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ソン・ジュンギやチャン・グンソクなどトップクラスのスーツを作るTailorable代表

    高2の時に退学をした。学業成績は良かったがオーダーメイドスーツの製作方法をすぐに学びたかった。19歳の時に飛行機のチケットだけを持って一人でパリ行きの飛行機に乗った。フランス語も英語もできなかったが恐れより情熱が上回った。

    フランスの衣料品店に就職して服の作り方を学び、韓国にフランスの服を輸出する仕事をした。英国とイタリアにも住んで体で直接ぶつかってスーツについてAからZまで勉強した。

    軍服務を終えて韓国に定着して2007年3月に漢南洞の製粉所の隅で、26平米(約8坪)規模の男性用カスタムスーツ専門店「Tailorable」を設立した。たった3000万ウォンで出発したがチョン・ヨンジン新世界グループ副会長など、名前だけ聞けば分かるグループトップをはじめ、ソン・ジュンギ、チョ・スンウ、チャン・グンソク、リュ・ヒョンジンなど上位1%の人々のカスタムスーツを作る大家に成長した。Tailorableのクァク・ホビン代表(31)の話だ。

    彼は『10人の泥棒たち』『生き残るための3つの取引』『犯罪都市』『沈黙』など映画の衣装や人気バラエティ番組『無限に挑戦』200回特集衣装など放送用の衣装もしばしば制作する。営業をしたのではなく映画制作会社や放送局のPDなどから直接依頼が入った。

    「子どもの頃、古典映画や文学を見るのが好きになりながら、そこに出てくる服にも興味を持ちました。映画の中の時代は職人の手で作るオーダーメイドの価値を高く評価して丁寧に作られた服を好んでいた時代でしたが、現代に来て職人技がどんどん消えるのが残念でした。職人の手で一針一針丁寧に縫い付ける本格的な方式のオーダーメイドスーツを作って、そのような服の価値を人々に知らせたかったのです。単に服を売買する次元から抜け出して顧客が服を作りにくると、サイズを図ることから始めて加工・製作などのステップごとに顧客と交感しながら世界に一つだけの服を作ることを決心しました」

    ブランド名であり会社名でもあるTailorableは一つのブランドから出発したが、今は「Tailorable ブルーレーベル」「Tailorable ワインレーベル」「Tailorable ウーマン」「Tailorable ホワイトレーベル」の計4つのブランドへと歩幅を広げた。大衆性を高めたブルーラレーベルは快適に着ることができるイタリアンスタイルであるのに対し、鋭い線を強調したワインレーベルは英国から輸入した生地を使用した古典的なスタイルを追求する。

    「オーダーメイドの服を作ってほしいという女性が多くいました。夫の服を作りに来て自分の服も製作してほしいという夫人も多くて、少しずつ製作していたのですが2015年にTailorableウーマンを立ち上げました。年齢の高い女性だけがオーダーメイドの服を好むと思っていたのですが若い女性にも人気があります。最近ローンチしたホワイトレーベルは結婚式の衣装制作からメイク、ヘアまで責任を負うウェディング専門のラインです」

    服を制作する際に最も大変な点は何だろうか。「服を着た瞬間に男性を男性らしくさらにセクシーに見せてこそ良いスーツです。このような服を作るためには顧客の体型の長所と短所と雰囲気をよく理解して解釈しなければならないのですが、それが最も難しいです。国内の職人の縫製の腕前は世界のどの職人と比べても遅れをとらないほど優れていますが服を解釈する感性は不足していたのだと思います。顧客と十分に交感して解釈した後に服を作るため、テイラーブルブルーとワインレーベルの衣装は月にそれぞれ100着、25着だけ製作することを固守します」

    若い年齢で成功した秘訣について尋ねると、彼は「まだまだ道のりは長い」と謙虚な態度を見せた。「衣類というひとつの井戸だけを掘りながら突進しましたが、運良くここまでこれたのだと思います。大学でときどき講演をすると学生に心から好きな分野を見つけて邁進することを助言します。好きなことをするためにはしたくないことも我慢しなくてはいけない点も強調します」

    クァク代表は海外市場の開拓も夢見ている。香港、上海、北京、シンガポールなどでトランクショーも何度も開催した。パリの有名なスーツ専門店「ジャン・マヌエル・モロ」の提案で7月からは店頭にはテイラーブルコーナーも設けられた。

    顧客の服のサイズをテイラーブルーに送ると、韓国で製作した後にパリに送ってくれる。クァク代表は来年初めロンドン、エジンバラ、パリを皮切りにヨーロッパでトランクショーも開催する予定だ。

    「韓国がはやい速度で成長し、失われたものが多いです。そのうちの一つが高品質のライフスタイルだと思います。服を素敵に着るだけでも気分が良くなり、人々に良い印象を与えることができます。自分をゆっくり飾るだけでも人生を変えることができるのです。服を介して人々に高品質なライフスタイルを作るのに率先していきます」
  • 毎日経済 シン・スヒョン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-11-19 07:43:50