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イ・スマンSMエンタ会長の「異種交配」

    「人工知能とロボットの時代に『セレブリティ(人気芸能人)』の重要性はますます大きくなって輝くようになるだろう。情報通信技術(ICT)も必要だが、核心競争力はセレブリティコンテンツとの融合を通じた創造にある」

    イ・スマンSM会長(65)は17日、SKテレコムとSMグループが締結した包括的連携の意味をこう説明した。この日SKテレコムはSM系列会社であるSM C&Cに650億ウォンを増資し、2大株主となってSKプラネットの広告事業も引き渡すことにした。SM C&Cは芸能人の育成とコンテンツ制作会社だ。しかしイ・スマン会長が大きな期待をかけているのは、SKテレコムが保有する人工知能などの情報技術(IT)プラットフォーム技術を韓流コンテンツの制作や流通に結合させたときに出てくる相乗効果だ。

    このように性格が異なる2つの分野を組み合わせて高い付加価値を創出する「異種交配」は、イ・スマン会長の重要な経営方式だ。彼は1989年に小さな事務所を設立したときから、どんぶり勘定式で運営されていた韓国のエンターテイメント市場に「経営」という要素を組み合わせる必要があるという考えを持っていた。1995年に発足したSMエンターテイメントを通じ、イ・スマン会長はこの構想を1つずつ実現していった。歌と踊りに才能があるアイドルを発掘し、長い期間にわたる体系的な訓練課程を経てデビューさせるというシステムは大成功を収めた。娯楽と経営を融合した「異種交配」戦略に支えられ、H.O.T.をはじめとして神話(SHINHWA)やBoA、東方神起、SUPER JUNIOR、少女時代、SHINee、EXOなど数多くの韓流スターが誕生し、全世界にKポップブームを起こしたのだ。

    イ・スマン会長が一分野に埋没されずに開かれた視野を持つようになった背景には、「個人史」も無関係ではない。子供のころから勉強がよくできた彼はソウル大学に入学したが、音楽が好きで歌手の道を選択した。政局が慌しかった1980年代初めには歌手とMC活動をしばらく中断し、米国に渡ってコンピュータ工学の修士号を取得した。帰国後にはコンピューター学科の教授になることもできたが、彼は再び芸能界に戻ってきた。しかし留学時代に学んだコンピュータやロボットの知識は、SMエンターテイメントの経営に多くの助けを与えることとなった。

    イ・スマン会長は、経済大国になるには経済や文化の「異種交配」が不可欠だという信念を持っている。

    1997年にSMが海外市場に進出するとき、彼はこう主張した。

    「経済大国になってこそ、その国の文化が初めて知れ渡ると考えていた既存の観念は間違っていた。文化が先に進出すれば、経済的効果がついてくるのだ」

    Kポップをはじめとする韓流文化が世界市場で韓国企業と製品のブランド価値を高めているという点で、十分に共感できる言葉だ。
  • 毎日経済 チャン・パグォン論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-07-30 09:00:00