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ホン・サンス監督『逃げた女』…ベルリン映画祭に出品

『寄生虫』ブームを引き継ぐか 

    • 写真提供:Jeonwonsa Film Co.


    古希を迎えた「ベルリン国際映画祭(Berlinale/ベルリナーレ)」で、『寄生虫(パラサイト)』が火種となった韓国映画ブームが続くのだろうか。

    第70回ベルリン国際映画祭が20日(現地時間)に開幕した。仏カンヌ映画祭と伊ベネチア映画祭に加え、世界3大映画祭にあげられるベルリン映画祭は来月1日まで開かれ、今年は世界から計340編を招待した。

    映画祭の花である競争部門では、18編が競合する。韓国映画界の視線はホン・サンス監督(60)が受賞するかどうかに集まっている。同氏は今回の映画祭に24番目の長編映画『逃げた女』を出品した。ホン監督はベルリン映画祭と縁が深い。『夜と昼(邦題『アバンチュールはパリで』)』をはじめとして、今回の作品まで競争部門に計4回招待された。特に彼のミューズであるキム・ミニ(38)が出演した『夜の浜辺でひとり』では、第67回ベルリン国際映画祭銀熊賞主演女優賞を受けたことがある。 『逃げた女』もまたキム・ミニが主におさめられた作品だ。キム・ミニは結婚して夫から一度も離れて過ごしたことがない女性カムヒに扮した。ホン監督はカムヒが夫の出張に出たあいだに、過去の3人の友人に会って苦しむ微妙な心境の変化を描写する。

    韓国映画はベルリナーレで何度も受賞してきたが、最高の栄誉である長編部門の金熊賞をとったことはない。今年は何人かの点でホン・サンス監督に有利な雰囲気が観測される。まずは映画祭自体が女性に焦点を合わせることが、『逃げた女』に有利な点として解釈される。今回の映画祭競争作18編のうち6編が女性演出者の手による。『パラサイト』以後に大きくなったアジア映画に対する関心も、肯定的な見通しを加える。

    『逃げた女』との競争を繰り広げる作品は社会的メッセージが明確な映画が多い。3大映画祭の中で政治的性向が一番強いベルリナーレらしいという分析だ。女性監督エリザ・ヒットマン(41)の応募作品『Never Rarely Sometimes Always』が代表的だ。計画になかった妊娠をした17歳のオータムが、いとこのスカイラと問題を解いていく過程を描いた。フェミニズムの話題である未婚の母と中絶に対する質問をするどく投げる。

    アメリカの監督ケリー・ライカート(56)の『First Cow』は、19世紀の米国西部の少し異なる風景を盛り込んだ。この映画が映し出す西部では中国の移民、友人と起業家を探す独り者、寡黙な調理師などが流れ歩く。銃の代わりにひと匙の蜜とミルク1本で夢を実現していく彼らの姿は、代替的な「アメリカンドリーム」だ。ライカート監督は2016年、第60回ロンドン国際映画祭で作品賞を受けることもした。

    アジアの監督の中では、台湾の蔡明亮(チャイミンリャン、63)が出品した。 1994年ベネチア映画祭の金獅子賞を受賞した同氏がこんかい出品した作品はクィア映画『デイズ(Days)』だ。大きな家に一人で住んでいるカン氏とバンコクの小さなアパートに住んでいるノン氏が互いの寂しさを共有する過程を、ゆっくりとしたカメラワークで熟視する。

    ホン・サンス監督が大賞を受ける可能性はどのくらいだろうか。映画評論家のキム・ヒョジョン氏は、「ベルリン映画祭はホン・サンス映画をコンペティション部門に4回招待したほど好意的に見ているが、いまだに演出では賞を与えたことがない」とし、「演出スタイルに非常に大きな変化がない以上、メジャーな賞を受ける強力な候補とはいえない」とした。ただしキム評論家は、「韓国映画に対する関心が非常に大きい状態で映画祭にかかるだけに、照明を大きく受けることができる」と予測した。

    『逃げた女』は来る25日、ベルリナーレ・パラストで初めて世界に公開される。またイ・ジェフン、チェ・ウシク、パク・チョンミン、アン・ジェホが主役を演じた『狩りの時間(Time to Hunt)』は、非競争部門であるベルリナーレ・スペシャル・ガラ部門に韓国初で招請されて22日に初上映される。
  • 毎日経済_パク・チャンヨン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2020-02-21 17:10:14