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画家ノ・ウォンヒ氏…女性の苦痛を超現実的な画に

    • 『屋根の上に座る人』 写真提供=ハクゴジェギャラリー



    あの人たちはなぜ飛び石や屋根の上に座っているのだろうか。買い物に行った女性が止めどなく渓流を眺める理由は、頭の中が悩みでいっぱいだからだ。そして世の中に対する未練を超越しようと屋根に上がったという。 2つの絵画『悩みでいっぱい』と『屋根の上に座りたい人』は、画家ノ・ウォンヒ(71)氏の最近の心情だ。これまで女性の声を高めたフェミニスト作家だった彼女は、静かに暮らしていたが周りはとても揺れている。

    ソウルのハクゴジェギャラリーの個展で会った作家は、「(ソウル市鍾路区)洗剣亭に住んでいるが、近所の光化門はいまだに戦いと労働者の集会でやかましい。それでも日常は何もなかったように続いている。リュックを背負って市場に出て、家族のための食事を準備しなけれならない」と言う。

    平穏に見える外見とは違い、彼女は依然として社会の矛盾を我慢できずに筆をあげる。今回の展示のテーマに採択された代表作『薄い地の上』には現代重工業の労組員らが見える。巨大な権力者らと民衆の間には大きな穴がある。地面が消えるほどの痛みを極大化した設定に見える。作家は「マスコミに報道されたシンクホールを参考にして描いた」という。民衆が骨と肉で掘り起こした殺伐として軟弱な地面が、暴力的で容易に壊れたことを意味すると。

    また別の大作『広場の人々』の素材は、光化門のキャンドル集会だ。セウォル号の犠牲者とサムスン半導体の労災被害者や民主言論市民連合の後援会員など、作家が見聞きしたすべての名前をぎっしりと書いた。展示場を訪れた人の名前も書いてくれる。

    『武器を持って』は鍋やヤンプン(広口鍋)に囲まれて男に殴られる女性の間で、大きなフライパンを持った巨人の女性4人を暗く描いた。光化門の書店でチョ・ナムジュの小説『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んだ作家は、「最近はかなり良くなったが女性差別の構造は相変わらずで、家庭内暴力も後を絶たない」と語った。

    女性の宿命的な家事労働を風刺した絵も、展示場で高い割合を占めている。古い台所で食器を塔のよう積み上げた『古い暮らし向き2』はうら寂しいようで、同時に女性の長い苦労を称えているようだ。今年完成したこの作品とは異なり、2001年作の『古い暮らし向き』ではへらと杓子、鍋、米飯をのせたスッカラクなどが魔法のように浮かんでいる。

    女性の靴と糸、ほうきが飛び上がって踊りを踊るような2003年作『大掃除をする際に』もやはり超現実的なイメージだ。毎日拭いて磨きながらあらゆる労働力を投入しているが、変化のない暮らし向きは退屈を忘れたいという遊び心がうかがえる。

    横850㎝と縦330㎝の大型の布にあらゆる家財道具を無数の星のように描いた2008年作『晴天の空に輝く星も多く』もまた、疲れた主婦の生活を芸術に昇華した。

    暗い焦げ茶色の建物と大きな木々の間に小さなピンクの花木を対比させた2005年作『静かな町』は叙情的だ。暗澹たる現実でも希望を探そうという作家の肯定感が読まれる。恐ろしいほどに執拗な表情でアイスクリームに耽溺する若い女性と、すぐにでも涙を流すような灰色の悲しい女性ノ・ウォンヒが並んで描かれた『95自画像』(1995)が印象的だ。作家は「何か解けないときはアイスクリームを食べながらストレスを解消した」と説明した。

    巨人の耳に寄りかかって小人が何かを吐き出す2009年作『ため息』は、望みもしない不要な話を聞きながら生きなければならない人間のつらさを示す。このように作家は平凡で素朴な人々の生活の重みを鋭敏に捉える。ハクゴジェギャラリーは「ノ・ウォンヒ作家は特有の荒々しい筆づかいで、詩的な響きを持った画を引き出す」とし、「超現実的に描写した現実の姿は、実際よりもはるかに現実的だ」と言うた。展示は来月1日まで。
  • 毎日経済_チョン・ジヒョン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-11-27 17:10:25