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韓国型「ハイパーループ」のモデルを公開…10年後、ソウル~釜山を瞬間移動

  • ■ 蔚山科学技術院が40分の1サイズのモデル公開

    △写真=蔚山科学技術院(UNIST)は26日、車輪がなく時速1200キロメートルで走る夢の列車「ハイパーループ」を実サイズの40分の1ほどに縮小製作した「韓国型ハイパーループ」モデルを、国土交通部と蔚山市の主催で蔚山ロッテホテルで開かれた「第7回公共交通機関国際政策フォーラム」で初公開した。 [資料提供=UNIST]

    車輪を持たずに時速1200キロメートルで走る夢の列車「ハイパーループ」の核心技術を盛り込んだ、韓国型ハイパーループの縮小モデルが初めて登場した。実際の列車の車両ひとつぶんにあたる40分の1ほどで作られたモデルで、現在は時速10メートルに過ぎないが、ハイパーループの基本原理に基づいた車体モデルが実際に駆動したのは今回が初めてだ。

    26日、国土交通部と蔚山市の主催で蔚山ロッテホテルで開かれた「第7回公共交通機関の国際政策フォーラム」で、蔚山科学技術院(UNIST)の研究者が自主制作したハイパーループ(U-Loop)の小規模モデルを公開した。こんかい公開したモデルは、将来に商用化されるハイパーループの縮小版にあたる。

    「長さ1.1メートル、幅と直径27センチ」程度で、サイズは小さくても真空に近いチューブの底から浮いたまま、車輪を持たずに推進力を得ることができるハイパーループの核心技術がすべて盛り込まれている。

    真空チューブの中の空気抵抗は、実際にハイパーループが運行可能な条件である1000分の1気圧ほどに下げた。速度に二乗して大きくなる空気抵抗の特性上、地上で音速を出すには真空に近くなければならないからだ。また速度を最大限に高めるために必要不可欠な磁気浮上技術も実現した。

    UNISTのイ・ジェソン機械航空工学部教授は「時速100キロメートル以上を達成するには、パフォーマンステストのみで20キロメートルの長さのレールが必要だが今は4メートルしかなく、技術も基本的なレベルだ」としながらも、「ただし列車の形態とハイパーループの基本原理をすべて備えた最初のモデルだという点に意味がある」と話した。

    もちろん完全な商用化のためには補強しなければならない技術的な問題も存在する。

    列車を空気中に浮かべるところまでは成功したが、まだ速度が低くて列車が大きく揺れるからだ。研究者によると、今は磁場を作るために永久磁石を使っているが、実際の列車を開発するためには電磁石を使わなければならない。出力を引き上げようとすると、モーターもいま現在採用している線形誘導モーター(Linear Induction Motor)の代わりに線形同期モーター(Linear Synchronous Motor)に置き換える必要がある。イ・ジェソン教授は「まだモーターが効率的でないことから速度が低いのでモータ技術を向上させる必要があり、車体が揺れるのを防ぐために磁場を制御する電磁石が必要だ」とし、「10年後の実用化を見ながら開発している」と明らかにした。これと関連して、モデルの性能を改善するための研究開発は継続される予定だ。

    UNISTは漢陽大学と韓国鉄道技術研究院(KRRI)、韓国機械研究院(KIMM)など6つの政府出資の研究機関と韓国型ハイパーループの「ハイパーチューブエクスプレス(HTX)」を作るための共同プロジェクトを進めており、2026年の試験運行が目標だ。

    海外ではハイパーループ商用化のための作業が韓国よりも素早く進展している。米国企業のハイパーループワン(Hyperloop One)は昨年の夏、ネバダ州ラスベガスの近くの砂漠に構築した長さ500メートルの試験トラックで時速300キロメートルを超えるスピードを実現して見せた。デヴルループ(DevLoop)という名前のこのチューブ型試験トラックは直径が3.3メートルで、実際の運行を念頭に置いた大きさだ。

    去る7月1日には、イーロン・マスク氏がワシントンDCからニューヨークまでを29分で走破するハイパーループの建設に関連して、政府当局の口頭承認を受けたと明かしている。8月にはマスク氏のトンネル掘削会社ボーリングカンパニー(TBC)社が、ハイパーループが通過する地下トンネルの掘削作業に入った。サンフランシスコのスペースX(SpaceX)本社の駐車場地下から、ホーソーン市の空港を結ぶ2マイル(3.2キロメートル)の長さの地下トンネルだ。ハイパーループを推進する米国企業の関係者はハイパーループの商用化と関連して、技術的な問題ではなく規制の問題だと見るほど自信をのぞかせている。

    一歩遅れて飛び込んだ中国も、挑戦状を差し出している。宇宙開発を主導する中国の宇宙科学工業グループが高速飛行列車プロジェクト「T-Flight」に着手した状態だ。磁気浮上技術で列車を20ミリ浮かせて、最大時速4000キロメートルで北京と上海を20分で走破するという構想だ。
  • 毎日経済 キム・ユンジン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-10-27 09:09:53