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韓企業「未来の金の卵」量子技術産業に乗り出す


    米国は最近、世界で最高レベルのセキュリティを必要とするニューヨークのウォールストリートの金融情報を安全に守るために、韓国の通信社であるSKテレコムの力を借りた。ニューヨークとニュージャージーを結ぶ米国初の量子暗号通信網を構築する事業に、量子通信の専門企業「クォンタム・エクスチェンジ(Quantum Xchange)」とともに、SKテレコムの子会社であるIDQを参加させた。 IDQは量子鍵分配器を供給し、クォンタム・エクスチェンジは暗号鍵の伝送距離を拡張するソリューションを適用するコラボレーションだ。 IDQとクォンタム・エクスチェンジは現在構築された量子暗号通信システムを、来年までにワシントンDCからボストンに至る800キロメートル区間に拡大する計画だ。

    世界初で5G商用化を成して競争力を証明された韓国の携帯電話会社が、量子暗号技術開発競争にも飛び込んでグローバルプロジェクトに参加している。量子の技術で生成された暗号鍵を送受信する量子暗号通信は、パターン分析が不可能な無作為の数字で、強力な安全性を誇ることから注目されている。 SKテレコムの関係者は20日、「キャッチボールで例えるなら、既存の通信方式では誰かが途中でこっそりボールを奪った後にニセモノを渡しても、受信者が真偽を知るのは難しい。一方、量子暗号通信はシャボン玉を交わすのと同じで、第3者がシャボン玉に触れるだけで形態が変形し、ハッキングや複製そのものが不可能だ」と量子暗号の重要性を説明した。

    SKテレコムは2011年から量子技術研究所を設立し、国内の量子情報通信技術の開発をリードしてきた。特に去る4月3日、世界初で商用化した5Gネットワークに量子技術を適用するなど、世界初の活用事例を作っている。 2016年には世界初の世宗~大田間LTEバックホールに量子暗号通信を適用し、2017年には世界で最も小さな量子の乱数発生器(QRNG)チップを開発した。 SKテレコムは約1年の共同研究の末に、IDQとともに欧州・米国での量子暗号通信の構築事業を受注したと明らかにした。

    • IBMが開発した量子コンピュータ



    SKテレコムのほかにKTとLGテレコムも、国際電気通信連合(ITU)の研究グループ国際会議で暗号通信ネットワークのフレームワーク勧告を1件提出し、国際標準として予備承認を受けた。この他にもサムスンは国内企業では唯一、IBMの量子コンピュータ活用事例を作成する「Qネットワーク」の一員として参加し、20キュービット(qubit:量子コンピュータの単位)量子コンピュータを共同研究して、実用化の事例をともに作っている。

    とは言え、韓国は大企業だけが努力を傾けているだけで、具体的なロードマップどころか関連法制度などの政策的支援が皆無だ。量子技術は市場調査機関ガートナーが選定した2019年10大戦略技術の一つだ。科学技術情報通信部によると、量子産業の市場規模は2035年には400兆ウォン台に成長する見通しだ。半導体の後に続く新しい有望事業として遜色がない。しかし2016年に発行された量子欧州レポートによると、世界の主要国の量子情報通信分野に対する支援ランキングで韓国はほぼ最下位圏の17位を記録した。今後の投資計画によると、この格差はますます広がる見通しだ。

    遠い未来のこととされていた量子コンピューティングの時代が現実に近づき、韓国のみがグローバルな競争で遅れをとる危機に置かれたわけだ。米国と中国や欧州などの主要国政府とグローバルな情報技術(IT)企業は毎年数千億ウォンを注ぎ込んで、量子コンピュータの開発に飛び込んでいるし、一部の企業はすでに商用化に成功して活用事例を積み上げている。韓国は2023年までに約435億ウォンを投資して「5キュービットコンピュータ」を稼動させ」るという目標を立てたが、IBMがすでに開発した仕様の10分の1の水準に過ぎない。

    韓国政府もすばやく量子技術をリードするための大規模な国策研究課題を準備したが、「時期尚早」という学界の反対にぶつかって失敗に終わったことがある。2014年12月、当時の未来創造科学部(現科学技術情報通信部)は、「量子情報通信中長期推進戦略」を樹立して、国家レベルの量子情報通信技術の開発と人材育成、基盤造成の必要性を強調した。 2016年の下半期から「量子情報通信中長期技術開発事業」を企画して投資拡大を推進したが、それさえも挫折した。出遅れたが産学研が集まった国会次元の量子情報通信フォーラムが発足するなど、基本的な議論は始まった。朴正浩(パク・チョンホ)SKテレコム社長と一緒にこのフォーラムの共同代表を務めているキム・ソンテ自由韓国党議員は16日、「量子応用技術と産業振興のための情報通信振興と融合活性化等に関する特別法」改正案を代表発議した。

    昨年末、米国政府が出した量子支援法の制定に決定的な役割を果たしたハドソン研究所のアーサー・ハーマン博士は、「量子情報通信は5Gとナノテクノロジーの分野と連携して経済成長をリードして雇用を増やすことができる」とし、「米国は量子の分野で韓国との協力を通じて、科学技術を超えて韓・米両国の同盟をさらに強化できることを期待する」と述べた。
  • 毎日経済_ソウル=シン・チャンオク記者/ヘルシンキ=イ・ヨンイク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-10-21 09:18:49