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「サイトカインストーム」懸念広がる…健康な人ほど危険


急性肺炎による多臓器不全で18日に死亡した慶尚北道慶山市居住の高校3年生(17歳)は「コロナ19」の陰性判定を受けたが、「サイトカインストーム(cytokine storm)」で死亡に至ったことが明らかになった。 19日、キム・シヌ大邱市感染症管理支援団長は大邱市災害安全対策本部でのブリーフィングで、「20代のコロナ19の患者も世界的に0.2%の死亡率を見せることが知られている」とし、「(若年層感染者の場合)免疫学的な劇症、つまりサイトカインストームの可能性があり、これは非常にまれに現れることがある」と述べた。

「サイトカインストーム」は、免疫物質であるサイトカインが過剰に分泌され、正常な細胞を攻撃する現象だ。若く健康な人がウイルスに感染したとき、免疫システムが過剰反応して発生する。

サイトカインが過剰に分泌されると発熱や筋肉痛、関節痛、発疹、低血圧、発作などのさまざまな免疫システムの異常兆候を起こして人体を脅す。先月、中国の保健当局も集中治療室に入院したコロナ19感染患者で大量のサイトカインが観測されたと明らかにしたが、これはそれだけ確定者の免疫システムに異常が多かったことを意味する。免疫システム以上に肺が損傷すると、「呼吸困難→体内の酸素供給不能と酸素不足→死亡」につながる。気道への挿管と機械式人工呼吸器(エクモ)を使用して、膨大な高濃度酸素を強力な圧力で注入し、肺が必要とする酸素を受け入れることができるよう助けることが治療法だが、このような方法でも肺が酸素を受け入れなければ酸素不足で死亡する。

酸素不足による敗血症で多発性臓器損傷が発生しても、死亡に至ることがありうる。敗血症による多臓器不全は、血液が有害菌に感染して体全体に血液が回り、病原体が他の臓器に広がったり、血液感染のために身体全体の血管が拡張して体内の血圧が低くなる現象だ。

世界的な医学ジャーナルの「ランセット(Lancet)」が最近に発表した論文によると、1月1~20日にコロナ19感染者99人(男性67人、女性32人、平均年齢55.5歳)を対象に調査した結果、50人が慢性疾患患者だった。感染後25人の片側の肺に肺炎、74人が両方の肺に肺炎が生じた。症状は82人が発熱、81人が咳、31人が呼吸困難、11人が筋肉痛、9人がせん妄、8人が頭痛、5人が首の痛みなどを示し、治療薬は70人が抗生物質で75人が抗ウイルス剤、27人が免疫グロブリン、19人がステロイド、15人が抗カビ剤などを処方された。この論文の研究者は、「標本調査だが感染患者がすべて肺炎が生じて、主な症状は発熱と咳や呼吸困難といった点を見ると、コロナ19感染患者の死因がサイトカインでありうるという事実を裏付ける」と述べた。
  • 毎日経済_イ・ビョンムン医療専門記者/ソ・ヂヌ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-03-20 09:39:07




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