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[コラム] 大道無門


ずいぶん前のことだ。フランスのパリに出張に行って驚くべき状況を目撃した。
何事かって?

路上駐車場で駐車している車を目撃したのだ。
道路に沿って車が長い列になって駐車しているが、真ん中の車が1台入るかどうかくらいの空間が空いていた。ちょうど車1台がやってきた。そして少しも迷わず、その空間に車を駐車したのだ。車を横に押さない限り入ることができない空間、当然前後の車とぶつかるしかない状況だった。前の車のバンパーをぶつけて押し、後ろの車も少し押しながら数分経たないうちに駐車をした。

誰が、あんな駐車をするのか、車の持ち主が出てくるまで見守っていた。そしたら、とてもスリムなお嬢さんが出てきたのだ。

パリに住んでる友人と出会った後、その光景を話して、「お前も驚いただろ?」という反応を待った。しかし、友人は「なぜ、そんなことで驚くんだ?」という反応だった。

その友達も韓国では、バンパーにぶつかると大騒ぎになることを知っている。

駐車場が狭くて、老朽化したマンションでは、駐車中にも軽い接触が発生する。バンパーにキズがついただけでも大騒ぎする車の主人がいる。

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上の写真はNaverに1人がアップロードしたものだ。駐車をする際に通路にある車のバンパーにキズをつけたのだ。保険会社に連絡して保険処理しようとしたが、車主が塗色の代わりにバンパー交換を要求し、そうしてくれなければ警察に通報すると言われたため、どうしたらいいのかと訴える書き込みと共に掲載した写真だ。

―その程度ならバンパー交替はできない。
―あれは、雑巾でこすれば消えます。それくらいで写真を撮る必要もありません。そんなに車が大事だったら、どうやって乗り回すんですか?
―警察に連絡しても罰金にならない。
―私の車と色まで同じですね。1級整備所で午前中に入庫してきれいに補修して午後に持ってきました。

加害(?)ドライバーを応援する書き込みをした人々が、自分の車のバンパーに傷がついても、同じ反応をするだろうか。

どうだろう?

バンパーは意図的に軟らかくして衝撃を緩和する機能を持った部品だ。元々、壊れるように作られた部品なのだ。フランスのような国なら通じるだろうが、韓国ではバンパーにほんの小さな傷でも出来たら、まるで自動車が進まないかのように、激怒する。道が渋滞して何事かと思い、後で確認してみると、バンパーに少しぶつかった接触事故で数多くの車を道端に20~30分、止めておく場合が多い。

比較的安い車の前でベンツやBMWなど高価な外車が横行している理由もバンパーのせいだ。外車が入り込もうと襲い掛かると、小型車の運転手たちはすぐにどいてくれる。バンパー同士がかすった 場合、財布が空っぽになるのではないか心配になるからだ。

5対5の双方過失、いや2対8ではるかに有利に費用を分担しても小型車ドライバーの顔は真っ青になるだろう。バンパーがそれくらなので、もしドア同士がぶつかったら…?

これが韓国の自動車文化の現実だ。
道路の上で繰り広げられる甲乙関係、貧富の格差だ。
「大道無門」とは、高価な外車にしか通用しない言葉だ。
  • Lim, Chul
  • 入力 2019-10-24 00:00:00




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