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夏場のダニ感染症注意報…野外活動時は長袖・シートが必須

    夏の野外活動が多くなりながら、野生ダニが移る「ダニ感染症」の管理に非常灯がついた。山や野原の草むらに生息するダニが人を噛むことによって細菌やウイルスを移す。その中でも「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は致死率が高く、現在まで適切なワクチンや治療薬もない状況のため、何よりも予防​​に注意を要する。

    ダニを介して罹患するおそれのある感染症の種類は多様だ。

    韓国ではSFTS、ツツガムシ、ライム病などが代表的だ。感染疾患の種類に応じて少しずつ異なるが、通常は熱・発疹・高熱・下痢・筋肉痛・頭痛など風邪に似た症状を示す。そのため軽く考えてしまう場合も頻繁にある。ダニ媒介感染症は短ければ3日、長ければ3週間程度の潜伏期間を経る。本格的な症状が現れる前に感染しているかどうかを判断し、病院を訪れることも必要だ。ツツガムシは噛まれた部位に「痂皮」と呼ばれる黒いかさぶたが、ライム病は標的形状の「遊走性紅斑」が現れる。SFTSは皮膚の下に出血と充血が発生する場合が多い。

    高麗大学安岩(アナム)病院家庭医学科のペ・チュグン教授は、「ツツガムシとライム病は、発症初期に抗生物質を使用するとほとんど簡単に治療が可能な方だ。SFTSは症状に応じた内科治療を介して緩和することができる。ダニ媒介疾患は致命的であるが、初期診断に成功すれば生命に支障を与えるほど深刻な状況に至る場合は少ない。野外活動のあと、高熱・腹痛などの発症が疑われる場合はすぐに病院を訪れることが重要だ」と説明した。

    複数のダニ感染症の中でも、別名「殺人ダニ」と呼ばれるSFTSは特に注意しなければならない。致死率が30%に達するほどの致命的なウイルス性疾患だ。韓国で最初に発見された2013年には、患者36人のうち17人が死亡した。「フタトゲチマダニ」から感染することが知られているSFTSは、血小板と白血球の減少が代表的な症状だ。ひどい場合は多発性臓器不全や神経系統の異常などが発生することもある。

    患者数も毎年増えている。 2013年の36人から昨年は165人まで着実に増加した。気温が上がるほどダニの吸血性も旺盛になり、最近のような夏にはより注意が必要だ。

    SFTSは特別な予防接種や治療剤がない。ダニに噛まれないように注意を払うのが最善だ。森や草原に行く時は露出する皮膚面積を最大限に減らす必要がある。半袖や半ズボンではなく長袖や長ズボン、帽子も着用し、草の上に座ったり横になる行為はできるだけ避けるのが好ましい。避けられない場合には素肌が草に触れないように注意し、必ずシートをしく必要がある。また昆虫忌避剤をまくのも方法で、外出後のシャワーは基本だ。

    野外活動時に着ていた服やシートはよく振ってはたき、必ず洗濯して日光に当てて乾燥させる。そして、ペットの衛生・清潔管理に気を使わなければならないのはもちろんだ。草むらとの接触が多いため、外出や散歩をして帰ってきたあとには毎回入浴をさせる必要がある。体からダニを発見した場合は、頭部をピンセットでつまんで除去しなければならない。この時、ダニの一部が皮膚に残る確率が高いため、ねじったり回転させてはならない。

    ペ・チュグン教授は「通常、山や野原で青菜や薬草、果実を採集しているときにダニに噛まれて感染する患者がほとんどだ。野外活動時、散歩道など決められた場所以外での行動は危険だ。海外旅行の際にも注意しなければならない。海外に生息するダニは種類や媒介感染症が異なるため診療が難しい。医師に最近訪れた場所や国を伝えるのが、診断に大きな助けになる」と説明した。
  • 毎経エコノミー 第1916号 / 写真=photopark.com | 入力 2017-07-18 09:06:02