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韓国セルトリオン社「過度なストックオプション」論難

社員49人に1人当り18億5千万ウォン 

セルトリオンが社員に過度の株式買受選択権(ストックオプション)を付与し、株価下落を煽っているという論難に包まれた。最近、バイオシミラー(バイオ医薬品ジェネリック)市場の競争が激しくなり、レッドオーシャン化する不安感が高まっている中で、毎年50万株に近い株がストックオプションとして出てくることで株価に負担になるだろうというわけだ。

去る26日の株主総会で決定された今年のストックオプションの量は、49人の新規チーム長と本部長に付与した47万735株だった。 1人当たり平均9607株を受けることで、ストックオプション行使時に基準価格の26日の終値(19万2500ウォン)で計算すると一人当たり約18億4935億ウォンずつになる。

もちろんストックオプションを通じて実質的な利益を得るには行使時に株価が上がっている状態にあり、その差額に受けとった株の数を乗じて得られる。例えば3年後にセルトリオンの株価が26日の終値に比べて10万ウォンが上がった場合、1万株を受けた従業員の場合は10億ウォンの利益を得るだろう。一方でストックオプションは受け取ったが株価が下落すると、市中で株をより安く買い入れればよいので、ストックオプションを行使する必要がなくなる。

セルトリオンはストックオプションの付与日を基準にして、3年以降は毎年20%ずつ行使できるようにした。これに対して一部の株主が不満を提起した。ある株主は「セルトリオンがストックオプションで50万株、配当もまた株式で配りながら、毎年300万株が市場に追加でばらまいている」とし、「従業員が容易に株を受け取ることは納得しにくいし、これはけっきょく株価下落を招く原因」だと主張した。

徐廷珍(ソ・ヂョンヂン)セルトリオン会長はこの日の電話で、株主からストックオプションの質問を受けて「従業員の士気のために仕方ない」とし、「彼らが会社の将来を担う優秀な人材であるだけに、できるだけ補償をしてやることがわが社の将来のため」だと述べた。株主総会で司会を務めたキ・ウソン副会長も、「ストックオプションを受け取れるチーム長になるには、勤務経歴が18~20年はなければならない」とし、「彼らが20億ウォンのストックオプションを受けても、200億ウォンや2000億ウォンの金を稼いでくれれば企業としては利益が大きいことになる」とし、ストックオプションの存続立場を明らかにした。その一方でキ副会長は、「優秀な従業員が会社に残って忠誠を尽くし働けるようにするにはストックオプションの付与は避けられないが、今後の株式価値が色褪せないように努力する」と答えた。

2002年に設立されたセルトリオンは、従業員の士気向上などのためにストックオプションを付与している。最近は会社の規模が大きくなり、新規入社者や補職変更者などを対象にストックオプションの量が大きく増えた。去る2015年から5年間でセルトリオンが従業員に与えたストックオプションの量は197万株に達している。セルトリオンの流通株式(1億2460万株)の1.6%に達する規模だ。特に2017年から毎年、ストックオプションとして46万~48万株を付与し、20万株台だったこれまでの量をはるかに超えている。

業界ではセルトリオンのストックオプション付与について羨望する反応だ。セルトリオンと時価総額で最上位圏を争うサムスンバイオロジクスは、会社設立時からストックオプション制度を作らなかった。国内最大の幹細胞会社であるメディポストも、草創期にはストックオプションを与えたが数年前にやめた。国内最大のボツリヌストキシン(ボトックス)メーカーのメディトクスは、これまでは入社後5年めの従業員に100株ずつ分けたが、ストックオプション制度の改編作業を進めている。
  • 毎日経済_キム・ビョンホ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-03-27 17:43:45




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