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[筆洞情談] 最も安全なお金
- 世界で最も安全な通貨は何だろう。日本の「円」がそのような通貨だという評価を受けた。「米ドル」ではない。ゴールドマンサックスがこれまでの10年間、28カ国の通貨価値の変化を分析した後、何日か前に出した報告書で下した結論だ。
世界の株式市場は、原材料価格などのリスク資産の価格が下落すると円は最も顕著に上昇を示す。何か不安になる時はより多くの人々が求めるために、文字通りの安全資産だ。円はまた別の安全資産である米国債と、その価値が同じ方向に動く。ゴールドマンサックスが円を「安全資産の中で最も安全な通貨」にあげた理由だ。
600年前には事情が違った。韓半島の隣接地域である日本の福岡に、2005年に開館した九州博物館がある。ここでだんぜん目をひきつける遺物は、「宝の甕」だった。大人が入れるほどの大きな甕（かめ）が、青銅古銭10万枚で満ちていた。室町時代である15世紀に埋められた甕だが、近年に発掘されたものだという。興味深いのはこの青銅古銭が中国の硬貨だという事実だ。「日本はその当時貨幣を生産せず、中国の貨幣を輸入して使用した。ところで、戦争中にはこのように貨幣を隠しておく事例が多かった。貨幣の不足現象を補おうと、中国の硬貨の模造品もあふれた」という説明がついている。他国の通貨を輸入して使用していた国が、何世紀か後に世界で最も安全な通貨を発行しているから隔世の感だ。
日本の国家負債比率は世界最高水準だ。国内総生産（GDP）比で250％に迫る。財政危機を経験したギリシャよりもはるかに高い。それでも日本の通貨が安全資産である理由は2つのことから説明される。まず日本の物価上昇率が世界で最も低い水準であるため、それだけに円の価値はあまり落ちることはないとみることができる。また、日本は膨大な海外資産を保有している。世界経済が不安になるたびに、日本人は海外資産を売って日本の通貨に変える。
そうすると円の価値が上昇するために、日本の通貨が安全資産の待遇を受けることになるという仕組みだ。
最近、日本の各企業は求人難にあえぐが、韓国の青年たちは求職難で苦しんでいる。円を稼ぎに日本に行った韓国人は、2008年には2万人だったが今年は5万人を超えるという。彼らの努力で円が国内にきちんきちんと貯まるなら、ウォンも今よりさらに安全な通貨になるだろうが、なんとなく冴えない求職行列だ。 - 毎日経済 チェ･ギョンソン論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-07-16 08:55:48
