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サムスン電子、中国西安NAND工場を減産…コロナ封鎖で


    • 中国西安にあるサムスン電子半導体工場の全景。この工場ではサムスン製NANDフラッシュメモリの30~40%を生産する。 [写真提供=サムスン電子]


    全世界のNANDフラッシュメモリ生産の10%を占める中国の西安工場が減産に入り、半導体業界に非常灯がついた。 NANDフラッシュメモリはPCや企業用サーバ、データセンターなどに投入される。西安ラインの生産が縮小するにともない、来年のNANDフラッシュメモリの単価は従来の見通しよりも引き上げられる可能性が高まった。事態が長期化すればサーバー増設のような、企業のインフラ投資にも影響を及ぼす可能性がある。

    サムスン電子は29日、海外で唯一運営中のメモリ半導体工場である中国・西安のNANDフラッシュメモリ工場の生産ラインを縮小すると明らかにした。先立ってサムスン電子は去る23日、西安省の封鎖措置が下されると緊急体制に突入し、これまで投入できる人材を最大限に活用して生産ラインを正常稼動してきた。西安工場の人材は協力会社の職員を含めて1万人以上の規模だ。しかし封鎖状況が長くなると、宿舎で隔離しながら生産ラインに投入された人員の疲労度はますます蓄積された。このことからサムスン電子は工場要員と地域住民の安全が最優先だと判断し、ライン稼働の縮小を決定した。

    半導体工場は24時間稼働する。生産ラインの弾力的な調整は、事実上は減算のまた異なる表現として解釈される。しかし今のところ、ラインの稼働中断状況まで行ったわけではない。サムスン電子の関係者は「稼働中のラインが中断されたわけではなく、生産ラインへの投入人材などを調整する措置」だと説明した。

    しかし状況が長期化して実際にライン中断まで行う場合、損失は避けられない見通しだ。半導体生産ラインは一度停止すれば投入されたウエハは再使用できず、再起動して正常な歩留まりまで引き上げるのに一定時間がかかる。また既存に契約された物量分の生産のために韓国・華城と平澤の工場稼働率を高める場合は追加の費用が発生する。人件費などの国内生産コストは中国より高く、原材料などの物流コストも発生するためだ。

    先立ってサムスン電子は今年初めに異常な寒波で米オースティン市のファウンドリ生産ラインの稼動が中断した時も、4千億ウォンほどの損失を被った。 NANDフラッシュメモリ分野でサムスン電子は圧倒的1位事業者であるだけに、西安工場の生産縮小は世界の供給量にも影響を与える見通しだ。英国の市場調査機関オムディアによると、サムスン電子は今年の第3四半期は世界のNANDフラッシュメモリ市場で34.5%のシェアで、唯一で30%以上を記録して1位を維持した。その後には日キオクシアが19.5%で2位を占めており、SKハイニックス13.6%と米エスタンデジタル13%の順だ。ここに米マイクロン(9.9%)と今回SKハイニックスとの合併が決定した米インテル(5.9%)まで5社が競争する構図だ。

    DRAM市場は「半導体チキンゲーム」と呼ばれた設備競争の後、サムスン電子(シェア43.9%)とSKハイニックス(27.6%)、そしてマイクロン(22.7%)などの3企業のみが残って整理されたが、NAND型フラッシュメモリ市場は6社が有意味なシェアを占めて競争している。 2002年にNANDフラッシュメモリ市場のトップに上がったサムスン電子は、2位のキオキシアと15%ポイントの格差を維持し、今年も1位を固守する見通しだ。

    西安工場に支障が発生するによって、来年も下落すると予想されたNANDフラッシュ価格に影響があると見られる。当初、市場調査機関は来年のNAND価格の下落を予見したが、サムスン電子の今回の減算措置で状況が変わることもある。

    市場調査機関は来年初めから、複数のNAND製品が需要減少によって供給過剰状態に入り、当分は価格の下落が続くと予想した。トレンドフォースが最近出した報告書によると、NANDフラッシュ価格は今年の第4四半期にすでに平均0~5%下落した。来年の第1四半期にはさらに10%以上の下落が予想される。

    西安封鎖が長期化の兆しを見せるにともない、サムスン電子だけでなく、ここに工場を置いているサムスンSDIの悩みも深まっている。

    西安に電気自動車用バッテリー生産工場があるサムスンSDIは、この日までは都市封鎖令にも工場は支障なく稼働していると明らかにした。サムスンSDIは世界のバッテリー企業の中では初めて中国に電気自動車用バッテリー専用工場を建設し、2015年から運営中だ。サムスンSDIシアン工場は、中国の安慶環新グループおよび西安高虎グループとの合弁で設立された。サムスンSDIの関係者は「中国政府当局の方針に応じて対応する予定だが、現在は正常稼働中」だと語った。
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  • 毎日経済 | オ・チャンジョン記者 | 入力 2021-12-29 18:05:42