記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
数字経済 > 経済

ウォン高行進…輸出競争力に警告灯

  • ■ 継続するウォンの強気

    ウォン高傾向が尋常でない。これまでどちらかというと守勢だったドル当たり1100ウォン線を突き抜けて上がり、ウォン高の速度はいっそう速くなる様相だ。久しぶりに外国為替当局が、懸念の声を出しつつ口頭で警告に乗り出すほどだ。最近のウォン高はこれまでウォンの値を押さえつけていたコリアディスカウント要因が一度に解けたという要因が大きい。

    外資系銀行では来年、戦略的にウォンを買い入れるようにというアドバイスまで打ち出し、ウォン高傾向に力を乗せている。一部では強気が続いて、来年には1050ウォン台まで上昇傾向に乗るだろうという分析も出ている。

    17日、ソウル外国為替市場でドル当たりのウォンは1097.5ウォン(終値基準)を記録し、今年に入って初めて1100ウォン線が崩れた。この日の開場当初にウォンは1097ウォンから出発して、一時は1093ウォン台にまで高騰した。けっきょく場の終値は前日の終値の1101.4ウォンよりも3.9ウォン上がり、二日連続で年間最高値を書き換えていった。 終値を基準にしてウォンが1100ウォンを突破したのは、昨年の9月29日の1098.8ウォンだった。

    国家不渡りの危険を示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムは、第4四半期に入って初めて60bp線に落ちた。数字が落ちるほど国家不渡り危険が減少するという意味だ。このような雰囲気は前日、外国為替市場にいっきに注がれたニュースの影響が大きかった。韓国・カナダの通貨スワップ締結ニュースに続き、中国の対北韓特使派遣と北・米対話の可能性に対する言及まで続き、金融市場が自信を見出した様相だ。韓国経済の対外安定性が高まったことを反映したものだ。

    ■ 急峻なウォン高への不安

    問題はウォンの変化が急速に起きているという点だ。外国為替当局が偏り現象の現れることに触覚をとがらせる理由だ。外国為替当局の関係者は、「為替レートの下落速度が速いという点を注意深く見守っている」とし、「短期集中現象があるようだ」と憂慮した。一種の口頭警告が出たことで上昇幅がややゆるんだようだが、あふれるウォン高傾向を和らげるには足りないようだ。DB金融投資のムン・ホンチョル研究員は、「ウォン高の要因が同時多発で発生し、ドル当たりのウォンが一瞬スプリングではねたように上がった」とし、「企業と家計、政府のすべてがウォン高を牽引しており、地政学的リスクが落ち着いた中に韓・加通貨スワップ締結のニュースが伝えられた結果」だと分析した。

    市場では年末までウォン高の流れが続くと見ている。専門家らは今年末から来年まで、ウォンの変動幅を1000ウォン台半ばから1100ウォン台半ばと予想している。この日、ゴールドマン・サックスは来年の投資戦略に「韓国ウォン、インドルピー、インドネシアルピアを買い入れて、シンガポールドルと日本円を売る」ように勧告した。

    外国為替市場が短期的に急変し、マクロ経済見通しに加えて基準金利を定める今月末の韓国銀行金融通貨委員会で、どのような結果が出るのかにも市場の関心が集まっている。

    専門家らはリスク資産の好みが持続し、大勢的にはウォン高が続くと口をそろえる。韓・カナダ間の無期限・無制限の通貨スワップ締結のニュースがウォンを引き上げたことに加え、北韓リスクの緩和とドル安基調まで複合的に作用するものと見られるからだ。

    ウリ銀行のミン・ギョンウォン上級研究員は、「今年は1090~1115ウォン、来年には1060~1160ウォンになるだろう」と予想した。ムン・ホンチョル研究員は、1050~1130ウォン、オ・ソクテ韓国SGチーフエコノミストは年末までに1110ウォン前後、来年は1150ウォン前後を予想した。実際、わが国の企業業績は改善傾向を見せている。特に拡張局面にたどりついた世界的景気に支えられ、国内企業の輸出実績は着実に改善傾向を見せ、第3四半期の国内総生産(GDP)成長率は1.4%に上がった。このことから、企業の成長を期待した外国人資金も国内証券市場に流入し続けている。

    目の前に迫った米国の基準金利の引き上げにもかかわらず、ドル安を見せるという見通しもウォン高に力を加える。

    ミン・ギョンウォン選任研究員は、「トランプ大統領が就任初期に宣言したように、米国の双子の赤字を軽減するためにドル安を誘導することがありうる」とした。過度の輸入を抑制し、輸出を奨励する過程でドル安を誘導するという指摘だ。
  • 毎日経済_キム・イノ記者/キム・ジョンフン記者/チョン・ヂュウォン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-11-17 23:35:26