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[コラム]「脱G効果」


韓国の野球ファンに言われている用語の中に「脱G効果」(タルジヒョクァ)というものがある。
LGツインズで不振だった選手たちが他の球団に移籍した後、潜在力が目覚め羽ばたく現象を意味する言葉だ。

主力級でない選手が他のチームに行って主力選手としてプレーしたからといって、このような言葉は使われない。LGツインズがトップで優勝を争った時代、有能な選手たちのレギュラー争いが激しく、涙を呑んで他のチームに送っても、あのような用語ができるわけがない。

この用語が登場した時期は、21世紀に入ってLGツインズが暗証番号6668587667を作った時だ。暗証番号が何を意味するかは大体、想像できるだろう。シリーズの成績だ。中下位圏を転々としていた時代だったということだ。何とか戦力を補強して秋の野球を味わいたいと切羽詰っていたが、いつ発揮されるかも分からない有望株の潜在力を期待するだけだったため焦っていたはずだ。

それで、チームに今すぐ必要な選手を迎え入れるために、有望株を送り出す苦肉の策を選んだのだろう。しかし、LGを離れた選手たちは、単に主力としてプレーしただけではない。ゴールデングラブ賞を受け取り、国家代表になり、シーズンMVPの栄誉を得たりもした。

2005年LGから放出されたイ・ヨンギュはKIAに移籍して2年後にシーズン最多安打を記録して、国家代表のトップバッターになった。LG時代、一桁本塁打に止まっていたキム・サンヒョンは、KIAに移籍した後、すぐに満塁ホームラン3本を成功させたが、シーズン36本塁打127打点でその年のMVPになった。韓国シリーズの優勝まで引っ張った。

高校時代から有名な強打者として期待されてLGに入団したパク・ビョンホは5年間、これといった活躍を見せてくれなかった。そうして追い出されるようにネクソンにトレードされた。移籍した翌年から韓国プロ野球史上初の2年連続50本塁打、4年連続本塁打王、打点王となり、リーグを支配する強打者になった。

どうしてこんなことが起こったのだろうか。
脱G効果について気になる人がそれなりに原因を分析してみたそうだ。
分析した結果、脱G効果が出る理由は、無能なコーチ陣、オーナー一家の近視眼的な球団運営、度が過ぎるベテラン起用、量だけが多い選手資源だ。

筆者はここにもう一つ、縁を加えたいと思う。
球団と選手の関係や、選手と選手間の縁が合わなければ、実力を発揮することは、夢にも考えられないことだ。考えてみてください。見ただけで吐き気がするやつとペアになったら勉強に集中できるだろうか?

「先生、席を変えてください」
堪えるだけ堪えて何とか話を切り出した。
「なぜだ?適当な理由を話せば変えてやる」
「お前らは仲が悪いみたいだから、仲よくなるために隣になったなら、仲良くしろよ」

二人は友達になったのだろうか?
どうだろう。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、検察改革という時代的課題を解決するためにドリームチームを構想した。
法務部長官の曺国(チョ・グク)に検察総長の 尹錫烈 (ユン・ソクヨル)
しかし、ドリームチームはバラバラになってしまった。

米国が世界最強のバスケットボールドリームチームを構えた時も敗北した記憶がある。世界大会で負けたことも多いが、オリンピックに出場する前、大学バスケットボールチームとの練習試合でも負けたこともある。

自分が一番だと信じてる選手たち、個性の強い選手たちと「和」を作り出すことは決して簡単なことではない。
能力があって、個性が強い2人に検察改革を注文したのが文在寅大統領の過ちであったのかもしれない。
  • Lim, Chul
  • 入力 2019-10-17 00:00:00




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