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東北アジア5か国が参加する「東北アジアスーパーグリッド」が本軌道に

    △写真=政府はロシアとの天然ガス・電力などのエネルギー分野での協力を通じ、「北方経済協力」の活性化に乗り出す。去る7日、露ウラジオストクで開かれた「第3回東方経済フォーラム」に、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はロシアのプーチン大統領とともに参加した。 [毎経DB]

    政府はロシアとの天然ガスや電力などのエネルギー分野での協力のために、天然ガスの輸入拡大と電力網接続などを本格的に推進する。これまで10年間、対北梗塞と外交の失敗などで足踏み状態にあった北方経済協力を、再び活性化させるための出発点として見られる。

    19日、関係当局によると産業通商資源部と韓国ガス公社は今月初め、東方経済フォーラムで文在寅大統領とロシアのプーチン大統領との間の合意どおりに、天然ガス分野の協力を拡大するために実務協議チャンネルを早ければ来月にも稼動することにした。協議は両国の政府が参加する韓国・露の資源協力委員会とガス公社、露エネルギー企業のガスプロムなどの機関の代表で構成された実務協議会などで構成されている。

    先立って文大統領は去る6日、露ウラジオストクで開かれた「東方経済フォーラム」の基調演説で、「はじめて北方経済協力の専門担当機構である北方経済協力委員会を大統領直属として設置した」とし、「ロシアと韓国のエネルギー協力はすでに始まり、世界を変えている」と話した。続けて「南北関係が解ければ、北韓を経由したガス管が韓国まで到達することになるだろう」と付け加えた。

    韓国は現在、サハリンのガス田のうちの一つである「サハリン2」から毎年150万トン程度の液化天然ガス(LNG)を輸入している。政府はガス公社を通じて価格の再交渉と追加導入を検討し、北極のLNG開発事業に参加する案も推進する。

    昨年、韓国がロシアから輸入したLNGは190万トンで、年間輸入量の5.7%水準だ。政府はロシアとの協力を拡大し、輸送コストを節約して輸送にかかる時間も短縮させるという戦略だ。また、現在は中東にかたよった天然ガスの導入先多様化を通じて輸出国に対する交渉力を高め、価格交渉でも優位を占めることができる。またロシアとのガス協力の拡大で、政府の脱原発政策によるLNG需要に対処すると同時に、LNG運搬船の受注など、国内産業に肯定的な影響も期待できる。国内の造船所が砕氷機能を備えたLNG運搬船15隻を受注し、去る3月に1隻を引き渡した。

    政府は対北関係の梗塞で遠くなった韓・露天然ガスパイプライン事業も、長期的視角から実務的な検討をおこなっていく計画だ。パイプライン天然ガス(PNG)は、輸送距離3000海里(5556キロメートル)以内ではLNGに比べて競争力がある。サハリンから韓国までパイプラインを接続すると3000キロメートル以内のため、価格の安定を期することができる。

    文大統領が東方経済フォーラムで提案した「東北アジアスーパーグリッド」は、東北アジアのエネルギー共同体のスケッチだという評価を受けている。

    東北アジアスーパーグリッドは韓国・中国・日本・ロシア・モンゴルなど、東北アジア5カ国が参加する超大型の新再生エネルギー電力網接続事業だ。モンゴルの太陽光・風力などの再生可能エネルギー発電団地と、極東シベリアの豊富な天然ガスで作られる電力を、陸上と海底電力網を介して他の国に供給することが要だ。モンゴルのゴビ砂漠に今年末までに5GW(ギガワット)の風力団地が造成される予定であり、2030年には30GWまで増える見込みだ。

    ロシアはこれまでプーチン大統領の提案した「エネルギースーパーリング」でエネルギー輸出の道を開くという計画があり、日本は孫正義ソフトバンク社長の主導で韓・中・日の電力網をつなぐという構想を持っていた。政府は国ごとに異なる計画を東北アジアスーパーグリッドに統合できるように、各国との協力を強化する計画だ。

    北方経済協力委員会の委員長を務めている宋永吉(ソン・ヨンギル)共に民主党議員は東方経済フォーラムを控え、9月初めに日本で孫社長と会って東北アジアスーパーグリッドについて協議した。すでに韓国電力は昨年、日ソフトバンクと中国の国家電力網公司、露ロセッティなどとともに、多国間送電網接続事業に対する妥当性を調査することで覚書(MOU)を締結している。
  • 毎日経済 ソク・ミンス記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-09-19 21:59:39