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韓国精油4社「低硫黄船舶油」が実績に親孝行


    「国内精油会社の選択は正しかった」。

    船舶油の硫黄含有量を従来の3.5%から0.5%に減らさなければならないという国際海事機関(IMO)の規制が今年1月から始まった中で、国内の精油各社は伸びる低硫黄油の販売と上昇する価格で実績改善を期待している。石油化学業界の状況が最悪の状況に駆け上がっているだけに、低硫黄油の販売は国内製油業界に「恵みの雨」になる見通しだ。

    28日の業界によると、今年の1月に国内で取り引きされている低硫黄油の価格は1トン当たり668ドルで、昨年11月の1トン当たり563ドルに比べて19%ほど上昇した。

    一方で今月、硫黄の含有量が多い既存の高硫黄油は1トン当たり408ドルを記録して、低硫黄油との価格差は260ドルに達した。今月初めの米国とイランの軍事的対立によって原油価格がやや急騰し、高硫黄油と低硫黄油の価格がともに多少上昇傾向を見せたが、これを勘案しても2種の船舶油の差は今後ますます大きくなるだろうというのが業界の見通しだ。

    市場での需要も着実に増えている。現代オイルバンク(Hyundai Oilbank)は先月、世界初の低硫黄油ブランドである「現代スター」を発売したが、生産したすべての物量が販売されている。現代オイルバンクの関係者は、「先月生産した15万トンはすべて販売した」とし、「需要が増えて、20万トンに生産量を増やす計画だ」と語った。

    高硫黄油に軽油を混合した「ブレンド」方法で低硫黄油を製造し販売するSKイノベーション(SK Innovation)も、注文が急激に増えて生産量を増やしている。 IMO規制の施行を控えて世界中の船社が昨年から低硫黄油の備蓄を開始したことで、SKイノベーションは2018年に月10万トンずつ生産していた低硫黄油の生産量を昨年は月60万トンに増やした。

    SKイノベーションは低硫黄油の需要急増に対応するために1兆ウォンを投資して、蔚山に超低硫黄油生の産工場である「減圧残渣油脱硫設備(VRDS)」を建設中だ。今年の4月から本格稼動すると、これまでの月18万トンだった低硫黄油をさらに供給することが可能になる。

    エスオイル(S-OIL)は低硫黄油の販売量を公開していないが、蔚山と温山の工場内の脱硫設備で作られた低硫黄油は在庫なしで販売されていると伝えた。また、Sオイルは低硫黄油の増加に対応するために、来年までに脱硫設備を増設する計画だ。

    GSカルテックス(GS Caltex)はこれまで工場用燃料として使用していた低硫黄油を液化天然ガス(LNG)で代替し、低硫黄油は船舶用として販売している。

    国内の船社も低硫黄油の備蓄に乗り出している。各船社はIMO 2020に対応するために、排出ガスの硫黄をろ過する「スクラバー(scrubber)」を船舶に設置してきた。しかしすべての船舶にスクラバーを設置することは事実上不可能だ。スクラバーの設置のためには2~3ヶ月ほど船の運航を停止する必要がするが、ほとんどの船社は船舶発注と2~3年ほどの運航計画まで含めて契約を進めるためだ。スクラバーの設置のために必要な数十億ウォンの費用も負担だ。

    また、ヨーロッパやアメリカなどの港に船が入るためには必ず低硫黄油を使用しなければならないという規定が存在し、スクラバーを設置した船舶も低硫黄油を船に備蓄しておかなければならない。現代商船の関係者は、「スクラバーを設置しても船は低硫黄油を購入するしかない状況」だとし、「船社を中心に低硫黄油に対する需要は増えるだろう」と語った。
  • 毎日経済_ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2020-01-28 17:54:27