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ポスコ、AIで「グローバルワンクオリティ」実現

    • ポスコのチェ・オソン代理(左)が全羅南道光陽製鉄所の冷延工場で、自身が人工知能(AI)を組み合わせて開発した「レーザー溶接機故障予防システム」の運用について説明している。 写真提供=ポスコ



    去る6日、全羅南道の光陽製鉄所第4溶融亜鉛鍍金(メッキ)ライン(CGL)工場。寒波が押し寄せる工場の外とは違って、自動車用亜鉛メッキ鋼板の生産のために休むことなく機械が回り、工場内は熱気でいっぱいだった。特に熱処理した冷間圧延鋼板が亜鉛の溶けた浴槽に入れられて垂直に引き上げられるやいなや、瞬く間にエアナイフが鋼板表面の亜鉛を削り出す作業が轟音を立てて行われた。約30分かかる亜鉛メッキ鋼板の製造工程の中で、亜鉛メッキの量(厚さ)を調節するこの作業は1秒ほどしかかからなかったが、この工程は品質と亜鉛の使用量に密接な関連があり、全工程の中で最も重要なものとしてあげられる。以前は鋼板の使用目的とメーカーの要求に応じて鋼板に対する目標メッキ量が多様なうえに、手動でメッキ量を制御する作業者の熟練度に応じて偏差があった。

    エアナイフ工程を経て亜鉛が凝固した後になってはじめてメッキ量を測定することができ、リアルタイムに制御することが難しかった。しかし、人工知能(AI)を適用したメッキ量自動制御技術を適用し、人が制御するときは1平方メートルで7グラムにのぼったメッキ量偏差は0.5グラムまで画期的に減少し、品質の向上と過メッキ量の減少による生産コストの削減効果をうみ出すことができた。技術開発に参加したポスコのチャン・テイン責任研究員は、「超精密メッキ制御技術はディープラーニングを利用して製品の鋼種、厚さ、幅、操業条件や、目標メッキ量を自ら学習して正確に制御する」とし、「これまでは89%水準だったメッキ量制御ヒット率が、いまや99%以上を上回っている」と説明した。

    2017年に光陽製鉄所の1つのラインでメッキ量自動制御技術の適用を開始し、現在は光陽製鉄所の7つのラインと浦項製鉄所の1ライン、ポスコ鋼板の1ラインなど9つの生産ラインに拡大している。去る10月末までに中国、メキシコ、タイ、インドなど国外5ヶ所の現地法人に技術の販売を完了し、生産ラインで本格活用されている。

    光陽製鉄所の技術研究院の中にメッキ量制御統合モデルシステム(AI-Zn master)が構築された空間が用意されて、メッキ量の制御技術が適用された14ヶ所の工場をリアルタイムで監視し、リモートでプロセスをコントロールしながら維持・補修作業も進めている。チャン責任研究員は、「ポスコの亜鉛メッキ鋼板を生産する14ヶ所の工場で同じ品質で生産が可能となり、 グローバルワンクオリティを維持できるようになった」と強調した。

    ポスコは溶融亜鉛メッキプロセスの生産効率をさらに引き上げるために、4CGL工場で亜鉛が溶けている浴槽の濃度をAIを活用して自動制御できるようにするなど、7つの分野で追加的なAI技術を10月末から適用している。成均館大学と産学研の協力を通じて来年の上半期までにシステムを安着させた後は、他の生産ラインのプロセスに拡大する計画だ。

    このようなAI適用が可能な基盤には、ポスコがスマートファクトリーを実現するために構築した生産ラインのビッグデータプラットフォーム「ポスフレーム(PosFrame)」があった。ポスフレームは複数の工場で発生するさまざまな特性を持つデータを有機的に収集・保存して管理できるシステムだ。フィールドエンジニアが自分のノウハウとデータを結合させて、工程のあちこちに適用できる自動化モデルを開発するための基盤を提供したものだ。

    光陽製鉄所の圧延ソルビブで9年目勤務しているチェ・オソン代理は、冷延工場で自分が担当しているレーザー溶接機の蓄積されたデータをもとに、AIを適用したレーザー溶接機のリアルタイム故障予防監視システムを昨年10月に開発した。
  • 毎日経済_光陽=ソ・ドンチョル記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-12-09 06:40:57