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[コラム] 法官ブラックリスト

  • 良心に基づいて判決で語る法官(裁判官)の良心とは?

    現職の判事がインターネットポータルサイトのダウムアゴラにイシューを請願する文を投稿した。7月24日に開かれる全国法官2次会議を控え、国民が「判事ブラックリスト」に関心を持ってほしいという請願だ。

    私はチャ・ソンアン判事と申します。

    去る3月、法院行政処によってブラックリスト類の判事裏調査ファイルが作成された状況が、最高の要職である法院行政処の企画調整室審議官に抜擢されたA判事の、判事の職をかけた勇気によって偶然発見されました。その後の3~4カ月間の判事たちの苦しい戦いの後、6月19日に全国法院代表会を開き、徹底した真相究明のための追加調査を決議しました。

    何日か前、大法院長は全国法官代表会議が要求した判事ブラックリスト疑惑の追加調査を拒否しました。司法部の自浄努力が水泡に帰すというもどかしい気持ちから、私は直接市民のみなさんの関心を訴えることを決意し、悩んだ末に小さいスタートとしてダウムアゴラに請願を投稿します。

    司法部と判事たちに対する国民の不信が大きな状況で、現職判事である私のいたらなさに対する叱責から聞くことになるのではないかという恐怖が先立ちました。目標人員も少なく書いたが勇気を出して増やしてみても、依然として無関心と冷笑に埋もれるのではないかと恐ろしい気持ちです。

    勇気を出して判事ブラックリスト疑惑に対する市民の皆さんの関心をお願いします。

    ***

    あくまでも判決で語る判事が、オンラインサイトに請願した事実そのものが新しい。彼の請願は司法部自らに自浄能力がないことを示唆しているものであることから、法院としても負担を感じざるを得ないはずだ。司法部に対する不信をさらに大きくするという叱責を聞くだけのことはある。

    請願を行った全州地方法院(地裁)群山支院のチャ・ソンアン判事(40)自らも、そのような負担を感じるようだ。

    彼が国民の関心を訴えた「ブラックリスト」は、大法院(最高裁)の判事の個人性向と動向を収集し、司法部に対して批判的な立場を開陳した判事の情報を管理した資料だ。この資料を判事の人事に活用したのだとしたら、そまつに扱える問題ではない。

    批判的な性向を持った判事であれば、時局事件や財閥と権力が関連した事件は担当する機会さえ得られないだろうからだ。良心にしたがってひたすら判決で語る判事だが、1審から3審まで保守右翼性向の判事で埋まるなら、そのような判決に納得できる国民は多くないはずだ。

    チャ判事が請願とともに書いた文を見ると、判事ブラックリストは3月に法院行政処の審議官に抜擢された某判事が偶然発見したという。「そんな裏調査ファイルを作成して管理することはできない」という気持ちから辞表を書いた判事をなだめるために、審議官発令の当日にもとの法院に復帰させるという前代未聞の事件が起きた。

    6月19日、全国法官会議が開かれて84対14の圧倒的な賛成で、ブラックリストに対する追加調査が必要だという議決が通過したが、大法院長はこれを事実上拒否した。

    現職判事のダウムアゴラでの請願とともに、法院の公務員たちは法官ブラックリストに対する国会の国政調査をうながし、国会も法官会議の推移を見守っている状況だ。

    法治主義の最後の砦である法院はこの間、砦としての機能を喪失したのは事実だ。独裁政権が無数の良心囚を作り出すときに、法院は下手人を自ら務めた。判事の判決には良心などは存在しなかった。

    もしもブラックリストが存在するならば、これは法院自らが自分の芳しくない過去の行跡を引き継ごうとする試みとして解釈するしかない。ブラックリストに対する疑惑から抜け出せない限り、法院は自分の過去の過ちを消そうとするという、さらに大きな疑惑を呼び起こす可能性があるという意味だ。

    現職判事が国民の関心を買うために、ポータルサイトに請願を投稿した事実そのものが恥ずかしいことだ。一部では法院の権威を失墜させたとして、これを問題にしようとする雰囲気だ。しかしそれこそが韓国司法部の置かれている現実だ。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2017-07-09 08:59:00