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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国にだけに伝わる妖怪の話がありますか? - イムギ
  • A.
    朝鮮時代に伝わる大金持ちに関する話があります。島に残されて大金持ちになったという秘話です。
    ある火砲匠(火砲を作る人)が誰も住んでいない離島に残されました。
    残された理由は?
    聞かないでください。船員が気づかなくて去ったのか、島流しにされたのか、どうしても殺せないので要領よく生きろと善意を表して行ったのか、適当に想像してください。

    一人残された火砲匠がものすごく大きな蛇に出会いました。捕まえられないためには、何とかして怪物を殺さなければなりませんでした。罠を仕掛けて怪物を捕まえた後、お腹を開けてみたら金銀財宝がたくさん入っていたのです。その後、何とかして陸地に戻り、贅沢に暮らしたそうです。

    火砲匠が捕まえた怪物は海と陸を行き来するイムギ(大蛇)の変種、ホンリャンコブ(鴻梁巨桴)です。柱のように太くて、長さは数十メートルに達しますが、残念ながら頭が悪くて非常に動きが鈍い怪物です。

    • ホンリャンコブ



    イムギの変種は他にもあります。「カンチョリ」(強鉄)です。カンチョリが通り過ぎると風と雹が押し寄せ、花と果物が全部落ちるため、このような名前が付けられたそうです。イムギは龍になれなかったのですが、変種のカンチョリは、龍の一種として記録されたりもします。

    龍になれなかったイムギが恨みを抱えたのか、どこかで火の気運を得て山河草木をすべて乾かすだけでは足りず、雲まで乾かして世の中を日照りで苦しめる怪物です。ある時は、雹を伴った嵐を引き起こし、「カンチョリが通り過ぎた場所は秋も春」ということわざもできました。何も収穫するものがなくなったという意味です。

    • カンチョリ



    変種たちの姿は大体描かれていますが、イムギの正確な姿が描かれた古典記録はありません。
    創作物では、アオダイショウの形をした巨大な蛇に設定されます。

    蛇とイムギ、龍はどのように繋がりますか?
    アオダイショウが千年生きれば龍になるという話もあり、蛇が五百年生き続ければイムギになり、イムギが五百年生き続ければ、口に宝珠の玉をくわえることになります。

    水の中で千年も修行したイムギが龍になる瞬間は少し面白いです。
    千年間、修行をしてから水の外に出て人を待ってるのですが、最初に出会った人が「龍だ」と言えば、龍になりますが、「蛇だ」と言えばイムギのままで再び千年も遂行しなければならないそうです。人の三寸の舌に運命がかかっているのです。

    伝説の中にはこんな話もあります。
    千年間、修行したイムギが昇天しようと一生懸命努力しますが、ちょうど赤ちゃんをおんぶしたおばあさんが通り過ぎながら、その光景を見て「あの蛇を見なさい」と言ったのです。しかし、おんぶされていた赤ちゃんが、「あの龍を見て」と修正したおかげで、無事昇天することができたそうです。赤ちゃんに心から感謝した龍は、彼が住んでいる一帯を肥沃な地にして、水の心配はするなと言って大きな池まで作ってくれたそうです。

    カンチョリになる前のイムギは決して人に有害な怪物ではありません。
    千年間修行をしても龍になれなかったので、性格は少し荒っぽいです。それに人間の舌先で運命が決まる存在なので怒らせてはいけません。「激怒したイムギが人にケガをさせる」という言葉もあります。

    イムギは韓国の伝説に一番よく登場する妖怪です。登場頻度を計算してみると、虎に匹敵するレベルですね。あまりにもよく登場するので、いくつかの伝説では友だちに裏切られた木こりを救ってくれる存在として登場したり、仙女に変身したイムギが僧侶を昇天させてやると騙して、1人2人食べたという伝説も伝えられています。

    善良なイムギ、悪いイムギ、暴君のようなイムギが一緒に存在するわけです。まあ、人間も同じじゃないですか。

    信じがたい話ですが、実際にイムギを見たと主張する人もいます。主に貯水池のようなところで見たという目撃談ですが、このような目撃談は1950年代に広まっていました。イムギかどうかは知りませんが、とにかくすごく大きい蛇を見たのは事実のようです。