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韓の中堅自動車企業「生存の岐路」…生産急減・資金難

崖の上に立つ完成車「韓国スモール3社」 

  • 韓の中堅自動車企業「生存の岐路」…生産急減・資金難
  • さいきんルノーサムスン自動車が新車生産の減産や割り当てに失敗したことから、ルノーサムスン・韓国GM・双竜自動車など、韓国自動車産業の中堅企業が崩れるという懸念が高まっている。写真は今年3月、ルノー・サムスン釜山工場の生産ラインが労組のストライキで止まっている様子。 写真提供=ルノーサムスン自動車



「ルノーのスペインのサラゴサ工場は欧州市場に近く、人件費もルノーサムスン釜山工場の60%水準です。Valladolidの代わりにSUVのXM3を釜山工場に5万台も誘致したことがかえって異常なくらいです」

ルノーサムスン自動車に部品を供給しているある国内協力社の代表は最近、毎日経済新聞との通話でこう指摘した。

ルノーサムスンはXM3の欧州への輸出物量を当初計画していた8万台から40%近く減った5万台レベルで確保したことが伝えられた。この協力社の代表は「ルノーサムスンだけでなく韓国GMと双竜自動車など、現代・起亜自動車を除外した国内完成車3社の人件費は他の海外拠点より高く、ほとんどの労組は剛性」だとし、「電気自動車(EV)・自律走行車の時代到来に先立って、製造と人材革新を行わなければならなかったが、グローバル本社の下請けの役割にとどまり、ゴールデンタイムを逃した」と残念がった。

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  • 中堅3社の生産量の推移


ルノーサムスンと韓国GM、双竜自動車に代表される韓国自動車産業の腰は、このように急速に崩れている。内需・輸出の同伴不振で数年のあいだ積もった赤字は、企業の持続可能性さえも疑わせた。さらにルノーサムスン・韓国GMに鞭をふるうルノー・日産アライアンスと米GMなど、グローバル自動車業界は国内で製造する新車物量を削減し、将来の生存を脅かしている。

年平均20万台(釜山工場基準)の完成車の生産実績を維持していたルノーサムスンは、来年から10万台前半に落ちる「生産の絶壁」が既成事実として切迫した。

ルノーサムスン釜山工場はすでに10月から、時間あたり完成車の生産量を60台から45台へ、25%の削減減産に突入した。先月は7年ぶりに生産職希望退職も受け付けていた。このうえ生産量がさらに減ると、けっきょく2交代労働制を1交代に改編し、追加の構造調整を行ってこそなんとかなるだろうという意見も出ている。

完成車業界の関係者は、「バリャドリード工場の車1台当たりの平均生産時間は16.24時間で釜山工場をリードし、人件費もはるかに安い」とし、「ルノー日産アライアンスのグローバル販売までが低迷しており、釜山工場に配慮をしてくれる理由がない」と指摘した。

韓国GMと双龍自動車は、ルノーサムスンよりも状況がさらに良くない。 1~9月の合計基準の韓国GMの生産量は、2016年の42万4541台から今年は30万4756台で約39.3%減少した。現在確定された新車は、11月に富平第1工場で量産する「トレイルブレザー」と、2021年に昌原工場で生産するクロスオーバーSUVのわずか2種だ。仕事のない富平第2工場は、メキシコで作っていた小型SUV「トラックス」を引き受けて生産中だが、やはり2022年には終わる。業界では富平第2工場をはじめとする、一部の韓国GMの事業所が閉鎖されるという懸念が多い。このことで韓国GMは、2014年から昨年までの累積営業損失が2兆8007億ウォンに達する。

カホ・カジェム韓国GM社長とジュリアン・ブリセットGM海外事業部門社長は今年、韓国GMの損益分岐点(BEP)の達成を期待したが、持続する販売不振と労組のストライキがかみ合って失敗するという見通しが支配的だ。ブリセット社長は労組のストライキに対し、生産量を海外に回すことがありうると警告した。

双竜自動車は今年第3四半期のみで1052億ウォンの赤字を見た。平沢工場の労組占拠事態に染まった2009年以来で最悪の実績だ。 2017年の第1四半期から11四半期連続で続いた赤字で、積もった損失額は1兆ウォンを超える。双竜自動車は今年に入って9月までに計10万755台を生産し、10万1403台を販売した。今年の初めに立てた販売目標16万台の60%にも満たない。

双竜自動車はこれまで積もった損失のために、新車開発もほとんどが先送りされた。現在進行中の新車プロジェクトは「コランドEV」ていどだ。双竜自動車は6月末の時点で負債の割合が271%と資本蚕食率11%で、正常な企業としての地位さえ脅かされている。このために双竜自動車は今年、平沢工場を担保にして産業銀行に1000億ウォンの融資を緊急要請した。

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  • 危機が高まる中堅3社


自動車業界はグローバルな完成車のトレンドがEVを含むエコカーと自律走行車に移る中で、備えることができなかった「韓国スモール3社」が、ややもすると共倒れを迎えることになるかもしれないと憂慮する。現在、韓国GMと双龍自動車は本格生産するEVカーはゼロのレベルだ。ルノーサムスンはルノーEV「ZOE」を小規模に生産しており、超小型EVトゥイージを協力社に任せて年5000台あまりを量産中だ。

ハイ投資証券リサーチセンターのコ・テボン センター長(理事)は、「現代・起亜自動車も未来モビリティの革新と自動車のパラダイム転換に対応して厳しい戦いを繰り広げる状況」だとし「生産性の面でもブランド力の面でも劣るルノーサムスン・韓国GM・双竜自動車は、長期の生存を保証するのは難しい」と指摘した。
  • 毎日経済_イ・ジョンヒョク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-10-22 17:53:40




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