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韓LCC各社、赤字の泥沼…「出血競争」の呪い

  • 「シーズンの第3四半期に金をかせいで第2四半期の赤字を埋めなければならないのに、可能かどうか疑問だ。毎日会議をひらいてみたところで対策がでない。トンネルの終わりが見えない状況だ。」(A航空会社の代表)。

    今年の第2四半期、ウォン安と原油価格の急騰に超低価格航空券の乱発などの過当競争で、次々と赤字の泥沼に陥ったローコスト航空会社(LCC/格安航空)業界が、最大のピークである第3四半期に日本発のショックで直撃弾を受けている。

    業況が悪化の一途をたどりつつ「来年まで業況が良くならなければ、滅びるところが出てくるかもしれない」という言葉が公然と出回っている。このような危機は外観の成長のみに汲々としたLCC業界の「自充手(ダメ詰まり)」という分析が多い。長期的な視点で内実をかためず路線増やしにのみ熱中したあげく、景気後退とウォン安に韓・日の関係悪化など、制御不可能な外生の変数が浮上したことで揺れているという指摘だ。

    今年の初めまでは状況は良かった。海外旅行の需要は増えて、LCCは先を争って供給を増やした。 2014年は66機にすぎなかったLCCの保有航空機は、昨年には145機に2倍以上も増えて今年は150機を超えた。業界1位の済州航空は、昨年末は39機だった航空機を第2四半期には44機に増やした。

    LCCは増えた航空機を日本路線に大挙投入した。飛行距離が短く就航も自由で、需要さえあれば収益を出しやすい構造だったからだ。国土交通部の航空情報ポータルシステムによると、2014年は7万799便に過ぎなかった日本の地域運航便数は、昨年は12万3598便に達した。 4年のあいだに43%も増加したことになる。その結果、第2四半期のLCCの国際線全体のうちで日本路線が占める割合は40%に達した。

    供給を競争しながら伸ばしたことから、LCCは特価イベントで顧客をかき集めるしかなかった。無料航空券や年間航空券などの低価格プロモーションがあふれかえった。このような状況で突然、宴が終わろうとしている。航空需要は停滞し、これまで成長を牽引していた日本路線は致命打を受けた。代替ルートの発掘も容易ではない。このような状況で新規に航空免許を取得した3つの企業が市場に参入を準備している。これらが市場に参入すると国内LCCは9社となる。中国(6社)や日本(8社)と米国(9社)などの「航空需要大国」よりも多い。

    いまやLCCはこれまで経験したことのない試練と向き合うことになる。今年の秋夕連休の日本路線の予約率を見ると、衝撃波がどの程度になるか予想することができる。

    2日のエアプサンによると、連休開始2週間前の時点で、日本路線の前売り率は昨年の90%台から今年は40%台に急落した。現在運航中の路線の前売り率を昨年と比較すると、釜山~福岡路線が97%から43%であり、大邱~福岡路線が99%から48%に、釜山~成田路線は93%から49%に落ちた。

    単純な前売り率ではなく座席数ベースでみると状況はさらに深刻だ。エアプサンは現在、日本路線のうち5つの運航を停止し、5つを減便した。釜山~福岡路線は毎日4回から2回に、釜山~大阪路線は毎日3回から1回に運航回数を減らした。エアプサンの主力機種であるエアバスA320(180席)を基準に分析してみると、釜山~福岡路線は、昨年は175人を乗せた飛行機が1日4便出発したが、今年は77人を乗せた飛行機が1日2便だけ出発することになる。前売り率は半減だが、実際の乗客数は4分の1になったわけだ。

    他のLCC状況も大きく変わらない。秋夕連休の前売り率が連休2週間前の時点で昨年に比べ、少なくとも20%ポイントから多くは40%ポイントまで落ちた。

    航空業界の高位関係者は、「LCCが15年のあいだに外形が大きく拡大したのは事実だが、原油価格の乱高下などの外生変数、航空リース料などの金融関連の費用、予期せぬ内外の悪材料などが複合的に発生したときに対応できる内部の力量をきちんと育てなかったのは事実だ」と指摘した。

    また別の関係者は、「米国は1978年航空社規制緩和法を制定して以来、1992年までに168社の航空会社が新規参入したが、過当競争が繰り広げられて同じ期間に99の航空会社が退出した」とし、「米国で起きたことがいま韓国で起こるだもしれない」と警告した。
  • 毎日経済_ノ・ヒョン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-09-02 18:11:12