態などで、全国民的な公憤を買ったことで、友好持分を確保することが容易になったこともKCGIのターゲットになった背景だ。

初期にはKCGIが経営権を掌握するために、他の機関投資家および外国人と連帯の動きを見せるだろうと予想されたが、KCGIはこれに対して一線を引いた。 KCGI側は、「韓進KALの経営権に対する脅威ではなく、韓進KALの主要株主として経営活動に関する監視および牽制の役割を忠実に実行する計画だ」と語った。

資本市場法第249条の12にしたがって、経営参与型の私募集合投資機構(PEF)は、他の会社の株式などを最初に取得した日から6ヶ月が経過するまでは、議決権のある発行株式総数の10%以上になるように投資を行わなければならない。このため経営参与を目的にする大量保有開示(5%公示)を行った後は株式を増やすことが困難な場合があるので、外見上は電撃的に10%近い水準にまで投資を敢行するしかなかったと釈明した。

KCGIは主要株主としての監視と牽制の役割を積極的に果たす場合、韓進KALの企業価値の増大が行われるものと見た。特に韓進グループがこれまで典型的な「塩水配当」の性向を示してきたことから、配当拡大に対する期待感も高い。エフアンドガイドによると韓進KALは昨年、現金資産2463億ウォンのうち75億ウォンだけを配当金として配分した。純利益との対比で配当総額の割合である配当性向は3%台だった。配当利回りも1%にとどまったが、これは昨年のコスピ上場企業の平均配当利回り(1.62%)に満たない数字だ。

この他にも、低評価されているKALホテルネットワークなどのグループ遊休資産の活用方案についても奨励するなど、経営効率化を要求するものと期待される。韓進KALと韓進KALの非上場子会社はソウルの松覬洞に敷地3万6363平方メートル(約1万1000坪、約3630億ウォン)、仁川のユル島に10万9090平方メートル(約3万3000坪、約1890億ウォン)、済州島のチョンシク飛行場126万平方メートル(約38万坪、約450億ウォン)、済州島の民俗村(約16万5000平方メートル)などを保有していることが把握されている。これらの土地が売却される場合、価値の上昇が行われるものと思われる。

また上場子会社では大韓航空(29.6%)とジンエアー(60.0%)そして韓進(22.2%)を、非上場子会社ではKALホテルネットワーク(100.0%)とトーパス旅行情報(94.4%)そしてチョンソク企業(48.3%)などを保有している。

投資銀行(IB)業界は、韓進KALと韓進KALの上場・非上場子会社の保有価値は、韓進KALの時価総額1兆8000億ウォンを上回ると見ている。

韓進グループをはじめとして、KCGIのような行動主義ファンドが財閥の支配構造改善要求に乗り出す可能性が高まった。特に核心的な支配会社のトップ一家の持分率が高くなく、垂直型出資構造で経営権が脆弱であると同時に、サムスンやLG、現代自動車などと違って規模が大きくない企業集団ほど、これと類似した支配構造改善要求が行われる可能性が高いと予想される。ベスト投資証券のソン・チホ研究員は、「超大型企業集団の場合、PEFが影響力を行使するだけの株式を買い入れるためには莫大な資本が必要なため、比較的規模が大きくないグループがターゲットになる可能性が高い」と分析した。
  • 毎日経済_チョ・ヒヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-12-05 15:15:01




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