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韓国とサウジの経済協力、新しい次元に

サウジアラビア皇太子が訪韓 

    • ムン・ジェイン大統領(右)とサウジアラビア皇太子が26日、青瓦台の庭園で開かれた公式歓迎式で儀仗隊を査閲している。サウジアラビアの王位継承者が韓国を訪問したのは、1998年のアブドラ皇太子以後で21年ぶりだ。この日、両国は石油化学・船舶・ロボットなどの分野で総83億ドル規模に達する覚書(MOU)を締結した。写真=イ・チュンウ記者



    サウジアラビアの実権者であるムハンマド・ビン・サルマーン・アール=サウード皇太子(34)が26日、1泊2日の日程で訪韓して破格的な経済協力の包みを解いた。「ミスターエブリシング(Mr. Everything)」と呼ばれるムハンマド皇太子の公式の肩書きは、サウジアラビア副首相兼国防長官だ。とは言え、王位継承序列1位で年老いた父親に代わって、事実上はサウジアラビアを支配している人物だ。世界のエネルギー市場に強大な影響力を発揮しており、ソフトバンク社のビジョンファンドを通じてウーバーなどの世界的な革新的企業の事実上の筆頭株主の地位を持っていることから、初訪韓した皇太子の一挙手一投足に大きな関心が傾いた。

    文在寅(ムン・ヂェイン)大統領とムハンマド皇太子はこの日、青瓦台で会ってエネルギーを超えて未来自動車や水素経済などの第4次産業革命時代の新産業分野などで協力することで意見を一致させた。「ビジョン2030」に代表されるサウジアラビアの「脱石油」ビジョンに、韓国が積極的に参与することにしたわけだ。韓国は米・日・中・英・仏・独・印とならんで、「ビジョン2030」履行のための8つの戦略的協力国として活躍中だ。

    この日、両国政府は青瓦台で文大統領とムハンマド皇太子が出席した中で、83億ドル(約9兆6000億ウォン)規模の契約と了解覚書(MOU)を締結した。両国は水素自動車や燃料電池はもちろん、水素生産・貯蔵・輸送などの全サイクルにわたる水素経済を共同で推進することにした。これにより、政府は環境にやさしい車と水素エネルギーや水素燃料電池などで、中東市場への進出のための足場を整えることができるようになった。

    政府間のMOUのほかに、両国は石油化学と造船や自動車などの各企業も、8件の契約とMOUを締結する成果を上げた。アラムコが投資した5兆ウォン規模のエスオイル石油化学工場と、現代重工業がサウジアラビアのキングサルマン造船所に建設することにした4億2000万ドル規模の船舶エンジン工場がその代表格だ。また、SKガスはサウジアラビアの石油化学企業AGICと、総18億ドル規模の合弁会社設立に乗り出すことにした。サウジアラビアに年間75万トン規模のプロピレンとポリプロピレン工場を建設する大規模なプロジェクトだ。サウジアラムコは韓国石油公社と備蓄油の共同作業、現代オイルバンクとは石油化学の研究開発に乗り出す計画だ。エネルギーのほか、現代自動車とアラムコは未来車の開発で協力し、ロボット産業振興院とサウジアラビア王立技術院はロボットに対する専門知識を共有することにした。

    文大統領とムハンマド皇太子はこの日、新羅ホテルで開かれたSオイル複合石油化学施設の竣工式典に出席した。 42億ドルが投資された超大型事業だ。アラムコとSオイルは、2024年までに行われる次の段階に60億ドルを投資することで意見を一致させた。現在、韓・サウジアラビアの交易規模は昨年の時点で302億9000万ドルで、韓国としては8番目の貿易相手だ。主な輸出品目は自動車(32億5200万ドル)と船舶海洋構造物と部品(3億6600万ドル)、電力用機器(2億5000万ドル)などだ。今回、両国間の協力分野が拡大されて、中東市場の開拓にも弾みが付くことになった。

    成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源部長官は、「今回の訪韓を通じて両国間の造船と石油化学はもちろん、ロボットや環境に優しい車、水素エネルギーなどの高付加価値産業での協力を拡大するきっかけを整えた」と説明した。

    ただし、関心を集めた原発分野の協力は具体的に扱われなかった。両国は共同発表文で「サウジ初の商用原発事業の入札に、大韓民国が継続して参加したことを歓迎した」という原則的見解だけを表した。現在、サウジは1.4ギガワット級の原発2基を建設する事業を進めている。韓国をはじめ米国やロシア、中国、フランスなど5カ国の企業が受注競争を繰り広げている。当初は上半期に候補の圧縮など進展があると期待されたが、サウジアラビアと米国間の核物質移転交渉が難航し、日程そのものが来年以降に持ち越されると予想される。

    両国は、サウジアラビアの脱石油産業の多角化を陣頭指揮する「ビジョン2030委員会」関連の「ビジョンオフィス」を来年にソウルにオープンするなど、両国間の経済協力にも速度を加えることにした。現在、両国はビジョン委員会を通じて、△製造・エネルギー、△デジタル・スマートインフラ、△力量の強化、△保健・生命科学、△中小企業・投資などの5大分野で40件以上の協力課題を進めている。

    この日、スルタン・モフティ(Sultan Mofti)サウジアラビア庁(SAGIA/サウジアラビア総合投資庁)副庁長は毎日経済とのインタビューで、「サウジアラビア資本と韓国企業のノウハウが出会えば、無尽蔵の機会が開かれるだろう」と述べた。モフティ副庁長は「韓国はソフトパワーが強い」とし、「単にビジネスだけに限定されず、韓流などの文化的な強みを学ぶこともサウジアラビアの目標」だと説明した。

    続いてモフティ副庁長は、「24時間以内のビジネスビザの発給が可能になった」とし、「内・外国人がサウジアラビアの投資において差別がないように支援する」と強調した。

    この日、サウジアラビア投資庁は国内10社の投資企業と15件のMOUを締結し、旺盛な経済活動を誇示した。金融・メディア・製造・石油化学・再生可能エネルギー分野を包括し、韓国企業にサウジ内での事業設立を許可する新規ライセンスの発行を含んでいる。現在、サウジアラビアで活動している韓国企業は118社だ。
  • 毎日経済_パク・ヨンボム記者/イム・ソンヒョン記者/キム・ドクシク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-06-26 22:13:52