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テクノロジー > 健康・医学

慢性腎臓病、肥満が「最高の敵」…カリウム、リンが多い食品は禁物

    「老廃物の排出、血圧調節、体内の水分維持、赤血球の生産促進、電解質の濃度調節…」

    私たちの体で腎臓が担っている役割は、思っているよりも多い。面々を見てみると、何かひとつでも重要でないものは無い。腎臓が壊れる瞬間、健康も崩れることは当然の事だ。

    慢性腎臓病は、腎臓が本来の機能を果たせない疾患を指す。

    食習慣が西欧化し、高齢化が進むにつれて患者数も急増している。国民健康保険公団によると、慢性腎臓病に使われた健康保険診療費は2015年に1兆5671億ウォンで、高血圧に次いで2位を占めた。昨年基準で、慢性腎臓病の国内(韓国)患者は16万人にのぼる。2010年よりも70%ほど増加した数値だ。

    慢性腎臓病が危険な理由は、初期には何の症状もないが、病気がより進行すると回復が不可能なためだ。カトリックソウル聖母病院腎臓内科のチョン・ビョンハ教授は「一部の患者は体がむくむ症状が現れることもあるが、一般的な場合には痛みや兆候がほとんどない。慢性腎臓病が末期に入ると、透析や腎移植を除いて治療することができる方法はまだ無い。周期的な尿検査と血液検査が必要な理由だ」と説明した。

    腎臓機能が低下すると、どのような症状が現れるのか。まず体内の水分を維持することができなくなり、体がむくんで疲れやすくなる。また、貧血の症状も現れる。赤血球を生産するのは骨髄だが、骨髄を刺激する造血ホルモンを生産する臓器が腎臓だからだ。血圧調節ができず、高血圧が現れることもある。

    チョン教授は「腎臓自体の損傷で死亡に至ることはない。ただし機能低下に伴う合併症が致命的だ。血管が弱くなって血圧の調節が難しくなるため、脳梗塞・心筋梗塞などの心血管系疾患が発生する確率が高くなる」と説明した。

    食習慣にも注意が必要だ。糖や血圧調節のため、低塩食が必須だ。栄養素が豊富な果物や肉類も、むしろ毒になることがある。電解質の調節能力が低下する腎臓病患者が、カリウム、リン、カルシウムなどを排出できなければ合併症が生じる可能性があるのだ。

    「カリウムが蓄積されると不整脈を、そしてリンは血管壁の損傷を誘発する。スイカ、キウイ、イチゴなどカリウムがたくさん入った果物は避けるのが良いだろう。肉、乳製品、小麦粉のようなリンの含有が高い食品も控える必要がある。専門栄養士と一緒に、精巧に献立を組むことを勧める」とチョン教授は助言する。
  • 毎経エコノミー 第1922号 / 写真=ソウル聖母病院 | 入力 2017-08-28 09:18:36