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韓、アセアン諸国との関係を強化

「韓アセアン特別首脳会議」 

◆ 韓・アセアン首脳会議 ◆

「たんなる経済問題ではない。ASEAN(アセアン/東南アジア諸国連合)は韓半島の恒久的平和を支持する、地政学的プラットフォームの役割をはたす」。

25日に釜山で開幕する韓国・アセアン特別首脳会議を契機に、毎日経済新聞の書面インタビューに応じたイム・ソンナム駐アセアン大使などのアセアン地域韓国大使11人は、「アセアン」が韓国の持続可能な発展を担保する重要な資産だと強調した。

1989年の部分会話相手国(Sectorial Dialogue Partner)と呼ばれる最初の協力関係から始まった韓国とアセアンは、その後は相互貿易の重要なパートナーとして発展してきた。

これらの大使11人は今後30年間の新たな協力関係が、ハードウェアからデジタル基盤の高付加価値ソフトウェア産業に転換されるべきだと口をそろえた。大使らは相互相乗作用を起こす事業を発掘し、米・中・日と差別化された真正性を確保することが重要だと強調した。 30年間を交流したことに比べて、アセアンに対する韓国民の関心は大きくない。

△ イム・ソンナム駐アセアン大使=アセアンは韓国の第2位の貿易パートナーで、韓国はアセアンの第5位の貿易パートナーという自負がある。アセアンは中国や欧州連合(EU)そして米国・日本などの巨大経済圏を除けば、単一の中堅国として最も緊密な経済関係を韓国と結んでいるわけだ。

△ アン・ヨンジプ駐シンガポール大使=過去にはより身近な外交懸案の前でしばしば優先順位で押されたことは事実だが、文在寅(ムン・ヂェイン)政府の新南方政策を通じて確実に変化した韓国の対アセアン外交を感じることができる。現在、アセアンに対するわが国の外交は4強レベルとして注目を浴びている。

△ パク・ノワン駐ベトナム大使=先月末までに累積で総8200社の韓国企業がベトナムに進出したという事実だけで、両国間の協力がどれほどすごいのかを確認できる。全外資系企業のうちの30%で、2位の日本とは2倍に近い格差だ。

△ キム・チャンボム駐インドネシア大使=インドネシアはASEAN10カ国の中で唯一、わが国と「特別戦略的パートナー関係」を結んでいる。2017年にムン大統領が最初に新南方政策を発表したところにも、まさにインドネシアの首都ジャカルタだ。韓国の重要な防衛産業輸出対象国で、この分野の最高の協力モデルを開拓してきた。

△ ハン・ドンマン駐フィリピン大使=46年前の1973年、韓進重工業がフィリピンのミンダナオ島ダバオとサランガニをむすぶ道路を建設した。ダバオ出身のロドリゴ・ロア・ドゥテルテ大統領は昨年、面談時に「時間的に古いその道路は、いまだ新しい道路のようにしっかりしている。韓国企業の評判がフィリピンで維持されている秘訣はこのようなもの」だと語り、私は驚いたことがある。

- 30年間にお互いが培ってきた「人的交流」も将来の資産ではないか。

△ イ・サンファ駐ミャンマー大使=ミャンマー政府は今年の9月、韓国国民を対象にビザ免除措置を来年の9月末までに延長することにした。これに合わせてわが国の政府は、今回の特別首脳会議を契機に短期訪問ビザの発給費用を今年末までに一時免除する。来月に仁川~ヤンゴン間の新規路線が就航すると、毎年7万人水準だった韓国人観光客の数も、今年は初めて10万人を突破すると予想される。

△ パク・フンギョン駐カンボジア大使=カンボジアの「ビリヤードスター」のSruong Pheavy(スロン・ピアビー)選手の成功ストーリーは、両国の国民間の心理的距離を縮めるところに大きく寄与している。10年前に韓国人男性と結婚して初めてビリヤードに接し、世界的な3クッション選手に成長した。同氏は韓国内の多文化家庭の子供のためのビリヤード教室を運営し、賞金を集めてカンボジアの子供たちを助けている。

- 現場で感じる韓流の価値と重みはどうか。

△ イ・サンファ大使=ミャンマーでは『秋の童話』のような現代ドラマのほかに、『朱蒙(チュモン)』や『大祚栄(テジョヨン)』のような時代劇も人気だった。特に『朱蒙』の主人公ソン・イルグク氏は大変な人気を呼んで「朱蒙ディプロマシー」という新造語まで出てきている。

△ イ・ウコン駐タイ大使=赴任あいさつかたがた、タイの首相を表敬訪問したときの記憶が鮮やかだ。タイの首相が面談のさいごに韓国の歌が好きだとおっしゃって、『アリラン』の一節を非常に正確な音程で直接お歌いになった。タイで大韓民国は美しくて多彩な「文化の国」という評価が圧倒的だ。

△ パク・ノワン大使=既存の韓流に「パク・ハンソ効果」まで加わって、韓国はベトナムの最高のソフトパワーブランドになった。笑い話だが「パク・ハンソ監督に似ている」という言葉は、あなたがハンサムという意味として通用する。子供が生まれたときの誉め言葉で「韓国の子供みたい」と言うという冗談もあるほどだ。

△ シン・ソンスン駐ラオス大使=ラオスは韓国の経済発展の経験、特にセマウル運動を通じた農村近代化の経験伝授に大きな関心を見せている。韓国が実施している農村開発事業を最高のコラボレーションモデルであると考えて協力拡大を希望する。

- わが国の企業の現地化による進出分野をズバリ、紹介してほしい。

△ パク・ノワン大使=ベトナム政府は経済社会全般をデジタル経済システムに移行するために、情報技術(IT)分野を中心に自国の技術企業を育成することに注力している。外国人投資の誘致政策も単純な製造工場の誘致から、最尖端の製造分野へ切り替える方針だ。このような変化の流れを韓国企業がきちんと読まなければならない。

△ イ・チボム駐マレーシア大使=マレーシアはグローバルなハラール市場をリードする国として、ハラール認証システムとハラール産業団地などを体系的に備えている。わが国の企業が韓流コンテンツを加味し、第3国のハラール市場に共同参入すれば、両国のハラール産業がクォンタムジャンプすることができるだろう。また現在、マレーシアの25の大学で韓国語を教養講座として教えているが、技術教育と韓国語教育などで爆発的に両国間の協力事業が拡大すると期待される。

△ キム・チャンボム大使=再選に成功したジョコ・ウィドド大統領は、第2期政府の最大の力点課題として人的資源の力量強化とインフラ部門の開発、輸出と投資を促進すると選定した。同氏は韓国を首都移転やスマートシティと交通など、さまざまな分野でのベストプラクティスとして見ている。

△ ユン・ヒョンボン駐ブルネイ大使=熱帯密林と清浄な環境資産を持つブルネイは、革新と再生可能エネルギー技術を導入して自然環境をより持続可能な環境として維持・保全していくことに注力しているが、ここに韓国企業が貢献できる部分が大きい。太陽光発電から、ごみ焼却転換を通じた電気の生産などが代表的だ。

- 韓国の青年たちが革新スタートアップを通じてASEAN市場に挑戦しなければならない。

△ アン・ヨンジプ大使=シンガポールは新産業に対する規制が少なく、テストベッドとしての利点が大きい。昨年、韓国のスタートアップがシンガポールでブロックチェーン基盤の車両運行情報を活用した保険商品の派生事業を開始した。今この会社はベトナムとカンボジアにまで事業を拡大し、現在は戦略的投資家を対象に資金誘致に突入している。

△ イ・チボム大使=マレーシアは地理的にスケールアップにたいへん有利な国だ。周辺にシンガポールとインドネシアという市場があり、事業拡張性が容易であるという点を積極的に活用する必要がある。

△ イ・ウコン大使=タイは韓国のスタートアップと初めて協議しながら、製品の市場性が不確実であっても積極的な態度を見せたりし、時には笑いながらもややあいまいな態度を見せたりする。余裕を持って十分に市場を分析しなければならない。タイ人たちは3S(快適・Sabai、楽しい・Sanook、便利・Saduak)を追求する現象もぜひ申し上げたい。

- 未来志向の韓・アセアン関係のためにどんな準備をするべきか。

△ イム・ソンナム大使=アセアンをもう少し遠い視点で見なければならない。今はほとんどの国が発展途上国だが、堅実な経済成長と開発の潜在性を土台に、世界経済の成長エンジンになってきている。これらの国が高所得国の隊列に上がるという大きなイメージを描きながら、協力を拡大しなければならない。経済成長のために人件費の上昇速度が高いので、これに韓国企業も備えなければならない。

△ イ・サンファ大使=ミャンマーはメコン地域内でも最も可能性が大きく、東南アジアの「最後のフロンティア」と呼ばれる。こんかい開催される韓・メコン首脳会議を通じて、ミャンマーとの関係に飛躍がなされることを期待している。

△ イ・ウコン大使=韓国にとってアセアンは国家の生存戦略の一部となった。長期的なビジョンを持たなければならない。今回の特別首脳会議は長い航海の出発点だ。緻密に協力の接続ポイントを作るための努力を今から始めなければならない。
  • 毎日経済_イ・ジェチョル記者/アン・ジョンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-11-24 19:51:58




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