サムスン電子、先制的投資で中国と日本を圧倒

危機のたびに「超格差本能」で優位確保 

  • NAND型メモリのシェアと価格の推移


11日、サムスン電子は半導体業況の鈍化にもかかわらず、中国・西安半導体第2ラインの一部を年内に稼動するために拍車をかけているのは、将来に対する多目的な布石が敷かれているという分析が出ている。後発走者を振り切る「ファーストムーバー」戦略であり、今年の下半期以降に生き返る需要回復にあらかじめ備えようとする目的だというものだ。

まず中国の西安で量産するNANDフラッシュメモリは、業界間での競争が激しい分野だ。 NAND型は電源を切っても保存された情報が消えない半導体メモリで、第4次産業革命の時代に核心的な部品としてあげられる。

業界の関係者は、「高画質メディアの発達と小型機器に対する消費者の選好度が高まり、記憶装置の最小単位であるセル(Cell)を限られたスペース内に薄く高く積みあげる、いわゆる積層技術の競争が行われている」と言う。サムスン電子はこの分野をリードするが、激しい追撃を受けている。

サムスン電子は昨年7月、90段以上の256Gb(ギガビット)3D V NAND型フラッシュメモリを世界で最初に開発したと明らかにしたが、10日後の業界2・3位の東芝メモリと米国ウエスタンデジタル社が共同で96段3D NAND型フラッシュメモリを開発したと発表した。続いてSKハイニックスは昨年10月、世界で初めて96段512Gb 4D NAND型フラッシュメモリの開発に成功したと発表した。

市場調査会社のDRAMエクスチェンジによると、NAND型メモリ市場のシェアは2018年の第3四半期の実績に基づいて、サムスン電子が35.6%で1位。続いて東芝が18.8%、ウェスタンデジタル14.9%、マイクロン13.1%、SKハイニックス10.8%、インテル6.4%の順だ。 1位のサムスン電子と2位の東芝のあいだの格差は2倍近くて大きいと考えられるが、東芝はウェスタンデジタルとの協力関係にあるなので、これら2社のシェアを合わせると33.7%に上昇する。サムスン電子とのギャップはわずか2%ポイント未満になる。

さらにNAND型は上位圏の競争だけでなく、新興企業である中国企業も虎視眈々と掌握を狙う市場だ。中国企業は市場に参入することに満足せず、技術格差をすぐさま減らす方式を好む。ソニーが1970~1990年代のブラウン管市場で1位を疾走するやいなや、サムスンがLCDとPDPテレビ技術の開発に全力を傾けてテレビ市場を掌握したことと似たような動きだという評価だ。

2016年に設立された新興企業であるYangtze River Storage Technology(長江メモリテクノロジー)は、昨年8月に米国シリコンバレーで開かれた半導体カンファレンスで2019年に32段125Gb 3D V NAND型を量産すると明らかにしたが、その年の末には「2019年に64段を量産して、2020年には90段を超えてすぐに128段の量産に入るつもり」だというロードマップを提示した。現在、長江メモリテクノロジーはいくつかの製品を販売して、すでに市場に参入した状態だ。

韓国を代表する企業であるサムスン電子とSKハイニックスは、今年中に128段の開発と量産を目標にしたことを考慮すると、ことによると技術格差が大きく縮小することになる。

業界関係者は、「新興企業であることから、技術力を検証するにはまだ早い面がある」と言いながらも「しかし予告通りに中国企業が128段NAND型の開発に成功すれば、技術格差はこれまでの3~4年から1~2年に縮む」と語った。

サムスン電子はこのような上・下位圏企業の激しい挑戦に、量的には生産能力を大きくして、質的には最先端の技術力を確保する方法で戦略的優位性を維持するとみられる。

また、西安半導体工場の第2ラインを建設するところは、今年の1~2四半期は半導体景気が鈍化するだろうが、第3四半期以降は回復するだろうという判断が作用した。

DRAMエクスチェンジによると、128Gb MLCの固定取引価格を基準にしたNAND型の価格は、昨年6月の5.6ドルをピークにして7月に5.27ドル、10月に4.74ドル、12月に4.66ドルに下落した。高点との比較で16.7%も下落したわけだ。しかしサムスン電子は「メモリは今年の下半期から需給が安定すると予想される」と説明した。

これに対して業界の関係者は、「情報技術(IT)業界のトレンドである人工知能(AI)を学習させるには、数千万件に達する情報を分析するデータセンターが必要であり、この中に使われるのがメモリ」だとし、「短期的には半導体業界の状況は鈍るだろうが、長期的には需要が存続すると思えるので、サムスン電子やSKハイニックスは先制的な投資を行うべきだろう」と説明した。
  • 毎日経済_イ・サンドク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-01-11 17:47:39.0