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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国で「カメク」が人気を集める理由は何ですか?
  • A.
    オフィスの窓の外に、24時間のコンビニが見えます。

    雨さえ降らなければコンビニの外、車が行き交う道に座ってビール缶を傾ける人がしばしば目に入ります。

    音楽がなく、かっこいい男性従業員やきれいな笑顔を見せてくれる女性従業員がいないのが残念ですが、店の前でビールを一杯するのもなかなか楽しいものです。

    さらに利点もあります。第一に、価格が安いことです。代金をぼったくられる心配もなく、店主が「つまみは何にしますか」と尋ねることもないです。酒屋に行くと軽くお酒を1杯したくても、食べもしないおつまみを注文しなければなりません。さらにタバコを吸う人は、片手には缶ビール、片手にはタバコ1本も持っても大丈夫です。店のようにタバコを取り締まる人もないため、どれだけ良いことでしょうか。

    最近では韓国でも、どんなに規模が小さくても酒屋やレストランでタバコを吸うのが禁止されています。タバコを吸って摘発されると、喫煙者はもちろん主人も罰金を払わなければなりません。

    考えてみれば、店でお酒を1杯する姿は非常に古くから見ることができる様子でした。全北全州で「カメク(カゲメクチュ、店ビールの略)」と呼ばれる飲酒文化が生じたのは確かですが、「店でのお酒1杯」というのはそれほど新しいものではないという意味です。

    貧しいサラリーマンたちが常連になってくれました。ただ店で売っているお菓子の端くれをおつまみにしたりもしましたが、店によってはサンマや皇太子などを焼いて出すところもありました。

    ところで、飲食店ではないお店で食べ物を売るのは違法ではないのでしょうか。

    ソウル鍾路区益善洞の「コブギスーパー」。初期全州の「カメク」店形態で、生活必需品も販売する。

    法を守っていないことは確かです。しかし貧しい庶民のためにつまみを少し売っているため、警察が先頭に立って取り締まることはありませんでした。道端に立ち並ぶ屋台の主人たちが全員犯罪者たちなのに、彼らは捕まえもしない状態でお酒を売る店だけを取り締まるのは少しおかしな話でした。

    周辺にある飲食店や酒屋の主人たちが強く抗議すると、区役所や警察がたまに取り締まりをすることもありましたが、主人たちの立場では取り締まりよりもお客さんが来ないことの方が心配なことでした。寒い冬の日や雨や雪が降ったのなら、お客さんが来るという期待は捨てなければなりませんでした。それゆえ店でお酒を飲むお客さんを迎えるのはあくまでも副業でした。

    お酒を飲みに来るお客さんが来ると良く、そうでなければモノを売ることで満足します。

    そうして本格的に酒、中でもビールを売る店が登場したのです。ビールの話が出てきたので余談ですが、一時ビールだけでもなかなかの高級アルコールの部類に入っていたのです。

    懐事情が良くない人たちは、ただマッコリや焼酎を飲みました。田舎の高齢者たちはビールを飲む考えも及ばなかったといいます。

    その時代と比較すると「お店のビール」という言葉自体が少し豊かな感じを与えます。

    そして「カメク」店と呼ばれる店は通常のお店とは異なります。自由業であるスーパーや個人店ではなく、一般飲食店として申告して営業するお店です。

    それでも違法という事実は変わりません。一般飲食店では家庭用の酒類の代わりに営業用酒類を売らなければなりません。ところが「カメク」店はほとんどが家庭用ビールを販売しているのです。一般飲食店として申告しておらずに調理した食糧を出すと食品衛生法に引っかかり、飲食店としての申告をしてから家庭用ビールを売ると今度は酒税法に引っかかってしまいます。

    店主やお客さん全てが違法行為に参加しているわけです。しかし「カメク」店のほとんどが零細業者で、地域社会の情緒や取り締まり人員不足などの理由で税務署では、見て見ぬふりをしてくれています。

    そして「カメク」が人気を集める理由の1つとして、ビールの種類が非常に多様である点です。

    出処 - ⓒDaily、Instagram ID@the_story_of_aquarius

    上の写真は外国人が多く訪れるソウル梨泰院の「ウリスーパー」の内部ですが、輸入ビールでいっぱいであることが確認できます。お菓子以外には別に売るものがないただのスーパーです。道端に置かれた椅子に座りながら、陳列棚から選んだビールを飲むのです。

    目新しい味のビールを見つけて「カメク」店を訪問する人、彼らをメクドク(ビールオタク)と呼びます。メクドクたちにとって韓国ビールはどうなのか気になりますか。それはまた別の話なのです。