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悩みは「就職>生活費>恋愛」の順…それでも未来は明るい


「一生懸命勉強しただけに、試験には必ず合格して就職したいです」(ID:dream_dmsdud)
「就職・就業・雇用です」(ID:dlghd78)

大韓民国の青年たちの頭の中はどんな考えでいっぱいなのだろうか。毎日経済新聞が20代の青年1001人を対象に、青年の悩みや望みをアンケート調査した結果、20代が最も望むのは「就職」であり、いま最も切実なのは「経済的支援」だった。二人のうち一人の割合で、結婚と出産はしないと明らかにした20代は、生活の余裕と福祉が保障された国であれば移民することもあると考えた。経済的自立が切実な彼らは現在の状態に満足していないながらも、しかし主導的に生活を開拓しようとする姿を見せた。

世論専門調査機関のドゥーイットサーベイに依頼して、去る21日から25日まで20代の成人1001人に、現在の最大の悩みは何なのかを尋ねた結果、全体の回答者のうちの38.8%が就職をあげた。

  • 悩みは「就職>生活費>恋愛」の順…それでも未来は明るい

就職に対する悩みは恋愛(10.4%)や結婚(7.3%)に比べて圧倒的に多かった。 20代は旺盛に恋愛する年頃だが、就職という現実的な問題がより大きな関心だった。現在、自分に最も必要なものは「生活費など経済的支援(63.8%)」「異性関係(11%)」「友情(3.8%)」の順だった。一般的に、経済的な問題に対する悩みが始まるのは30代とするが、20代から金銭に対する興味が非常に高くなっていることを確認できた。

20代の回答者は進路を選択するときに「年俸(58.2%)」と「適性(43.8%)」を最も重要視すると答えた(複数回答)。続いて「福利厚生(24.7%)」「安定性(19.1%)」「勤務時間(18.4%)」への関心が高かった。「会社の評判(6.7%)」や「両親の意見(1.3%)」はあまり気にしなかった。仕事と生活の調和を重視する実利的な態度がうかがえた。

希望する初任給は3000万ウォン前後だった。「2500万~3000万ウォン(38.6%)」のあいだを選択した回答者が最も多く、「3000万~3500万ウォン(25.6%)」「2000万~2500万ウォン(20.4%)」の順になった。

社会問題の専門研究機関であるイ・ウォンジェ ラボ(LAB)2050のイ・ウォンジェ所長は、「生涯の職場がなく安定した収入を得ることが不確実なうえ、普遍的な福祉がうまくいっているわけでもない」とし、「このような状況で、青年たちは経済的貧困に対してとても現実的に認識してている。また、これまで重要だった社会的評判よりも、会社福祉のように生活の質を保証できる条件に関心が高い」と分析した。

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金を稼いで家を買い結婚をして子供を産むという既存の生活パターンに対しては懐疑的な見方が多かった。家を買うためにどのくらいの時間が必要になるかという質問には32.2%が10年で、20年かかるという回答も26.0%に達した。そもそも家は手に入らないだろうと答えた回答者も24.1%にのぼった。

結婚と関連して、「結婚計画がない」という回答者が49.9%で半分に近かった。 20代の2人のうち1人は結婚の意思がないというわけだ。出産について尋ねると、「子供を持つ予定がない」といういう回答は54.2%だった。 1人以上のもの子供を持つという回答者(45.7%)よりも多かった。

『復学王の社会学』の著者チェ・ヂョンリョル啓明大学社会学科教授は、「20代は自分の幸せをより重要に考えている。昔のように無条件に就職し、結婚して子供を生まなければならないという命題は、かれらには重要ではない」とし、「(結婚や就職)競争に飛び込んで見たところで成功するのは大変だから、そもそもそのサイクルに飛び込まないようにし、成人になると当たり前のように思っていた結婚と出産や貯蓄が青年らとはかけ離れた問題になった」と説明した。

経済的に窮しており就職を心配する20代の現実はきびしいだろうが、自分自身を頼って未来を拓こうとする肯定的思考が目立った。たいへんな時にいちばん頼る人物を尋ねると、30.3%が両親をあげた。しかし28.5%にもなる回答者が「自分自身」を選んだ。恋人(17.1%)と友人(14.9)も高かった。宗教(4.7%)や先生や教授(0.6%)に対する依存度は低かった。

40%を超える20代の回答者は、現在の自分の状況に不満だと答えた。「不満(29.1)」「非常に不満(12.0)」など、不満だという回答が満足だという回答(21.8%)よりも多かった。

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しかし、かれらは10年後の未来には「非常に肯定的(11.1%)」や「肯定(34.2%)」と答え、「否定的に見る(16.4%)」という意見よりも多かった。現実には不満だが、努力と挑戦を」通じて将来の改善するという意志だと解釈される。

20代の健康な自尊心がうかがえる部分だ。大テハクネイルの20代研究所が発刊した20代の青春レポート「トレンドMZ 2019」は、「一人っ子の環境で育った今の20代は、これまでのX世代や団塊世代よりもはるかに完全とした自分のアイデンティティを確固たるものにした。

20代はソファクヘン(小さいが確かな幸せ)を好んだ。ストレスを解く方法としては映画などの文化生活(18.6%)、ゲーム(15.1%)、食事(14.1%)の順にあげた。ショッピングや飲酒・旅行の順位は低かった。残りの人生を海外で過ごす場合は移民を選択するかという質問には、回答者全体のうちで62.9%が移民する`と答えた。

イ・ウォンジェ所長は「今の青年らは自らそれなりの解決策を探している。社会を変化させることよりも、個人の生活と幸福を守ろうとする傾向が強い」とし、「移民に対する前向きな態度や文化的生活とゲームなどを楽しむことでソファクヘンを追求する流れとかみ合う。社会的に大きく成功したり名誉を求めるよりも、自分の幸福と生活のバランスを追求する実利的な態度が目立つ」と説明した。

イ所長は「社会的に青年の活動を引き出すには、青年の生活の質を高めて安心感を与える制度や政策が必要だ」と助言した。

■ 「成長より福祉?同意しない」

59%が「中道」だと応答/生活型政治問題に関心

これまで20代は「進歩」の象徴だった。 30年前の大学生は社会的不平等と南北問題の改善のために、最も先頭にいる集団だった。しかし史上最悪の就職難を経験している今の20代は、理念の争いよりも経済活性化のような「実質」的問題により高い関心を示した。

あなたの理念性向はどこに近いかと尋ねると、回答者の過半数(59.4%)が「中道」だと答えた。「進歩に近い(20.5%)」「進歩(3.9%)」などの進歩性向は24.4%だった。一方、「保守に近い(12.1%)」「保守(4.1%)」などの保守性向は16.2%だった。

わが国が解決しなければならない最も大きな懸案を問う質問では、「経済成長(28.7%)」「雇用創出(29.7%)」などの経済的な問題が緊急の問題だと答えた。「地域・性別・世代の葛藤解消(19.7)」「二極化の解消(15.8%)」がその次の順だった。南北関係をあげた回答者は3.5%にとどまった。

20代の保守化は学界でも報告されている。去る6月、ソウル大のポラリスラボ・社会発展研究院が経済・安保政策の20代の認識を調査した結果、かなり保守的な傾向を示した。進歩陣営が主張する「経済成長よりも福祉」「民営化反対」などの政治的イシューには多少懐疑的な反応が多かった。

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20代は「経済成長よりも福祉にもっと力を傾けなければならない」という項目に42.45%が「同意しない」または「ある程度同意しない」と答えた。「韓米同盟を強化しなければならない」という項目には74.0%が同意した。 60代(86.9%)と大きな差はなかった。

キム・ジョンシク延世大経済学部名誉教授は、「青年の雇用が深刻ではなかった30年・20年前の青年たちと、問題意識では異なるほかはない」とし、「就職という当面の課題があまりにも大きな障壁だと思い、理念のような政治的問題よりも経済成長をより重要な問題として考えているようだ」とした。
  • 毎日経済企画取材チーム | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-12-31 19:57:17




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