解説 | ハングル:이반 ハングル発音:イバン 意味:性的少数者 解説:「私たちは一般的ではない」ソウル・鐘路(チョンロ)の同性愛者のコミュニティで誰かがこう叫んだ。すると、隣のゲイの友人が口添えをする。 「そうだ、私たちはイバン(이반、二般)だね」 韓国で同性愛者自身が自らを指す「イバン」はこうして生まれたとされている。見方を変えると自分たちを二流の人生として見た自嘲的な感じさえ受ける。1990年代には韓国で同性愛者同士が集まる空間はほとんどなかったし、三流劇場の前の座席が同性愛者が集まる場所といううわさだけが盛んだったころだった。そしてせいぜい公衆トイレの落書きを介して連絡先をやりとりする境遇だったため、自己卑下的な雰囲気はある意味当然だったのかもしれない。 男性の同性愛者たちが使っていた「イバン」は2000年に芸能人のホン・ソクチョンが自らがゲイであると「カミングアウト」してから意味が二般から異般に変わることとなる。同性愛・人権運動家たちが活動を開始し、2000年からクィア(Queer)カルチャー・フェスティバルが開かれ、2002年の大統領選挙当時には民主労働党の同性愛者の支持者たちが堂々と「赤い異般」を結成するほどになる。 まだインターネットの性的少数者たちの集まりの中には女性イバン、男性イバンなどと標榜するコミュニティがあるものの、同性愛・人権運動家たちはイバンはゲイやレズビアンだけでなく、これらを含めたトランスジェンダーなどの性転換者も網羅した性的少数者全体を指すクィア(Queer)という意味で使う。 ☞ 2000年に始まり、今年で15回目となる2014 クィア(Queer)カルチャー・フェスティバルは、6月7日から15日までソウル新村の延世大学路で開かれる。展示、公演、パーティー、映画祭など、様々な行事が行われストリートパレードは世界最大のインターネット検索サービス企業であるGoogleがパートナーとして参加する。 |