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賃金体系の矛盾…高額年俸者も最低賃金未達?

  • ◆ 不合理な最低賃金・通常賃金基準 ◆

    来年の最低賃金は時間7530ウォンに確定した。このまま行けば文在寅(ムン・ジェイン)政府の公約通りに、最低賃金1万ウォン達成は時間の問題だ。問題はこのような最低賃金の急な上昇が、コンビニのアルバイトなど社会脆弱階層を助けるという当初の趣旨とは異なり、初任給5000万ウォン台を前後する一部大企業の新入社員の人件費までともに上げるという点だ。これは最低賃金の計算には賞与が含まれないが、通常賃金の計算には定期賞与を含める現行の賃金体系の構造的矛盾のために発生する。

    20日、業界によると現代自動車の生産職新入社員の初任給は月平均460万ウォン、現代重工業は344万ウォンに達する。最低賃金が当初の公約通りに1万ウォンまで上がると、現代自動車と現代重工業は、ともに生産職新入社員の初任給を毎月63万~84万ウォンずつ上げなければならない。大韓民国で最高年俸を受ける職場でこのような現象が発生する理由は、これら大企業の給与算定システムが、基本給は低く定期賞与と成果給などは高くという構造で組まれているからだ。

    現代自動車の新入社員の初任給平均460万ウォンのうち、最低賃金の算定に含まれる基本給と一部の固定手当は180万ウォンに過ぎない。団体協約上、毎月の労働時間が243時間に達するという点を勘案すれば、時給で言えば時間当たり7410ウォンだ。来年の最低賃金7530ウォンよりも時間当たり120ウォン少ない。 1時間1万ウォンに合わせるためには、最低賃金の基準となる賃金を最低で243万ウォンにまで上げなければならない。

    初任給が344万ウォンの現代重工業も基本給などのレベルは159万ウォンに過ぎず、同じように少なくとも243万ウォンまで上げなければならない。月別法定労働時間の209時間で計算しても、両社は最低賃金算入賃金は1時間に1万ウォンを超えない。大韓民国で年俸の多いことを自他共に許す大企業でさえ、最低賃金制の影響から抜け出せない。

    けっきょく最低賃金引き上げによる低所得層の所得増大効果よりも、人件費上昇による雇用コストの増大によって生じる非効率と社会的損失が大きくなりうるという指摘だ。

    財界の高位関係者は、「最低賃金法は脆弱勤労層のために導入されたが、算入範囲がせまく、むしろ大企業の労働者の給与を高める方向に変質することがありうる」とし、「定期賞与金や現物給与は団体協約・就業規則などによって事前に決まるが、これらの金額を最低賃金の算入範囲に含まなければならない」と語った。

    これと合わせて、最低賃金と通常賃金の公平性問題も提起される。 2013年の大法院判決によって、定期賞与などが一律で固定して支給されると通常賃金に分類される。通常賃金が高くなると延長労働時間のみならず、育児休職費や退職金などが自動的にアップする。

    各企業は大法院の判決に合わせ、定期賞与金などを通常賃金に分類している。ところが、通常賃金の範囲が広くなることとは異なり、最低賃金の算入範囲は依然として狭い。英国などの先進国は定期賞与だけでなく、宿食費なども最低賃金を計算する際に含まれるが、わが国はただ基本給と一部の固定手当のみを含ませている。

    朴容晩(パク・ヨンマン)大韓商工会議所会長は20日、「現行の最低賃金法は基本給と月の固定手当のみを認めている」とし、「所得下位に該当する者の生活を助けるという次元で見ると、実質賃金を基準にしてこそ本来の趣旨に合う」と指摘した。
  • 毎日経済_ナ・ヒョンヂュン記者/カン・ヨンウン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-07-21 09:37:11