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高血圧の基準強化、14年ぶり…成人の半数が患者に

  • 「高血圧の早期治療のための避けられない措置?学会・国際機関の莫大な資金源であるグローバル製薬会社のたくらみ?」。

    米国心臓学会および心臓病学会は13日(現地時間)、14年ぶりに高血圧の基準を最高・最低140/90㎜Hgから130/80㎜Hgに大幅に引き下げた新しいガイドラインを発表した。米国の二大心臓学会が発表した新しいガイドラインは、収縮期(最高)血圧の基準値120㎜Hg以下を正常血圧、120~129㎜Hgを直前高血圧、130~139㎜Hgを1段階高血圧、140㎜Hg以上を2段階高血圧にそれぞれ分類している。

    高血圧の基準が強化されることによって高血圧前段階の患者が急増する一方で、高血圧薬を服用する患者も大きく増えるという後遺症が避けられないという分析だ。

    これらの学会は高血圧の基準を下げた理由について、「収縮期血圧が130~139㎜Hgのときに、それ以下である場合に比べて心筋梗塞や脳卒中あるいは心不全など、血圧の問題に派生するさまざまな病気が発症する危険性が2倍高いことが900件の研究の結果として証明されたからだ」と説明した。

    新たな基準を適用すると、米国の成人の高血圧有病率は32%(7220万人)から46%(1億300万人)に急増する。わが国の高血圧患者も急増することになる。

    学界の関係者は「高血圧の基準を130㎜Hgに下げた新しいガイドラインを国内に適用すると、大人2人のうち1人の割合で高血圧患者の判定を受けるだろう」と予想した。

    保健福祉部によると毎年、高血圧患者数が史上最高水準を更新しているが、昨年の時点で30歳以上の高血圧の有病率は29.1%で、男性は3人に1人(35.0%)、女性は4人に1人(22.9%)が高血圧を患っている。国内の高血圧診療費は一年に3兆ウォン以上にのぼる。健康保険審査評価院によると、韓国の高血圧の患者は2014年707万人、2015年721万人、2016年752万人に増えた。

    米国の協会は新しいガイドラインを提示して、韓国の高血圧基準(140/90㎜Hg以上)も強化される可能性が高いという予想だ。高血圧学会は「米国の新しい高血圧の基準が韓国人にも適するか検討し、来年に独自の基準を発表する計画だ」と明らかにした。

    疾病管理本部の関係者は、「これまで国内でも高血圧の基準を下げて、早期に高血圧の治療に取り組むべきだという声が少なくなかった」とし、「学界の意見がまとまれば政府レベルで検討することができる」と語った。

    強化された高血圧の基準が国内に適用されると、高血圧の治療を開始する時点がいっそう早くなると思われる。米国心臓学会は第2段階の高血圧に該当する場合、薬を処方するようにしている。第1段階の高血圧に該当する場合、体重コントロールや塩分摂取制限、カリウム含有食品の摂取、規則的な運動、アルコール摂取の制限などで食・生活習慣を改善し、血圧を低下させるように誘導している。第1段階でも心臓病があるなど、今後10年以内に心臓病を発症するリスクが高い人は血圧の薬を服用するように勧告している。

    ただし一部では高血圧の基準強化をめぐって議論が高まっている。 最高血圧の基準が2003年に160㎜Hgから140㎜Hgに下方調整されたことに続いて、今回は130㎜Hgにまでまた下がると、製薬会社が高血圧の薬の販売を増やすために背後から操るのではないかという陰謀論まで提起している。

    日本で医師として40年間働いてきた近藤誠博士は、「高血圧の基準の引き下げは製薬会社のたくらみ」だとし、「日本では1988年に2000億円だった血圧降下剤の売上げが、2008年には1兆円を超えた」と批判している。日本の高血圧薬の販売量は10年前の統計であるため、今ではこれよりも2倍以上増えたと推定される。多くの国際学会に製薬会社が金を出しており、世界保健機関(WHO)の予算の70%以上はグローバルな製薬会社の寄付で満たされている。

    年を取ればふつうは血圧が高くなるはずだがこれを無視して画一的に高血圧と診断し、薬を処方することも問題余地があるという指摘だ。年をとれば動脈が老化に硬くなり、血液を流す力が弱くなる。このために脳や手足などの隅々まで血液を回るには、血圧は高くなるしかない。

    外国の治療ガイドラインをむやみに国内の患者に適用することを再考しなければならないという注文も少なくない。医療系の関係者は「高血圧の基準を超えると、無条件に血圧の薬の処方と服用を勧めることは問題が多い」と指摘する。この関係者は、「高血圧の基準を決めておいて、血管疾患を予防する補薬と服用を勧める医師が多い」とし、「高血圧を下げるように、まず患者に食・生活習慣の改善のアドバイスをするのが優先だ」と強調した。
  • 毎日経済_イ・ビョンムン医療専門記者/キム・ヘスン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-11-16 09:12:52