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[コラム] 小さな骨のかけらと破れた口

  • セウォル号から出てきた小さな骨のかけらひとつが政治家たちの口を汚す。

    セウォル号の船体から回収された搬出物を洗う過程で出てきた骨のかけらを見つけたにもかかわらず、5日間これを隠したというものだ。

    現場収集本部が骨のかけらを見つけたのは去る11月17日、船体調査委員会と未収集者の家族に知らせたのは21日、次の日になってようやく国立科学捜査研究所にDNA鑑識を要請した。

    このような事実が知られると自由韓国党はもう猛攻を開始した。

    自由韓国党のチャン・ジェウォン首席代弁人は「衝撃を超えて驚愕」として大統領の対国民謝罪を要求し、ホン・ジュンピョ代表は「彼らの主張通りだったら、政権を明け渡さなくてはいけない犯罪」と非難のレベルと高めた。

    ホン代表はフェイスブックを通じて「セウォル号7時間を拡大生産して執権したのに遺骨を5日隠蔽したのであれば、どれほど重大な犯罪だろうか」とし、「文在寅政権の出発点であり聖域であるセウォル号の隠蔽という犯罪を犯したのに、海水部長官のひとりが辞退するからとそれが無かったことになるのか」と非難を続けた。

    自由韓国党の攻勢とは関係なく政権が変わってもこのようなことが起きるという事実は国民たちの怒りを誘うのに十分だ。

    現在としてはセウォル号の捜査を終わらせようとしたためなのではないかと推定されている。遺族がセウォル号の船体の捜査から撤収するという意志を明らかにした状況で2センチから3センチほどの小さな骨ではあるものの撤収意思を覆すこともあり得ると考えたからだと推定されている。

    遺骨の隠蔽について他の主張もされている。

    セウォル後から遺骨を探して葬儀を行った檀園高の学生家族たちが「小さな骨が見つかるたびに知らせないでほしいとキム・ヒョンテセウォル号現場収集本部副団長にお願いしていた」という主張だ。

    一部のメディアに報道された内容では遺族が「以前、他の未収集者の手首の骨が出てきてから追加で骨が何個か出てきたが、その時のように中継放送をするようには知らせずに静かに家族たちが収拾することができるようにしてほしいとお願いしたことがあった」というのだ。

    キム・ヒョンテ副団長は遺骨隠蔽について「葬儀をする方たちに骨が発見されたと知らせてDNA検査をすると、希望拷問になるのではという気持ちが強くなり、知らせなかった」と明らかにしたと伝えられた。

    「まだ骨のひとつも見つけられずにいる未収集者の家族がいるのに、その方たちの苦しみもあり、私たちも悔しいのでDNAが確認されたらその時に発表してもいいのではないか」という遺族の願いを聞いてあげたものなら、現場関係者たちを非難する理由はない。

    セウォル号の未収集者5人の葬儀が終わってから報告がされた過程も理解できる。自分が責任を負わなくてはいけない危険を甘受して遺族が葬儀をすることができるように配慮したと見ることもできる。

    確実な内容が明らかになるまで政治家とメディアが口を閉ざしていることはできないのだろうか。

    自由韓国党は青瓦台への非難が自ら禍を呼び寄せるということも知らないのだろうか。

    すでに自由韓国党の攻勢に逆風が吹き始めた。

    セウォル号の遺族である「イェウンの父」ユ・ギョングンさんはツイッターに「自由韓国党はその汚い口で『セウォル号』のセの字すら言わないでほしい」という文を書き込んだ。

    「真実を明かす調査を組織的に妨害して、被害者を冒涜し続けたあなたたちが遺骨発見を隠蔽した者を問責して真実を究明して、謝罪しろと話す資格があるのか」とし「虫唾が走る。自由韓国党。お願いだからあなたたちは外れていろ、吐き気がする」と怒りを露わにした。

    政治家とメディアが現場で働く人々と遺家族の心情をしっかりとくみ取ってから口を開くことは本当に不可能なことなのだろうか。自ら非難されるべきところを、破けた口で何でもしゃべくり回ることが彼らの本性なのだろうか。
  • Lim, Chul | 入力 2017-11-26 08:30:00