記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
数字経済 > 総合

半導体ショック、さらに大きく... 2月の輸出「二桁墜落」


    昨年は沈滞に陥った韓国経済でそれでも支えになっていた輸出戦線に、えぐられた谷がさらに深まっている。昨年12月にマイナスに転じた輸出は、減少幅をさらに大きくしている。特に主力輸出品目である半導体・ディスプレイ・携帯電話など、情報通信技術(ICT)分野で警告音が大きくなっているという点は骨にひびくという分析だ。政府は近いうちに「輸出活力向上対策」を出すという計画だ。しかし下半期には輸出が改善されるという楽観的な見通しを立てており、まだ状況の深刻さを認識していないのではないかという指摘も出ている。

    関税庁は21日、今月1~20日の輸出額は233億ドルと集計されて、1年前の同じ期間よりも11.7%減少したと発表した。このような傾向によって今月の輸出がマイナスに確定されると、昨年の12月以降は前年同期比で三ヶ月連続で減ることになる。3ヶ月連続の輸出減少は、2015年1月から2016年7月まで19カ月連続で減少した後では初めてだ。

    昨年の輸出額は6000億ドルを突破して歴代最高額を記録したが、実際に12月から減少傾向に転じた状態だ。昨年12月の輸出増加率(前年同月比)は―1.2%を記録したことに続き、1月の輸出も5.8%減少した。特に現在の状況を見ると、2月には減少率が二桁に大きくなる可能性も排除できない。専門家らは今年全体の輸出状況は、当初の予想よりも悪くなりうると見ている。淑明女子大経済学部のシン・セドン教授は、「今年の輸出額は全体的に5%以上減少すると予想される」と語った。

    輸出額が減少した主な原因は、半導体をはじめとするICT分野による。産業通商資源部がこの日に発表した資料を見ると、今年1月のICT分野の輸出額は144億7000万ドルだが、これは昨年1月に比べて18.2%も減少した数値だ。問題は2月に入って、このような傾向がさらに深化している点だ。実際に、20日までに半導体の輸出額はなんと27.1%減少し、減少幅が最も大きかった。

    産業部によると、DRAMの現物(4Gb基準)価格は昨年9月は3.67ドルだったが、10月に3.37ドル、11月に3.13ドル、12月に3.03ドル、今年1月に3.02ドルへと着実に下落し続けている。半導体だけを見るならばすでに1月、輸出額は前年同月比で23.3%減の75億4000万ドルに急落した。今月は減少幅が大きくなるという見通しだ。

    半導体だけではない。ディスプレイは全体的に1月の輸出額は前年同月に比べて12.7%減少し、20億ドルにやっと手が届いた。

    産業部の関係者は、「有機発光ダイオード(OLED)パネルの輸出額は増加したが、中国が急激に競争力を大きくしている液晶表示装置(LCD)パネルでは単価の下落が進んで、減少を続けている」と明らかにした。携帯電話は1月に9億5000万ドルを輸出したが、昨年の同じ期間に比べてなんと30.8%も減少した数値だ。特に完成品は輸出が13.5%増加したが、部品部門の輸出不振が続いていることを産業部は把握した。

    その他のコンピュータと周辺機器は1月に6億7000万ドルを輸出したが、前年同期比で26.4%減少した。特に記憶装置のSSD(ソリッドステートドライブ)は、前年同期に比べて輸出額が53.5%も減少して半分になったことが調査された。

    地域別にみると、中国に対する高い依存度が足を引っ張った。中国は昨年、韓国全体の輸出の26.8%を占めるほど比重が大きい。このような状況から、2月に入って20日までを国別にみると中国への輸出が13.6%減少し、四ヵ月のあいだ減少を続けた。

    特にICT分野での中国に対する輸出不振が目立った。 1月にICT部門の中国輸出額は65億1000万ドルだったが、これは前年同期比で12.2%減の数値だ。半導体の輸出額は37.1%減少し、ディスプレイと携帯電話はそれぞれ17.4%と63%急落した。

    専門家らは半導体よりも、対中国輸出の減少がより深刻な状況だと憂慮した。中国に対する輸出鈍化は、より中長期的なリスクだという指摘だ。現代経済研究院のチョン・ミョン研究委員は、「中国の景気が鈍化して輸入自体が減った影響もあるが、何よりも中国内の産業競争力が高まり、韓国産製品の輸入誘引が下がっている」と分析した。続いて「産業競争力の面から見れば、最近は中国企業がおそろしく浮上しているので、対中国輸出の減少は韓国が今後も問題になるだろう」と付け加えた。

    特に2月1~20日の貿易収支は29億5900万ドルの赤字を記録した。赤字幅が先月の同じ期間(16億ドル)よりも拡大しており、今月の貿易収支の赤字転換に対する懸念も高まっている。

    政府も一応深刻さを認識している。このことから今月末に経済活力対策会議を開き、輸出活力向上対策を発表する予定だ。しかし政府は最悪の状況までを想定していないという指摘が出ている。政府は半導体価格と原油価格の回復が予想される下半期には、輸出が改善されるだろうと予想しているからだ。

    産業部は「最近の対外輸出条件について厳重に認識している」と言いながらも、「2年連続で輸出6000億ドルを達成することができるようにする」と明らかにした。
  • 毎日経済_チェ・ヒソク記者/キム・ヨンヂュ記者 | 入力 2019-02-21 18:00:11