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世界1位の技術で輸出加速度を高めるソンサン代表…「高層ビル火災でも安全」

    最近、英国ロンドンで高層ビルの火災事件が発生した。高層住民が避難できず、火を避けながら墜落するという恐ろしい場面が生中継されて切なさをかきたてた。釜山海雲台(ヘウンデ)の高層ビルで発生した火災事故も様相が似ていた。

    火災が起きたとき、エレベーターは停止する。動作したとしても「危険だから乗ってはならない」というのが定石だ。

    このような事実を不憫に感じたのが、ソンサン特殊エレベーターのキム・ギヨン代表(60)だ。

    「火災が発生したときは、むしろエレベーターに乗って速やかに避難する必要があるという考えに、長年の研究開発の末に防塵、耐火技術が備わったエレベーター「エックスベーター」を作ることになった」

    名前はもちろん関連技術の特許まで受けたエックスベーターは、突然の火災、事故が発生したときに電気が切断されても、自らの電力で地上まで安全に到着するという設計がなされた。そのおかげで半導体工場などの特殊施設はもちろん、国内外の多くの高層施設から求められる世界一流の製品として脚光を受けている。

    他にもキム・ギヨン代表が考案したエレベーターは、一般人の想像をはるかに超える。地下500メートルのトンネルに人々を移動させるエレベーターで韓国最高記録を持っているかと思えば、屋上に機械室を別に置かなくてもよく、建築物の外観設計をより自由にしてくれる技術、そして一度に300人を乗せて10階の高さも難なく上り下りできるゴリアテエレベーター(三星重工業)など、異色でありながら世界のどこででも見ることができないエレベーターを作ってきた。

    ソンサン特殊エレベーターの勢いの裏側には、創業者キム・ギヨン代表の特別な履歴がある。キム・ギヨン代表は工業高校の在学時代からエレベーターで世界を制覇するという夢を見てきた。

    「1970年代、技術報国を旗印に掲げた朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が学校に訪問し、私に「世界最高で、特別な技術を持ちなさい」と言ったお言葉に心を打たれ、たどり着いたのがエレベーターだった。国が発展すれば狭い土地に多くの建物が建つと考え、エレベーターは必ず必要になると見越した」

    そして彼は国内外の関連書籍を読破し、アルバイトでエレベーターの点検をしながら専門性を積んだ。これを認めたグローバル1位のエレベーター会社オーチスは彼を採用し、30代初めにテクニカルディレクターにまで昇進させてくれた。しかし、彼の喉は渇いていた。青年出世よりも、世界1位の技術を持った韓国の会社を作りたかったのだ。

    1994年創業、その夢を実現しているのが、今日の彼の姿だ。

    ▶ロシアのモスクワ最高級の超高層ビルの受注快挙

    ただし、惜しい点は外縁の拡張だ。彼は「あまりにも特殊なエレベーターを作っていると、海外進出や汎用製品で売上を増やすのに疎かだった。アブダビ原発に入るほど認められた技術力を前面に掲げ、これからは全世界を相手に飛び込むときだ」と自信を表わした。

    その最初の成果は、ロシアの高層ビルの受注だ。モスクワの43階最高級ビルである「マヤク(Mayak)」に、ソンサンは競合他社よりも高い価格を掲げたにも関わらず受注に成功した。

    「国内では外国企業や大企業のシェアが82.5%を占めているが、海外に目を向ければチャンスが多い。設備投資や財源計画を徹底的に準備し、世界中どこでもソンサンの製品を見ることができるようにする」
  • 毎日経済 パク・スホ記者 / 毎経エコノミー 第1922号 / 写真=毎日経済 ユン・クァンシク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-08-27 09:00:00