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シン・テヨン新監督、選手として果たせなかった「鬱憤」晴らせるか

  • 新任のシン・テヨン代表監督(47)に「国家代表」あるいは「ワールドカップ」という言葉は、「痛み」という言葉も同然だ。現役時代、シン監督は「グラウンドの狐」と呼ばれ、城南一和(現城南FC)を率いてプロサッカーKリーグの舞台を征服したが、肝心の代表ユニフォームとは縁がなかった選手だったためだ。彼の代表キャリアは全部を合わせてもわずか23試合3ゴールだ。特に4強神話を成し遂げた2002年韓日ワールドカップでは、2001年シーズンで城南の優勝を導いて最優秀選手(MVP)に選ばれても、観客の立場から全国的な祭りを見守らなければならなかった。

    そんなシン・テヨンが再びチャンスをつかんだ。

    今度は選手ではなく監督としてだ。シン・テヨン監督は6日、ソウル市鍾路区の新門路サッカー会館で開かれた就任記者会見で、「韓国が9回連続でワールドカップに進出できるように、この体を燃やしたい」という言葉で、韓国サッカーの運命を引き受けた所感の代わりとした。

    シン・テヨン監督が前任のウリ・シュティーリケ監督を代行するまでには紆余曲折があった。 「国家代表チーム監督はサッカーの花」だと語ったシン・テヨン監督は、「技術委員会の会議が終わって、昼の12時くらいに電話が来ると思っていたのに来なくて気楽に考えていた。午後1時半になって、ようやくアン・ギホン大韓サッカー協会専務から電話が来て、心の中で『シン・テヨン頑張れ! よくやった』と思った」とし、「毒杯」を飲んだ日を思い起こした。

    2018年にロシアW杯に進出して本選まで消化してもせいぜい11ヶ月で終わる短い契約期間、ともすれば今後の監督キャリアに大きな荷物になることもある契約だ。しかしシン・テヨン監督は細かい条件を気に留めなかった。シン・テヨン監督は「年齢が50になろうとしているが、ワールドカップに出られなかったことが一生の悔いだった」とし「選手として出られなかったことを、監督としてさらに高いところまで行けという意味として捉え、他国開催で16強以上に進めようと考えた」と本音を打ち明けた。

    容易ではない挑戦だ。ワールドカップアジア地域最終予選A組で4勝1分け3敗(勝ち点13点)と本選直行が可能な2位にようやくとどまっている韓国は、4勝4敗(勝ち点12点)のウズベキスタンにたった1点差で追撃されている。与えられた時間も資源もそれほど多くない。来る8月31日にイランとのホームゲームを消化し、9月5日のウズベキスタンとのアウェー戦を最後に最終予選を終える代表チームには、リストを発表(8月21日)して実際に招集(8月28日)するまでわずか1週間ほどしか余裕がない。負傷で倒れたソン・フンミン(25・トッテナム)とキ・ソンヨン(28・スウォンジーシティ)の空白まで考慮すれば、さらに頭を悩ませる。

    それでもシン・テヨン監督は「代表チームに来る選手たちは良いコンディションと最高の技量を持っており、短い時間でも訓練内容をスポンジのように吸い込む」と自信を見せた。特に問題として指摘される守備に対しても、「U20代表チームとオリンピックチームでは年齢制限のために走れない選手を選んで引き上げる必要があったが、今は最高の選手を選んで使うことができるため組織力だけを整えれば問題ないと考える」と自信感を示した。

    代表チームの選抜基準には、はっきりとした制限を置かなかった。「所属チームで走れない選手は選抜しない」と断言したが守れずに批判されたホン・ミョンボ前監督や、シュティーリケ前監督とは異なる動きを選んだわけだ。シン・テヨン監督は「世論がなんと言おうと、監督の持つ戦略に必要なら選ぶ」とし、「海外組だからと無条件で選ぶのではなく、Kリーグから日本・中国・中東などを問わず、勝つことができる選手を選びたい」として批判をもとから遮断した。

    これからは、短い時間ではあるが早急にコーチ陣を構成し、代替選手を抜擢する作業が必要だ。シン・テヨン監督が挙げた問題もやはり「疎通」ではなく「戦術」だった。

    シン・テヨン監督は「シュティーリケ前監督は、言語的コミュニケーション以外に大きな問題は無かったが、戦術の不在という問題は存在した」とし、慎重な分析を出したあとに「監督を補佐するだけではなく、監督が考えていなかった戦術をサポート、アドバイスできるコーチングスタッフを探す」と伝えた。

    もちろんこのすべてが意味を持つためには、まずは最終予選を通過して本大会に行くという前提が必要だ。シン・テヨン監督もそのような意味で、叱責よりも激励を要請した。シン・テヨン監督は「韓国サッカーが絶体絶命の危機だと思うが、最初から非難をせずに選手たちにも共にやれるという感じを与えることができたら」と、就任第一声を終えた。
  • 毎日経済 イ・ヨンイク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-07-07 00:36:51