記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)

世界が驚いた「第5世代通信(5G)」オリンピック

  • ◆ 世界が驚いた5Gオリンピック ◆

    去る19日、平昌冬季オリンピック男子ボブスレー2人乗り競技が行われたアルペンシアスライディングセンター。 3回めに乗り出したウォン・ユンジョン選手-ソ・ヨンウ選手が競技を終えるやいなや、電光掲示板で「選手一人称」視点で撮影された疾走シーンが再生され、観客の嘆声をさそった。まるで選手のように高速で走るそりに乗っているような生々しさ・スピード感を人々に伝えた。このシーンはテレビを通じてお茶の間にも放送された。このような鮮やかな画面は、KTが第5世代(5G)通信を活用して登場させた実感型メディア技術「シンクビュー(Sync View)」を介して可能だった。

    いまや中盤をこえた平昌冬季オリンピックは、KTが世界初で披露した5Gの試験サービスでさらに盛り上がっている。特に5Gをベースにした実感型中継技術は、観客と視聴者の新技術体感度を高めている。

    去る18日、ボブスレーでドイツの選手たちのそりが転覆し、フィニッシュラインを通過するひやっとする場面が演出されたが、NBCがこれを選手の一人称視点のシンクビューで送り出し、米国の視聴者にも5G技術をありのままに伝えた。シンクビューはボブスレーに超小型ワイヤレスカメラと通信モジュールを取り付けて撮影した高画質映像を、5Gネットワークとデータセンター、中継センターなどを経て、リアルタイムに処理・伝送する方式で実現した。データ量が多い超高画質映像をリアルタイムに送信し処理するためには、4G(LTE)よりも20倍高速の5Gが必要だというのがKTの説明だ。キム・ヒョンジュンKT冬季オリンピック推進団長は、「シンクビューはオリンピック主管放送局(OBS)の選択によって、競技直後のリプレイ画面を通じて登場し、技術的にはゲーム中のリアルタイムでも実装が可能だ」と説明した。

    KTがシンクビューを実現するために3年あまりをかけて開発したカメラ・通信モジュールは500グラムを超えない。競技に影響を与えないために小型化したものだ。ボブスレーにこのような撮影・中継モジュールが装着されたのは今回が初めてだ。 4年前のソチ冬季オリンピックでは外国企業が大人の腕ほどのカメラをぶらさげたが、競技に影響を与える懸念があって放棄した。

    KTが今回のオリンピックで5Gに基盤して披露している「実感型技術3点セット」には、シンクビューのほかに「タイムスライス」と「オムニビュー」がある。「タイムスライス」は江陵アイスアリーナに設置された100台のカメラでショートトラックやフィギュアスケートを撮影した後、コーナリングや追い越しシーン、ジャンプなどをさまざまな方向に分割して、立体感たっぷりに多角的に表示する方式だ。映画『マトリックス』の飛び蹴りシーンが多角的に見せてくれたことを思い出すといい。

    100台のカメラが撮影した映像を5Gネットワークを利用してデータセンターに伝送すると、これを切ったりつないだりして加工しながらタイムスライス画面を作成し、これを再びOBS、5G端末などに伝送する。これにかかる時間は数十秒に過ぎない。莫大なデータ量を考えると、超高速・超低遅延を特徴とする5G技術なしには実現不可能だ。カメラの数は少ないが、スノーボードハーフパイプやアイスホッケーもタイムスライスを適用した。

    「オムニビュー」はクロスカントリーのスキーアスロンに活用された。長い区間で競技が行われる途中で、自分が選択した選手や競技区間の状況を位置情報に基づいて表示する。選手のユニフォームの位置情報センサ、通信用モジュール(60グラム)、バッテリーを装着して記録・移動経路などを一目で見ることができる。

    5Gベースの実感型メディア技術はスライディングセンターをはじめ、主要な競技場11カ所に設置した「5G ICTゾーン」でさらに効果的に楽しむことができる。ここにはサムスン電子が開発した、5G専用端末(タブレット)200台を備えている。例えばタイムスライスのテレビ画面では、編集者が選択された映像のみを表示することができるが、体験ゾーンでは5G端末を介して任意の角度で、選択した選手だけを見ることもできる。

    実感型メディアの技術だけでなく、去る9日の開会式の「平和の鳩」公演も5G技術で行われた。開会式の中で1200人の共演者がLEDキャンドルで鳩の形を作ったが、このLEDの明るさと点滅時間などの両方を制御した。

    平昌冬季オリンピックの5Gは、外国メディアでも大きな話題になっている。 KTの5Gと関連した外国メディアの記事は760件(32カ国134メディア)に達する。英フィナンシャル・タイムズ(FT)は、去る6日付けの記事「高速5G、人類のためのゲームチェンジャーになるだろう」で平昌の5G技術を紹介し、「5Gは人類が月に着陸した瞬間と同じくらい人類を進化させるだろう」と伝えた。
  • 毎日経済:平昌_ソドンチョル記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2018-02-20 19:25:35