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幕降ろす超低金利時代…財テクの大きな流れ変わる

  • ◆ 基準金利1.5%に引き上げ/77ヶ月ぶりの基準金利引き上げ ◆

    韓国銀行が6年5ヶ月ぶりに基準金利の引き上げに乗り出したことで、超低金利時代が幕を閉じた。金利を下げて金をばらまいた「流動性祭典」を終え、金融引き締めの時代へ変化しようとするものだ。金利が長い眠りから覚めて上昇に転じ、大韓民国の財テク市場でもパラダイムの大転換は避けられない見通しだ。

    韓国銀行は30日に金融通貨委員会を開き、基準金利を年1.25%から1.50%に、0.25%ポイント引き上げた。韓国銀行が基準金利を引き上げたのは2011年6月、3.0%から3.25%に0.25%ポイント上げたのが最後だった。

    今回の利上げは市場である程度予想していた結果だ。 77ヶ月ぶりの利上げという超大型イベントにもかかわらず、この日の債券・為替市場は大きく驚かない姿を見せた理由だ。先だって、利上げ条件が成熟したという信号は韓国経済のあちこちで検出された。

    輸出増加と財政支出の拡大に支えられて、指標上での景気回復傾向が続いたことから、国際通貨基金(IMF)に続いて経済協力開発機構(OECD)などは、韓国の今年の経済成長率を3.2%に上方修正した。李柱烈(イ・ジュヨル)韓国銀行総裁もこの日、金通委直後の記者懇談会で利上げの背景に「国内経済の堅調な成長」をあげた。

    長いあいだ持続した超低金利時代の終焉は、大韓民国の財テク地形図にも大きな影響を与えるものと予想される。まず銀行預金者と借り手の悲喜が交差した。利子を生計に充てる人々は、手にすることができる金が増えることになる。短期預金の人気は高まる見通しだ。一方で、借り手は利息負担が大きくなって変化を模索しなければならない。財テクの優先順位で融資の返済戦略を立てなければならないし、これまでの変動金利による借り手は、固定金利に乗り換えることを考慮してみる必要がある。

    株式市場と不動産市場にも、小さくない変化が生じることがありうる。金利が上がれば市場にまかれた金の規模が減り、家や株式の価格が低下する可能性が高いというのが一般的な見方だ。ただし専門家らは、金利上昇期には本格的な差別化の場勢が現れるとの見通しを出している。不動産は、江南3区など主要地域のアパート価格は金利引き上げにもかかわらず上昇を続けている一方で、地方のアパートや収益型不動産は大きな打撃を受けることがあるという分析だ。

    今後の金利引き上げ速度は緩やかだろうというのが大方の観測だ。来年の成長傾向は今年よりも強いとは予想されないからだ。今回の利上げが金通委員の満場一致で行われておらず、1人の少数意見(金利凍結)があった背景でもある。

    李総裁もまた「来年の成長率は3%前後を記録するものと予想される。追加の利上げは慎重に決定する」と述べた。したがって今回の利上げは、2010年7月~2011年6月の2.0%から3.25%までを「ベビーステップ」で上がり続けた時よりも緩やかに行われる可能性が高いという観測だ。

    今回の利上げで家計の借金負担が増えることも、成長傾向には大きな負担だ。金利が高くなると、現在1400兆ウォンを超えた家計負債の増加に一定部分でブレーキがかかるだろうが、既存の借り手らは利子爆弾に見舞われることになったら、微弱な消費回復に水を浴びせる可能性があるからだ。また金利の引き上げによって対ドルのウォンがさらに上昇すれば、国内の輸出企業が打撃を受けることがありうるという点も小さくない負担だ。
  • 毎日経済_ソン・イルソン記者/キム・イノ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-11-30 18:09:32