トップ > コラム > 墜落する韓国輸出… 輸出ショックが襲った産業現場
釜山南区の神仙台（シンソンデ）から見下ろした戡蠻（カムマン）埠頭。輸出は急減したが釜山港のコンテナターミナルでは中国へ向かう空コンテナの荷役と搬出などが行われ、むしろコンテナ取扱量が増える異常現象が起きている。 [毎経DB]
1日の午後、釜山新港のコンテナターミナルは休む暇もなく出入りするトラックが奔走した。ターミナルの中に入ると、桟橋に接岸した船からコンテナを積み下ろすクレーンの轟音が鳴り響いた。表面だけを見ると「輸出が良くないのはほんとうなのか」という疑問が生じるほど活気に満ちた姿だった。
このような姿が「うわべだけ」にすぎないということを知ることになるまでには、長い時間はかからなかった。
現場で会ったターミナル運営社の関係者は、「ターミナルを出入りするコンテナの多くは空コンテナ」だと言う。この関係者は、「割合で計算すると10個のうち1個が空のコンテナ」だとし、「10月の空コンテナ取扱量は7万個で、前年同期の5万個に比べて35％増加した」と付け加えた。 10月の輸出は今年に入って最も大きな幅で減少するなど、今年の輸出は不振を免れないにもかかわらず、釜山港のコンテナ取扱量はむしろ増える珍現象が起きている。
1日の釜山港湾公社によると、今年に入って第3四半期までの釜山港の貨物取扱量は、前年同期に比べて2.6％増加したことが分かった。昨年に比べてコンテナが1.4％増の1632万TEU（1TEUは20フィートコンテナ1個）を記録し、輸出入コンテナの取扱量（772万9000TEU）は1.1％、積み替えコンテナ（859万1000TEU）は1.6％増加した。
コンテナ運営各社によると、輸出入の実績が振るわないのにコンテナ取扱量が増えるのは、商品を積まない空のコンテナ処理が多くなったからだ。コンテナ自体が貨物であるために、空でも韓国から外国に出ると輸出で、外国から入ってくると輸入として統計を取っている。しかし商品を中に積んでいないので、輸出入額の実績には反映されない。
各運営会社は空のコンテナが増えた最大の要因として、米・中貿易紛争に起因する世界的な貿易の低迷をあげる。中国の対米輸出が減って、各船社が中国に送るべき空のコンテナをいったん釜山港に搬入して埠頭に保管し、後で中国に「輸出」する事例が増えたという説明だ。うわべだけで中身のない韓国の輸出を象徴する姿だ。
半導体と自動車やディスプレイなど、韓国の輸出を担う代表業種の輸出不振が長期化し、業界の悩みも深まっている。
半導体の場合、メモリ半導体の供給過剰とデータセンターの新規増設の不振などによる業況不振が続き、輸出が直撃弾を受けている。業界は、半導体の業況は来年の上半期ころには反騰が可能だろうという見通しが出ている。
来年には5Gスマートフォン市場の拡大と、データセンターなどのサーバー向け需要の増加で徐々に回復する見込みが出ている。それにもかかわらず、主要な半導体メーカーは来年も米・中貿易戦争にともなう消費萎縮は、中国の攻勢などの対外環境などによるメモリ需要の不確実性が続く可能性が高いという判断で、機器の投資などをてがたく実施する方針だ。 SKハイニックスの場合は機器の購入など、来年の投資規模を今年よりも減らすことにした。キャッシュフローの悪化が続き、これまでの配当政策も再調整することにした。
ディスプレイ業界も状況は深刻だ。最近の液晶表示装置（LCD）市場は、中国企業が無理に増設競争に乗り出して供給過剰に陥った状態だ。収益性も著しく悪化した。
自動車業界は2012年以来、毎年の輸出不振に悩まされてきた。韓国自動車産業協会の資料を見ると、1～10月の輸出量は米国に発する世界金融危機当時の2009年以来、昨年は初めて200万台線が崩壊した199万18台を記録した。 2012年の259万2175台と比較すると、ほぼ60万台が減った。グローバルプレーヤーである現代・起亜自動車とスモール3社（韓国GM・ルノーサムスン自動車・双龍自動車）の格差が広がっていることも問題だ。 1日の各社の集計によると、現代・起亜自動車が今年の1～10月に昨年と同じレベルの輸出を維持したこととは異なり、スモール3社の輸出量は37万8279台で、前年の同じ期間（45万3048台）に比べて16.5％減少した。
中小企業も輸出不振の影響のど真ん中にある。
特に対中国への輸出不振が骨痛い。中小ベンチャー企業部によると、中小企業の対中輸出は今年1～9月に8.9％減少した。第3四半期のみを比較すると減少率は13.6％に達し、減少幅が大きくなる形だ。専門家らは、中国が「製造2025計画」に基づいて部品・素材などを自国産に置き換えながら、韓国企業の輸出が影響を受けていると分析する。
墜落する韓国輸出… 輸出ショックが襲った産業現場
1日の午後、釜山新港のコンテナターミナルは休む暇もなく出入りするトラックが奔走した。ターミナルの中に入ると、桟橋に接岸した船からコンテナを積み下ろすクレーンの轟音が鳴り響いた。表面だけを見ると「輸出が良くないのはほんとうなのか」という疑問が生じるほど活気に満ちた姿だった。
このような姿が「うわべだけ」にすぎないということを知ることになるまでには、長い時間はかからなかった。
現場で会ったターミナル運営社の関係者は、「ターミナルを出入りするコンテナの多くは空コンテナ」だと言う。この関係者は、「割合で計算すると10個のうち1個が空のコンテナ」だとし、「10月の空コンテナ取扱量は7万個で、前年同期の5万個に比べて35％増加した」と付け加えた。 10月の輸出は今年に入って最も大きな幅で減少するなど、今年の輸出は不振を免れないにもかかわらず、釜山港のコンテナ取扱量はむしろ増える珍現象が起きている。
1日の釜山港湾公社によると、今年に入って第3四半期までの釜山港の貨物取扱量は、前年同期に比べて2.6％増加したことが分かった。昨年に比べてコンテナが1.4％増の1632万TEU（1TEUは20フィートコンテナ1個）を記録し、輸出入コンテナの取扱量（772万9000TEU）は1.1％、積み替えコンテナ（859万1000TEU）は1.6％増加した。
コンテナ運営各社によると、輸出入の実績が振るわないのにコンテナ取扱量が増えるのは、商品を積まない空のコンテナ処理が多くなったからだ。コンテナ自体が貨物であるために、空でも韓国から外国に出ると輸出で、外国から入ってくると輸入として統計を取っている。しかし商品を中に積んでいないので、輸出入額の実績には反映されない。
各運営会社は空のコンテナが増えた最大の要因として、米・中貿易紛争に起因する世界的な貿易の低迷をあげる。中国の対米輸出が減って、各船社が中国に送るべき空のコンテナをいったん釜山港に搬入して埠頭に保管し、後で中国に「輸出」する事例が増えたという説明だ。うわべだけで中身のない韓国の輸出を象徴する姿だ。
半導体と自動車やディスプレイなど、韓国の輸出を担う代表業種の輸出不振が長期化し、業界の悩みも深まっている。
半導体の場合、メモリ半導体の供給過剰とデータセンターの新規増設の不振などによる業況不振が続き、輸出が直撃弾を受けている。業界は、半導体の業況は来年の上半期ころには反騰が可能だろうという見通しが出ている。
来年には5Gスマートフォン市場の拡大と、データセンターなどのサーバー向け需要の増加で徐々に回復する見込みが出ている。それにもかかわらず、主要な半導体メーカーは来年も米・中貿易戦争にともなう消費萎縮は、中国の攻勢などの対外環境などによるメモリ需要の不確実性が続く可能性が高いという判断で、機器の投資などをてがたく実施する方針だ。 SKハイニックスの場合は機器の購入など、来年の投資規模を今年よりも減らすことにした。キャッシュフローの悪化が続き、これまでの配当政策も再調整することにした。
ディスプレイ業界も状況は深刻だ。最近の液晶表示装置（LCD）市場は、中国企業が無理に増設競争に乗り出して供給過剰に陥った状態だ。収益性も著しく悪化した。
自動車業界は2012年以来、毎年の輸出不振に悩まされてきた。韓国自動車産業協会の資料を見ると、1～10月の輸出量は米国に発する世界金融危機当時の2009年以来、昨年は初めて200万台線が崩壊した199万18台を記録した。 2012年の259万2175台と比較すると、ほぼ60万台が減った。グローバルプレーヤーである現代・起亜自動車とスモール3社（韓国GM・ルノーサムスン自動車・双龍自動車）の格差が広がっていることも問題だ。 1日の各社の集計によると、現代・起亜自動車が今年の1～10月に昨年と同じレベルの輸出を維持したこととは異なり、スモール3社の輸出量は37万8279台で、前年の同じ期間（45万3048台）に比べて16.5％減少した。
中小企業も輸出不振の影響のど真ん中にある。
特に対中国への輸出不振が骨痛い。中小ベンチャー企業部によると、中小企業の対中輸出は今年1～9月に8.9％減少した。第3四半期のみを比較すると減少率は13.6％に達し、減少幅が大きくなる形だ。専門家らは、中国が「製造2025計画」に基づいて部品・素材などを自国産に置き換えながら、韓国企業の輸出が影響を受けていると分析する。
- 毎日経済＿イ・ジョンヒョク記者／チェ・ヒソク記者／ファン・スンミン記者／釜山=パク・トンミン記者 | (C) mk.co.kr
- 入力 2019-11-01 18:24:40
