旭硝子の撤退…「韓・日葛藤とは無関係」

PDP事業の斜陽化で経営難 

  • 旭硝子PDガラス韓国の概要と営業利益


日本の旭硝子が「もはや韓国に投資するのは難しい」という理由で亀尾工場の撤退を決定し、日本企業の「脱韓国」動きが表面化している。

旭硝子は2006年、外国人投資企業として慶北の亀尾国家産業団地に入居し、土地の無償賃貸と税金減免の恩恵を享受したが、14年めでPDP(プラズマディスプレイパネル)用ガラス基板の韓国法人である「旭硝子PDガラス韓国」を整理することにした。テレビなどに使用されるパネルがLCD(液晶ディスプレイ)やOLED(有機発光ダイオード)などに需要が急変し、もはや韓国でPDP事業を維持するのが難しいという判断が作用した。

旭硝子PDガラス韓国は工場用地の使用契約が2020年1月25日に有効期限が満了になることから、それまでに工場用地を原状回復するという立場を慶北道庁に通報した。

外国人投資企業は工場を撤収するには工場用地をもとの状態に戻す必要がある。旭硝子PDガラス韓国は60億~70億ウォンの費用を投入し、2階建ての建物を撤去して敷地を整理することにした。これは韓国に進出した他の日本企業にも影響を与えるものと観測される。

各種の規制も韓国でビジネスをするために障害物として作用している。旭硝子は韓国で労使問題でも葛藤を生じてきた。旭硝子が投資した別の韓国子会社「エイジーシーファインテクノ韓国」が、社内下請業者の非正規職従業員を大量解雇して訴訟に巻き込まれ、最近になって一審で敗訴している。

さまざまな恩典を付与しながら旭硝子を慶北亀尾に誘致した慶北道庁は警報が鳴った。慶北道庁は旭硝子PDガラス韓国の敷地や建物などの新しい買収者を見つけるためにばたばたと走り回っている。慶尚北道の関係者は、「旭硝子PDガラス韓国工場の用地に投資する企業が存在しない場合は国内企業誘致のために、産業通商資源部の外国人投資団地指定を解除も要求しなければならない状態」だとし、「最低賃金の引き上げや週52時間勤務制、労使対立などで国内投資環境が良くなくて息詰まる状況だ」と説明した。

旭硝子PDガラス韓国は業績好調に支えられ、2010年に250億ウォン、2011年350億ウォン、2012年200億ウォン、2013年には450億ウォンをそれぞれ配当して、日本の本社に全額送金した。

しかし2015年から稼動を中断した状態だ。会社側は監査報告書で、「主要取引先との製品供給の中断によって生産を中止している」とし、「経営陣は生産再開のための新製品の市場開拓を進めている」と続けて明らかにしてきたが、けっきょく荷物をまとめて韓国を離れることを決めた。

旭硝子PDガラス韓国の親会社である三菱重工業が属する三菱グループは、日本企業集団の中でも売上げ規模で1・2位を争うほどの巨大企業だ。旭硝子は米国コーニング社などとともに世界4大ガラスメーカーとして分類される、グローバルなガラス製造会社だ。

しかし旭硝子PDガラス韓国が製造していたPDPガラス基板は、完全に斜陽産業に入った。また旭硝子が追加投資して韓国に設立したエイシージーファインテクノ韓国のLCD事業も供給過剰に直面しているなど、ディスプレイ業界は全般的に低迷局面だ。中国企業が低価格の物量攻勢をあびせて、市場の収益性も著しく悪化した。パネルの価格下落が続くことから、世界の各ディスプレイメーカーはLCDに対する稼働率を下方修正している。またLCD業況の不振を克服するために、大規模OLEDへの事業転換に速度を高める傾向にある。

このことから、旭硝子がさらに韓国での事業をやめるのではないかという観測も出ている。しかし旭硝子の関係者は、「LCD事業を担当するエイジーシーファインテクノ韓国は顧客の状況によって物量を調整することがありうるが、稼働中断や撤退計画はない」と言い切った。

財界の関係者は「旭硝子は三菱グループの系列会社だが、独自に自律経営する」とし、「韓国に投資した4つの系列会社の中で、生産中止した一か所だけを経営難で閉鎖する」とした。旭硝子側は今回の撤退の背景について、最近の韓・日関係の問題と労使関係の葛藤とは関連がないと明らかにした。

旭硝子側は「旭硝子PDガラス韓国の場合、安定したPDP事業の斜陽で2015年に事業停止した後、再稼働のための多様な事業を検討したが、市場の動向と発展可能性など事業の妥当性から適切な事業が見つからず、撤退を決定したわけ」だと説明した。続いて「この決定は韓・日関係が問題になるずっと前に決定され、企業の経営的判断で行われたのであって、韓・日関係の紛争や労使葛藤とは全く関係がない」と強調した。
  • 毎日経済_カン・ゲマン記者/オ・ソンドク記者/ファン・スンミン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-09-11 09:41:35