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[インタビュー] 『白頭山』イ・ビョンホン

「マンネリが嫌で多彩な役に挑戦」 


    去る19日、ソウル市鍾路区昭格洞(ソギョクトン)のとあるカフェで会ったイ・ビョンホン(49)に「充電はどのようにするか」と尋ねたところ、「バッテリー」という答えが返ってきた。彼のギャグに対する情熱は、ファンの間では充分知られている。インスタグラムに映画『白頭山』の広告写真を掲載しておいて「おもしろい」とコメントを残した後、『南山の部長たち』のポスターを掲示して「これもおもしろい」とコメントを付けるという式だ。両方とも本人の出演作だ。

    『白頭山』は彼のコミカルさが反映されたシーンがあちこちにある。イ・ビョンホンが演じた北韓(北朝鮮)武力省のエリート工作員リ・ジュンピョンが南韓(韓国)の「マルチュリギ」遊びに引き込まれる部分だ。 「北韓コーラも味がまったく同じだね」という南韓のEOD大尉チョ・インチャン(ハ・ジョンウ)にリ・ジュンピョンは「サコルは味が違うのかね」と尋ねる。サコルは「社会主義コーラ」の略だ。イ・ビョンホンが入れたアドリブだ。

    今回の映画が公開された後、「イ・ビョンホンがやりとげた」という評価が出た。『白頭山』はコンピュータグラフィックス(CG)は華やかな反面でストーリーはやや粗い方だが、イ・ビョンホンの演技だけはぶれずに中心を取っている。

    「事実、映画で俳優一人でぜんぶやるのは意味をなさない。一人だけ上手くやるのは危険でしょう。映画は総合芸術じゃないですか。演技だけでもそうでしょう。たとえば相手の俳優がうまくやると気分がいい。それでこそ相乗効果が起きて、映画のクオリティが上がるわけでしょう。むしろ自分の期待よりも相手ができなかった時こそ、心配しなければならない瞬間ではないかと…」。

    彼は多作なだけではなく、ジャンルも問わない。『天命の城(南漢山城)』(2017)、 『ミスターサンシャイン』(2018)のように典型的に粋なキャラクターを中心軸に置きながらも、盛りの過ぎたボクサー(『それだけが、僕の世界』)、揺れる家長(『エターナル(シングルライダー)』)などの一般人に近い人物までを幅広く演じる。マンネリに陥ることが嫌いだそうだ。 「何か繰り返したような気がすると警戒心を持つんですよ」。早くからハリウッド映画に出演してきた。『G.I.ジョー』(2009)から『マグニフィセント・セブン 』(2016)まで、すべてが主演級だ。

    時にはその経験を土台に、撮影現場で同僚俳優に助言することもある。「アメリカ映画では銃を少しでも握らなければならない役割を引き受けた俳優は、無条件で訓練所に送られますね。わずか数日でも。銃を握った姿勢とか足の角度、時には映画に使わない部分まで学ぶわけです。韓国ではまだそのようにはしないんですよ。それで私は現場で、銃を初めて握る後輩たちを助けたり…。映画の中で銃は全てホンモノを使うんですよ。ほんとうに重い」。

    1991年にKBSの公開採用タレントとしてデビューして以来、30年近く演技してきた。国内外を行き来して主役を務め、「大鐘賞」から「百想芸術大賞」まで俳優として受けることができる賞をすべて抱いてきた。それでも最も寒々とする瞬間は、演技が気に入らない時だと言う。

    「どれか1カットで演技が気に入らなくて、その日いち日の気分が決まる時があります。ずっとダウンしてしまう。逆に私の気持ちに忠実に、良かったと思えばかなり気分が良い。演技に正解はないけれど、私がうまくやっているのかという疑問は持ち続けています。成長し続けたいから」。
  • 毎日経済_パク・チャンウン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-12-25 17:03:39