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[コラム] 「捨てられた文書」は誰が捨てたのか

  • 「捨てられた文書」は誰が捨てたのか。

    わずか数カ月前の状況だ。

    文在寅(ムン・ジェイン)大統領の就任当時、青瓦台の関係者は前任政府である朴槿恵(パク・クネ)政府は、政権の引き継ぎに必要な最小限の現況資料すら残してくれなかったと嘆いた。

    青瓦台のコンピュータには何も残っておらず、基本的な業務マニュアルさえ削除された状況だったそうだ。

    朴槿恵大統領が弾劾訴追を受けて青瓦台内に蟄居した当時、大統領権限代行を務めた黄教安(ファン・ギョアン)首相はほとんどの文書を指定記録物に定めて国家記録院にわたした。特検捜査を妨害しているという非難が後に続いた。難破する「朴槿恵号」の最後の船長として、彼がなすべきことだったのかもしれない。

    当時、記録館に移管された文書は電子記録物934件を含んで総1106万件に達した。このなかには閲覧が極めて限定された大統領指定記録物20万4000件が含まれていた。

    去る5月、民弁(民主社会のための弁護士の集まり)所属のソン・ギホ弁護士がセウォル号7時間対策会議の文書公開を要請したが拒否されたりもした。

    最長で30年間密封される記録物には、どのような内容が含まれているのだろうか。全く知る由はない。目録さえ封印されてしまったわけだ。

    ところが、朴槿恵政府の文書がどっとあふれだした。青瓦台の民政秘書官室でキャビネットを整理していたところ、300種以上の文書を発見したことに続き、政務首席室、国家安保室、国政状況室からも「捨てられた文書」が発見された。

    青瓦台はこれらの文書の中から一部を公開し、特検に移牒した。野党が怒った。封印されるべき前任政府の記録を、政治的な意図で公開したからだ。

    しかし目録までを非公開に分類したために指定記録物かどうかを知る術がなく、そのために内容を確認するしかなかったという青瓦台の説明に世論はおおむね首肯する方だ。

    公開された記録物の中には「サムスン経営権継承→機会として活用」というメモのように、現在進行中の裁判に直接影響を与える文書も含まれている。利害関係者としては触覚がピンと立つ出来事だろう。

    しかし、もっと気になることもある。

    あれほど徹底的に隠そうとしていた記録物が、なぜ出てくることになったのだろうか。もしかしたら前任政府に不満を抱いていた青瓦台職員の意図的な見落としだろうか?真相を明らかにするために、意図的に隠しておいた資料だろうか?前任政府から青瓦台に残っていた職員らの、規律が緩んだあまりに行われた単純な失敗だった可能性もある。

    「歴史は真実の味方だ」という言葉で片づけるには、あまりにもアイマイだ。ただし、一つだけ明確な点がある。隠そうとするな、いつかは明るみに出る。

    「君子大路行」(君子の行動は公で正しくあれという意味)という昔の言葉が思い浮かぶ。隠すものもなく、恥ずかしさもなく堂々とした生き方。そんな生き方ならばあえて隠すものもないだろう。
  • O2CNI Lim, Chul | 入力 2017-07-23 08:00:00